先日、父親と電話で話をした。
まずはお互いの近況報告。
この前あれがどーのこーのであそこでナニした、へーそうなんだ、俺も今度行こうかな。
内容が思い出せないくらい他愛も無い話だった。
けれども、これが心地良い。
昔は父親に対して尊敬というか、何とも「大人な人」というある種一線を画した見方をしていたが、社会人になってからはその距離がグッと縮まった。自分が近づいたのか、親父が近づいてきてくれたのか。いずれにしてもこの距離感は、嬉しい。
するとおもむろに父親がこう切り出してきた。
「で、仕事はどうだ?」
突然仕事の話を振られて、一瞬戸惑った。
「実はさ・・・何かうまく行ってなくてさ」
「どうした?」
「うーん、今まで日本にいた時に外人と仕事してたじゃない。でさ、その時は上手く仕事が出来ていたから、こっちに来てからも大丈夫だって変な自信があったわけさ。まぁ、ところが上手くいかなくて」
「例えば?」
「例えばさ、今、戦略立案とか商品企画とか品質改善とか、まぁ、上流の仕事をしているわけじゃない。でね、今までの現場経験があるから、下手に色々な事が思いついてしまうわけ『これ、このままだと現場の人たちが困るからちゃんとした資料作らないと』って。」
「うん」
「で、やっちゃうわけよ。やらなくても良いのに。そうすると時間もなくなるでしょ?しかも誰もそんな細かいところ気にしてないでしょ?求めてないでしょ?」
「外人は特にそうだわな」
「でしょ?だけどさ、クソみたいなプライドがあってね、やりたいわけよ。細かいところまでしっかり作りたいわけよ。どうしても」
「なんで?」
「なんでか?うーん。なんでだろ。例えばさ、細かいところを気付いているんだけど、それを書かなかったとするじゃない。で、後でそれを指摘されたとするじゃない。そうすると『ほら、やっぱり書いておけば良かった』って思うじゃない。それが悔しいから、だったら書いちゃえ!って思うわけよ」
「なんだ、お前完璧主義者だったのか」
「いや、そういうわけじゃないけど・・・」
「完璧主義者だよ、昔はいい加減だったのにな」
「いい加減って・・・」
「もっと力抜けば?」
「でもさ、悔しいじゃない」
「まぁ・・・分かる。だけどさ、今のポジションで現場経験ってどれだけ有効なのよ?」
「うーん、まぁ、無いよりはあった方が良いんだろうけど・・・」
「だろ?実はお前が思ってるほど大した事では無いんだよ」
「うわっ、何かすごく不意打ちにヘビーなパンチが飛んできたな」
「だってさ、現場経験なんて引き出しの一つであって、それだけでどうこうなるわけじゃないでしょ」
「うーん、そうだね」
「現場では現場の立ち振る舞い方があって、細かいところまでしっかり詰めるってのは、そこでは大事だったわけだ。でも、今はそれが必要とされていない場面で無理矢理どうにかしようとしてて空回っているように見えるんだけどな」
「くぅ・・・何か痛いところバシバシ突かれてるな・・・」
「例えばさ、タイヤだけで車作れないだろ。ハンドルは?アクセルは?ブレーキは?エンジンは?」
「・・・持ってない」
「だろ?だったらさ、他のスキル身に付けた方が早いんじゃない?お前の役目はタイヤで車作る事じゃなくて『車を作ること』でしょ?」
「むー・・・本当だね」
「良いんだよ、今は勉強なんだから。良い機会なんだから色々なスキルを身につけろよ」
「勉強か・・・勉強ね・・・あんまり勉強って思いたくないな」
「なんで?」
「だってさ、何か戦力外通告されてるみたいじゃない」
「バカ、当たり前だよ!今のお前は明らかに戦力外なんだから!」
「チッキショー、そこまではっきり言われると何も言い返せないな」
「良いんだよ、勉強で」
「それにしても、何でこんな当たり前の事に気付かなかったんだろ」
「お前、昔から一度ダダこねると絶対に譲らなかったからな」
「そんなことないさ!」
「あるさ!まぁ、頑張れ。疲れたら休め」
「・・・はい」
という会話でした。
で、ここ数日は「勉強だ」「力抜け」「細かくなるな」と自分に言い聞かせながら仕事をしているんですが、いや、もう有り得ないくらい修羅場になってきてですね、勉強とか悠長な事言ってられないし、力も入りまくるし、細かいところにも目がいってしまい、それを抑えるので必死。
親父さん、アドバイスありがとう。
本当にいつも助かってます。
だけど、状況からして出たとこ勝負しかなくなりました・・・。
この混乱を抜け出してからまた色々と反省する事にします・・・。
その時はまた相談に乗ってください・・・。
