「人生を愛する心、養い続けたい」文化勲章の高倉健さん
2013年10月25日13時55分
健さん、かっちょええ。
2013年10月25日13時55分
半世紀以上にわたってトップスターの座に就き、80歳を過ぎた現在も主役を張っている。大勢のファンからは親しみと尊敬を込めて「健さん」と呼ばれる。これほど息の長い映画俳優は古今を見渡しても、なかなかいるものではない。ヤクザでも刑事でも市井の民でも、「健さん」が演じる人物はいつもストイックで一本筋が通っており、日本の男性の一つの規範だった。そんな高倉さんが、受章に際してコメントを寄せた。
高倉健氏ら5人に文化勲章 文化功労者に15人
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平成二十五年度 文化勲章受章に際して
映画俳優として五十八年、二〇五本の映画に出演させて頂きました。
大学卒業後、生きるために出会った職業でしたが、俳優養成所では「他の人の邪魔になるから見学していて下さい」と云(い)われる落ちこぼれでした。それでも「辛抱ばい」という母からの言葉を胸に、国内外の多くの監督から刺激を受け、それぞれの役の人物の生き様を通して社会を知り世界を観(み)ました。
映画は国境を越え言葉を越えて、“生きる悲しみ”を希望や勇気に変えることができる力を秘めていることを知りました。
今後も、この国に生まれて良かったと思える人物像を演じられるよう、人生を愛する心、感動する心を養い続けたいと思います。
映画俳優・高倉健を支えて下さった多くの方々に、深謝申し上げます。どうもありがとうございました。
平成二十五年十月吉日
健さん、かっちょええ。