旅つづり日々つづり2

旅のような日常と、日常のような旅の記録と記憶。

兄弟ゲンカの顛末

2020年06月25日 22時33分38秒 | 日々のこと
青之介(2歳半)が福之介(9歳)の大事にしていた工作をぶっ壊した。
福は泣きながら「もう・・・青・・・」と絶句して、ぐしゃぐしゃの工作を抱えて違う部屋に
消えていった。
星(7歳)は「やっべー」という顔で自分はどの立ち位置にいけばよいのか試案していた。
つばさ(4歳)は「かーちゃん。大変大変!!青が!青が!」と私を呼びに来てくれた。

福が長い時間をかけて大事に作っていたのは私も知っていた。(それが何なのかはイマイチ
よくわからんのだけど)
青がそれを本当は触りたいけれど我慢しているのも知っていた。
福がいろんな気持ちを必死にこらえて、なんとかクールダウンしようとしているのが分かった。
青も「なんかよくわからんけど、どうやら自分はものすごくドエライことをしでかしてしまったようだ。
どないしよう・・・」とモジモジしているのも分かった。

星が青を諭すように「一緒にごめんねって言うたるから、福のところにいこう」と説得してくれる。
つばさは「青、だめでしょ。コラッ」と怒っている。

さて、どうするか。
このまま子どもたちに解決を任せても、それはそれでうまいこといきそうな雰囲気だった。
でもそれだと、福が我慢して終わりになってしまう。福はまたひとつあきらめてしまう。

年齢や性別や体格や環境、自分で選べないもののことで子どもを叱ることだけは
したくないといつも意識している。四人に対して平等に接することは私が子育ての中で特に
大事にしたいと思っていることだ。子どもたちに「お兄ちゃん、お姉ちゃん」と呼ばせないこともそう。
「お兄ちゃんだからお姉ちゃんだから我慢しなさい」と言ったことは多分一度もない(はず)
「年齢が大きいからじゃなくて、心が大きいから譲ってあげることはできないかな?」と説得を試みる
ことはあるけれど。

青を福のところに連れていき「福かなしくて泣いてるよ。青の大好きな福が、泣いてるよ。見てごらん」と
言うと、それだけで大体のことは理解できたようだった。そして福に「今、青を叱るのは母ちゃんじゃなくて
福だよ。我慢しなくていい。福の思うようにしなさい」と言った。たたくかな?怒鳴るかな?物を投げつけるかな?
興味津々で見守っていると福はこう言った。「コラッ、青。今度おんなじことしたら青の顔にマジックでヒゲ書く
からな!!猫のヒゲ書くからな!にゃーーやで。わかった?青、分かった?」と精一杯怖い顔で、でも全然怒っていない
目で青のことを叱っていた。

青は福が本当は怒っていないことにすぐ気づいたようで「ふく、わかった。ごめんね」と言ってもう笑っていた。
星はホッとしていた。つばさはウロウロしていた。

見届けた私は「負けた・・・9歳男子に完全に負けた・・・」と嬉しいような、情けないような、複雑な心境だった。
私はこんな風に余裕をもって子どもたちに接することができているだろうか?一歩ひいて譲ることができて
いるだろうか?子どもたちにとっては圧倒的な力と権力を振り回して怒鳴ったり、命令したり、自分の都合よく
コントロールしようとしていないだろうか?

穴を掘るしかないと、思わされた夕方だった。

福8月で10歳。学校が再開してから違うステージに入ったんだな、と思うことが多い。
思春期の入り口の扉がもう見えている。一人で入っていくんだな。同じ景色を見ることはもうできないんだな。

7月から私自身新しい挑戦も始まり、いろんなことが動く夏になる予感。