介山の日記

つれづれに思ったことを書きます。

いわゆるイケガMe Too問題について

2018-09-19 10:00:48 | 所感
マスコミでは取り上げられていないものの、
ネット上では、いわゆる「イケガMe Too」
問題が、ひそかに話題を呼んでいます。

http://agora-web.jp/archives/2034671.html

https://ironna.jp/article/10730?p=1

著作権法を紐解くまでもなく、我々が学位
論文を書く時には、先行研究の引用には、
当然、気を遣います。

「気を遣う」とは、先行研究(他人の研究
成果や意見)を評価する際、その趣旨を
曲解しないよう気を遣うという意味です。

しかし、今回の問題は、それ以前の、そも
そも他人の成果や意見を自分のものと混同
しないようにするという、当然のことが
できていないゆえの話で、論外の話です。

この問題は、以前から気になっていました。

我々は、先行研究の引用に、あれほど気を
遣うのに、どうしてマスコミは、他人の
意見と自分の意見を混同させるのだろうと。
(今回の話はその典型例です)

「取材源の秘匿」を理由にすることも考え
られますが、そもそも取材源となる人が、
それを望んでいない今回の場合には、説明
がつきません。

また、所詮、ニュースショー(バラエティ)
に厳密さを求める必要はないとする反論も
考えられますが、利用される側には関係が
ないことを考えると、やはり理由になりま
せん。

さらに、渦中のかたが「子どもニュース」
出身だから、「もの知り父さん」のように
語るのはしかたない(少なくとも「子ども
ニュース」時代はしかたない)という反論
もあり得ますが、これもどうかと思います。

利用される側には関係がないことはむろん、
「もの知り父さん」が、他人の研究成果や
意見を子どもに紹介するからと言って、
あたかも自分の意見のように語って良いの
か、少なくとも公式の場で、そんな認識で
子どもにものを伝えて良いのか、疑問が
残るからです。

百歩譲って、「もの知り父さん」が芸風だ
としても、大人相手の番組で、「この点に
ついて○○大学の○○先生は○○と言って
いる」と引用するのに、なんの憚りがある
のでしょう。

ユーチューブなど、ネットへの番組の掲載
にうるさいマスコミが、そもそも番組の
制作に気を遣わないというのは、到底、
納得できるものではありません。

報道が、文字どおり「取材」をして初めて
成立するのが一般的である以上(それゆえ
「報道の自由」の前提として「取材の自由」
もある程度、認められているのです。)、
報道機関は所詮、他人の褌で相撲を取って
いる(しかしそれでも事実を伝える社会的
役割が確実にある)、という自覚と謙虚さ
が必要なのではないでしょうか。

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