久しぶりにグループホームの旅行に同行しました。
同行したのは、品川区内で最初にグループホームの運営を始めた【(株)ケアサークル恵愛】さんが、
品川区内で指定管理者として昨年から運営を始めてる『品川区立大井6丁目認知症グループホームさん』です。
(区立は名前が硬い((+_+)))
わたしが、初めて参加したのは、同じく(株)ケアサークル恵愛さんが経営する『グループホーム温々さん』で、私が東京で初めて手掛けたホームで10年前の参加になります。
後に参加したのは4年前ぐらいかな?でも、温々さんも利用者の重度化により『日帰り旅行しか行けなくなった。』とのことでしたが、しかし、今回新しいGHが出来たので行くことになりました。
今回は久しぶりに三浦半島への一泊二日の温泉旅行です。(*^鮪^*)
ところで、どうしてお泊りの旅行なのでしょうか?必要なのでしょうか?
日帰り旅行ではだめなのでしょうか?
たまに人に言われます。忘れる人に対して『本当に必要?何が残るの?覚えているの?』・・・ 私は声を大にして『必要だ。』と言っています。
よく考えて下さい。私たちもよほど旅行嫌いな人でない限り、日常生活から離れた温泉旅行は、今でもすごい楽しみではないですか?
特に子供の時などは寝られないほど楽しみではなかったですか?
それとまったく同じなのです。私たちが楽しいと思っていることは、たとえ認知症になっても同じく楽しいのです。それだけは間違いありません。
だから・・どうか・・みなさんに理解をしてほしいものです。
今日本には、医療法人系・社福系・民間系・フランチャイズ系と本当に数多くの事業所が存在しています。
しかし、一泊二日で旅行を実践している事業者は詳しいことはわかりませんが
おそらく1/50も満たないかもしれません?いや現実にはもっと少ないかな・・??
※すいません。この記事を見て実践している事業所はお教え下さい。
どうしてこのような答えになるか?の問いですが・・おそらく・・・
①職員さんに対して多大な負担がかかる。
②利用者全員が行けるとも限らないので、待機利用者に対しても職員を確保しないといけない。(人材不足)
③利用者が重度化して長い旅行には耐えられない。
④家族の理解が得られない。(お金の問題も含む。)
⑤様々な負担を考えたら日帰り旅行で充分と思っている。
⑥大規模施設法人の一部は、利用者の状況により様々な施設へたらい回しするので、そもそも不可能。
⑦上記の補足ですが、ターミナルを視野に入れておらずGH入居時間が短く、なじみの関係を築けないのでそもそも無理である。
⑧そもそも・・そのようなものが必要とは思ってもみない。(スタッフの想いが薄い)
⑨スタッフがどんなに利用者のことを想っていても経営者の理解がなく実現できない。
⑩チェーン店だからそのようなマニュアルはない。
ここで、ちょうどきのこグループの若手からこのようなLINEが来ました。一部紹介します。
私:想いの深さがないと、旅行なんぞ出来ないよな。スタッフも経営者も・・・
楠:制度の枠にとらわれて、利益主体・職員主体ではできないですよね。旅行というのは・・・
松岡:旅行も普段の延長線上(外出)ならいいですけど、それだけでいいことをしている評価になるのでしょうか?
私:本末転倒だね。
松岡:でも・・そういうのよくあります。
楠:評価されたいからやるのは違いますからね。職員の満足。
私:だから・普段から買い物や散歩に気楽に行っている事業者が一泊二日旅行に行くのは、事業者経営者とスタッフの総合力だよ。
私:恵愛さんのGHは大竹さんときのこの眞鍋さんが開祖みたいなもんだから、普段からの外出や旅行が出来ているんだな。
楠:初めの段階から、事業所の理念と実践がしっかりしていないと、何のために外出するのか?誰のどんな想いに寄り添っての行動 が大事です。職員主導ではいけないですね。
私:きのこグループは岡山では日帰り旅行が多いと聞いたけど、東京での一泊二日旅行の開祖は誰なんだ?
二人:しりません・・・誰??
鈴木:東京は眞鍋さんと僕からです。
鈴木:日帰りをしたときに眞鍋さんと家族の人が『今度は泊まりたいね。』という話になり翌年企画しました。第一回は10年前に伊豆の下田でした。
鈴木:デイサービスでも行きました。僕はほかの施設は知りませんが当たり前と思っていました。
私:まったく・・恵愛さんときのこさんは・・偶然にも同時期じゃあ~・・(#^.^#)
・・・お後が宜しいようで・・・
みんなと話しながらの結論としては
やはり、そこには基本があると思うのです。普段から外出の習慣があり、その延長線上に一泊二日の旅行が
あるのが大切なのです。
しかし、現実には普段外出させないホームがそれをできるとは思いませんが
普段閉じ込めた生活をさせておきながら、アピールのためだけに、日帰り旅行とか一泊二日の旅行をす
るのは本末転倒と言うしかありません
では、お待たせしました。旅行のレポートを下記から・・・・
初めて参加したのが10年前、最後に参加したのは4年前ぐらいかな?
グループホーム温々さんは利用者の状態が悪くなり、『一泊旅行に行けなくなった。』とのことですが、
今回㈱ケアサークル恵愛さんの新しいGHが出来たので行くことになりました。
利用者との久しぶりの旅行は三浦半島一泊二日の温泉旅行です。(*^。^*)
前の旅行を思い起こせば、自立歩行が困難で、自力でバスに乗り込むことが出来ない利用者の人も居て、
その時は男性スタッフが利用者をお姫様抱っこしてバスの中に入っていきました。
それを少し手伝ったような?記憶もよみがえりました。
だから、今回もそのようなお手伝いがあるのかな?と・・
気合いを入れてバスが来ているお迎えの場所に行きました。
しかし・・・・来ていたバスが・・・
『ビックリです。』『サンダーバード2号だったのです。』


びっくりしつつ、いつもの最後部の席を陣取り、『いざ出発!』
トイレ休憩を頻繁に挟むので、さすがに通常旅行の半分程度の行程でゆっくり、ゆっくり進みます。
先ずは・・横浜市内の動物園ズーラシア
に到着しました。
ここは園面積が日本一位ということで大変広く、とても一日でも廻ることが出来ずごく一部しか廻れませんが、
『トラ・ライオン・象』とかをみんなでゆっくり見ていきました。

そこからは、トイレ休憩を挟み一気に早めにホテルに到着しました。
ホテルには午後3時半前に到着しましたが、晩御飯までは3時間近く時間が空きます。
先ず私は、荷物運びのお手伝いを、せっせ!せっせ!とします。
4時過ぎには荷物も利用者もお部屋に入りました。
今回参加者は利用者7名が全員女性で、スタッフは男性3名、女性4名の計7名となっています。
(それからカメラマンの池田さんと、わたしです。)
先ずは、お部屋で休憩して、落ち着いたら女性スタッフが交代で利用者と温泉に行きます。
男性スタッフは荷物をまとめたり整理したり、主にお留守番になります。
しかし、私はやることもないので、ホテル内のプールで優雅に泳ぎ、
ゆったりと温泉に浸かり、夕食前に一人缶ビールを飲み干します。
それから待ちに待った宴会の時間がやってまいりました

先ずは、乾杯ですが・・さすがにスタッフは仕事ですので、乾杯程度しかビールは飲めません。
しかし、私はゲストということで・・ガンガン飲ませていただきました。
『あ・・(*^。^*)請求書が怖い★』
8年前と同じように利用者とデュエットしようとしましたが、そのような設備もなく、8年前と違い自慢の喉を披露できなくて残念でした。
食事の後は各々お部屋に戻り・・スタッフは利用者の見守りで夕食前は温泉にゆっくり浸かれなかったので、
男性スタッフと女性スタッフが交代交代で入り・・・
残念ながら私の飲み部屋に訪れたごく一部のスタッフだけで、
(スタッフはアルコールは口をつけるだけで、わたしと池田さんが・・(*^。^*))
『日本シリーズ』を見ていました。→結果は(T_T)/~~~
(私はトラキチですが・・きのこの佐々木さんの影響で7月中旬よりカープファンに転向です。)
しかし、一泊二日の旅行は・・本当にスタッフの人たちに負担がかかるものですね((+_+))
次の朝が来ました。今日は油壺のマリンパーク水族館
に行きます。
陸の次は海です。今日で陸・海共全てを制覇です。
ここでもゆっくりみんなで見学です。今日は『いるか・あしかショー』もあるので、みんな楽しみにしています。

