”思考をひらく”で語る論客は、学部からいけば文系人間ということになる。内容は目からうろこが落ちるような明晰な世界観を提示している。思考のプロとは、かくもすごいのかと驚いた。バリバリの理系人間の物語といい、それぞれの道を究める人は違うものだ。自分など、結局どっちつかずだったろうな、とやや落ち込む。
ハワイに行ってゆっくりしたい。
2014年3月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:749ページナイス数:63ナイスまぼろしハワイ (幻冬舎文庫)の感想ハワイには何度か行ったことがあるが、泊まったのはホテルかコンドミニアム。もちろん現地に知り合いはいない。ハワイにいると、ずっとハワイに住みたくなる。だけど、観光で行っている限りは、お金を出して人にサービスしてもらっているので、楽しいに決まっている。仮に、自分がハワイに住んだらどうやって暮らすのかまでは考えていない。莫大な個人年金でも積み立てていられたら、可能かもしれないけど、残念ながら私にはその余力は無い。ハワイはいつまでもあこがれのまぼろしの島であり、自分にとっての現実の島になることはない。読了日:3月29日 著者:よしもとばなな
思考をひらく―分断される世界のなかで (思考のフロンティア (別冊))の感想識者による現代世界に関するパネルディスカッションという感じ。9.11をめぐって、世界を解釈している。この本の出された10年前にはすでにこのような捉え方をしていたのかと思うと、考えることのプロというのはすごいものだと思った。だが、あとがきにもあったが、世界はめまぐるしく変化している。この当時、中国の脅威については一切触れられていない。わずかの間にアメリカ一極支配は失われつつあり、中国、ロシアの台頭と日本の立ち位置、そういったことについて考えていかなくてはならなくなっている。読了日:3月27日 著者:姜尚中,齋藤純一,杉田敦,高橋哲哉
まどろみ消去 (講談社文庫)の感想物理学を修めたあと、病理医になった同僚に勧められて読んだ。理系人間オンパレードな特異な作品群は初めて出会うスタイルで、興味深かった。世の中こんな人達ばかりだったらさぞかし論理的でわかりやすいだろう。だが、世界は混沌に満ちている。それが理解できないことで理系人間は狂気に追い込まれていく。私は理系人間にあこがれ続ける文系人間。世界は漠然としていて、いつ始まったなんか分からず、答は無い。読了日:3月19日 著者:森博嗣
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