まずはお互いの近況報告。
この前あれがどーのこーのであそこでナニした、へーそうなんだ、俺も今度行こうかな。
内容が思い出せないくらい他愛も無い話だった。
けれども、これが心地良い。
昔は父親に対して尊敬というか、何とも「大人な人」というある種一線を画した見方をしていたが、社会人になってからはその距離がグッと縮まった。自分が近づいたのか、親父が近づいてきてくれたのか。いずれにしてもこの距離感は、嬉しい。
するとおもむろに父親がこう切り出してきた。
「で、仕事はどうだ?」
突然仕事の話を振られて、一瞬戸惑った。
「実はさ・・・何かうまく行ってなくてさ」
「どうした?」
「うーん、今まで日本にいた時に外人と仕事してたじゃない。でさ、その時は上手く仕事が出来ていたから、こっちに来てからも大丈夫だって変な自信があったわけさ。まぁ、ところが上手くいかなくて」
「例えば?」
「例えばさ、今、戦略立案とか商品企画とか品質改善とか、まぁ、上流の仕事をしているわけじゃない。でね、今までの現場経験があるから、下手に色々な事が思いついてしまうわけ『これ、このままだと現場の人たちが困るからちゃんとした資料作らないと』って。」
「うん」
「で、やっちゃうわけよ。やらなくても良いのに。そうすると時間もなくなるでしょ?しかも誰もそんな細かいところ気にしてないでしょ?求めてないでしょ?」
「外人は特にそうだわな」
「でしょ?だけどさ、クソみたいなプライドがあってね、やりたいわけよ。細かいところまでしっかり作りたいわけよ。どうしても」
「なんで?」
「なんでか?うーん。なんでだろ。例えばさ、細かいところを気付いているんだけど、それを書かなかったとするじゃない。で、後でそれを指摘されたとするじゃない。そうすると『ほら、やっぱり書いておけば良かった』って思うじゃない。それが悔しいから、だったら書いちゃえ!って思うわけよ」
「なんだ、お前完璧主義者だったのか」
「いや、そういうわけじゃないけど・・・」
「完璧主義者だよ、昔はいい加減だったのにな」
「いい加減って・・・」
「もっと力抜けば?」
「でもさ、悔しいじゃない」
「まぁ・・・分かる。だけどさ、今のポジションで現場経験ってどれだけ有効なのよ?」
「うーん、まぁ、無いよりはあった方が良いんだろうけど・・・」
「だろ?実はお前が思ってるほど大した事では無いんだよ」
「うわっ、何かすごく不意打ちにヘビーなパンチが飛んできたな」
「だってさ、現場経験なんて引き出しの一つであって、それだけでどうこうなるわけじゃないでしょ」
「うーん、そうだね」
「現場では現場の立ち振る舞い方があって、細かいところまでしっかり詰めるってのは、そこでは大事だったわけだ。でも、今はそれが必要とされていない場面で無理矢理どうにかしようとしてて空回っているように見えるんだけどな」
「くぅ・・・何か痛いところバシバシ突かれてるな・・・」
「例えばさ、タイヤだけで車作れないだろ。ハンドルは?アクセルは?ブレーキは?エンジンは?」
「・・・持ってない」
「だろ?だったらさ、他のスキル身に付けた方が早いんじゃない?お前の役目はタイヤで車作る事じゃなくて『車を作ること』でしょ?」
「むー・・・本当だね」
「良いんだよ、今は勉強なんだから。良い機会なんだから色々なスキルを身につけろよ」
「勉強か・・・勉強ね・・・あんまり勉強って思いたくないな」
「なんで?」
「だってさ、何か戦力外通告されてるみたいじゃない」
「バカ、当たり前だよ!今のお前は明らかに戦力外なんだから!」
「チッキショー、そこまではっきり言われると何も言い返せないな」
「良いんだよ、勉強で」
「それにしても、何でこんな当たり前の事に気付かなかったんだろ」
「お前、昔から一度ダダこねると絶対に譲らなかったからな」
「そんなことないさ!」
「あるさ!まぁ、頑張れ。疲れたら休め」
「・・・はい」
という会話でした。
で、ここ数日は「勉強だ」「力抜け」「細かくなるな」と自分に言い聞かせながら仕事をしているんですが、いや、もう有り得ないくらい修羅場になってきてですね、勉強とか悠長な事言ってられないし、力も入りまくるし、細かいところにも目がいってしまい、それを抑えるので必死。
親父さん、アドバイスありがとう。
本当にいつも助かってます。
だけど、状況からして出たとこ勝負しかなくなりました・・・。
この混乱を抜け出してからまた色々と反省する事にします・・・。
その時はまた相談に乗ってください・・・。