昼過ぎに水族館を後にして、葉山を通り鎌倉のあたりで昼食です。


昼ごはんも終わりましたので
ここで手のすいた介護スタッフにヒアリングです。
『昨晩寝れたの?』
一人の女性スタッフ
『利用者が昨晩あまり寝てくれなくて、ほとんど寝てません。朝の4時から利用者と二人リビングで座り、日の出を待っていました。』
『じゃあ~今晩は爆睡だね?』
『いえいえ・・今晩は夜勤で2日続いて完徹です。』
『・・・・・・(-_-;)』
『バスの中でうつらうつらしているときは、介護の夢を見ます。』
『・・・・・・(@_@;)』
一人の男性スタッフ
『ちゃんと寝れた?』
『利用者のベットがいつもと違うので、いつ寝返りしてベットから落ちるんではないかと思うと・・・朝まで寝れませんでした。』
『・・・・・・(-_-;)』
これは・・前から聞いてはいましたが、一泊旅行は介護スタッフにとって本当に大変ですね。
おそらくその苦労を知らない家族の方々もいらっしゃるかと思いますが、
『施設内で旅行に行くということが、どれだけ大変か?ということを
家族にも、もっともっと理解して欲しい。』
と心から思ったものです。
また、前から言っていますが・・写真からも理解できるように少人数施設の人間関係はより深くなることを再実感しました。
それから比べると特養老人ホーム等の個室ユニット施設で、
身体の状態(重度化)や人員配置の問題もあるでしょうが・・・
本来あるべき姿であるこのような光景が見られることが
全国に一体幾つあるのか?気になるところです。
正直かなり・・かなり・・かなり・・かなり・・少ないと思います。しかし、仕方ないことだとも理解しています。
(きのこのチャレンジャー鈴木君は特養でも可能と言っていましたが・・よほど経営者の理解がないと難しいと思いますが・・・?)
だから・・だからやはり、だからこそ認知症になったら自分もグループホームに入る選択を間違いなくすると思います。
( ※現在日本のGHで個室にほとんどトイレがないのが辛いが・・・・)

午後4時過ぎに施設近くのコンビニ駐車場に到着しました。
わたしは・・せっせせっせと荷物運び・・!(^^)!やっと終わりました。
介護スタッフもやりきった表情で良い表情を浮かべます。利用者も満足そうな笑顔が浮かびます。
皆さんお疲れまでした。お世話になりありがとうございました。
来年はパブリックビューイングをした『小山倶楽部さん』の旅行にも付いていく予定です。
※楠君よろしく(*^。^*)
3年後は東五反田のグループホームにも付いて行こうかな?
だから・・来年は二つの旅行になるかもしれません。(*^。^*)わたしもいろんな風景を目に焼き付けてこようと思います。

追伸―
私の知り合いが認知症になりました。
ある程度コミュニケーションが可能な時に、仲の良い知り合いに会わせるため奔走しましたが、
その時『人は認知症になったら二度死ぬのです。』と相手側に言いました。
早く会わせたいとは云え、大変失礼な間違った意見を、会わせたい人に言ってしましました。
私はその時『認知症が進み認識出来なくなった時が一度目です。』『次が肉体的な死を意味します。』と考えていました。
でも・・これは大きな大きな、根本的な間違いでした。
先日テレビで古館一郎さんも永六輔さんが亡くなった時娘さんの言葉として言っていましたが・・・・
その時彼はこう言っていました『人は二度死にます。』
『一度は肉体的な死です。』『二度目はその人のことを思い出してくれる人が居なくなった時に二度目の死が訪れます。』
そう・・亡くなった人を思い出してくれる人が居る限り、心の中にある限りその人は亡くならないのです。
旅行が終わり、施設内で画像や映像を見て旅行の話をしていると聞きました。
以下スタッフからのメールを紹介します。
『先日は1泊旅行に参加して頂き、ありがとうございました。
反省点も多い内容となりましたが、劒持さんも手伝ってくださったおかげもあって
怪我や事故もなく無事に帰って来られました。
ご利用者様もビデオや写真を見ながら「楽しかったね~」「また行きたいね~」などと話されております。』
しかし、現実には昨日行った旅行のことを忘れている人もいます。
それは仕方ないことで、嘆いたり悲しんだりするものではありません。
だから、だからこそこう思うのです。だからこそ、こう言い聞かすのです。
『たとえみなさんが忘れようと・・わたしたちはあなたの笑顔を忘れないから安心してください。』
『また、来年もいっしょに行きましょう。』 と・・・・・・