that blog-ish thingy

ブログ的なアレです。

銀河鉄道999 - トンネル惑星に強制停車! -

2007年03月11日 | なんとなくアレなやつ
ビッグコミックという週刊誌を毎週購読しているのだが、今週は異色の作品が読みきりで登場していた。

それは松本零士の銀河鉄道999。

銀河鉄道999の特徴は、毎回、何かしらのテーマを取り扱っている点が挙げられる。
男の成長であったり、機械文明の発達による人間のあり方であったり、昭和の日本を懐かしむノスタルジーであったり。
そういった様々なテーマがどの作品にも必ずあり、結果としてそればかりが強調され、ストーリーが滅茶苦茶になってしまっているという側面も挙げられる。

いずれにしても、そういった側面込みで、何か惹きつけられる要素の多い漫画であり、私も、本作を全巻揃えてしまうくらい魅了されてしまった読者の一人であったりするわけだ。



さて、今回の読みきりのストーリーは、ざっくり言えば、他人の命を喰う事により生きながらえる魔女がメーテルや鉄郎を食べようとする話。が、鉄郎たちの心があまりにもキレイだったので、逆に魔女が自滅をしてしまうという話。相変わらずストーリーだとか理屈は一切抜きの展開だ。

が、最後の方でいくつか気になるフレーズがあった。

メーテル:
人も星も、他人の心を盗んで生きようとする卑しい者を決して許さない。
他人の心で生きようと思う者、富を得ようと考える者は、必ず自分自身が亡び消え去ってゆく。


レイラ:
心を食べて生きる邪悪な命を私は許さない。
この先恐るべき相手が次々に現れる・・・トンネル惑星はその予告編にすぎない。
だが、経験から学んだ者は強くなる!!


この一連のセリフは、もしかすると去年に話題になった「銀河鉄道999からの盗用問題」の事を指しているのかもしれない。

(以下Wikipediaからの抜粋)

槇原敬之がCHEMISTRYに提供した楽曲「約束の場所」の歌詞の一部が『銀河鉄道999』の作中のセリフの盗用であると松本零士は指摘した。

(中略)

問題になっている漫画の台詞のみで盗作とする根拠は、偶然の可能性も否定できないと言う意見もあるが、松本零士監修のアルフィー「Brave Love ~Galaxy Express 999~」の歌詞を含めて比較した場合、槇原の言い分は偶然の一言では説明できないと言う意見もある(問題の槇原の歌詞は、当該台詞と、「Brave Love ~Galaxy Express 999~」の歌詞を足したような歌詞であると言う(「約束された場所」や「未来はけして君を裏切らない」という歌詞が存在)指摘がある)。

但し知的財産権という法律的なことから見ると、2006年11月11日放送分のテレビ番組「ナンボDEなんぼ」内で討論があり、その際に国際弁護士・八代英輝が、裁判になったら、槇原が「盗作をしました」と明確に表現しない限り、松本の側が敗訴するのではないかという見方を示した。また2006年10月22日放送のテレビ番組「アッコにおまかせ!」内でも法律家の意見を交えた回答でも松本側敗訴の見解を示されている。


また、こんな事も今回分かった。

日本漫画家協会著作権部責任者やコンピュータソフトウェア著作権協会理事などの役職を持つ立場にあることもあって、著作権に対し敏感な面があり、過去に著作権関連のシンポジウムで「孫子の時代まで自分の著作権を守りたいというのが心情だ」と述べたこともあるほか、自らが過去に漫画の中で使用した台詞等の表現を『創作造語』と称し、それに似た表現を他者が無断で使うことに否定的な見解を示している。

さらに、今回の掲載が「連載」ではなく「特別読みきり」であるという点も考慮すると、なおさら著作権に関する自己主張の場として利用しているという考え方が濃厚になってくる。



まぁ、そういうわけで色々と話題性の詰まった読みきりではあったんですが、個人的にはそういった話題を作品内にあまり持ち込んで欲しくないなと思いました。
特に銀河鉄道999は、夢と希望みたいなものを思い浮かべながら読むべき作品なのに、こんなドロドロとした利権絡みの話に読者を巻き込むのもどうなのかと。
確かに著作権云々で、作者の利権やらプライドやらが侵されるという話も分からないでもないのですが、それはそっち側で考えるべき問題であって、わざわざ読者に伝えるべき議題ではないはず。

そういった諸々を考えて、松本零士先生には作風を元に戻して欲しいと切に願うばかりです。

<出典>
ビッグコミック2007年3月25日:銀河鉄道999 - トンネル惑星に強制停車! -
Wikipedia - 松本零士
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする