く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ローズマリー> 地中海地方原産のハーブ 長く咲き続ける薄紫色の小花

2012年11月13日 | 花の四季

【葉は香料や肉料理の臭み消しに、古くは魔除けの聖草】

 シソ科の常緑低木。原産地は地中海沿岸地方で、日本には文政年間(1818~30年)の頃、渡来したという。名前はラテン語の「ロス・マリヌス」に由来する。ロスは「露・しずく」、マリヌスは「海」。海に面した崖などに多く自生し、花の淡いブルーが海の色を連想させることによる。「ローズ・オブ・マリア(聖母マリアのバラ)」からという説もあるが、これは俗説といわれる。和名はマンネンロウ(迷迭香)。

 ローズマリーは英国のバラード曲「スカボローフェア」の歌詞に「パセリ、セージ、ローズマリーにタイム」と繰り返し出てくるように、代表的なハーブ(香草)の1つ。強い香りから葉を肉料理の臭み消しに使うなど、香料や防臭剤として幅広く利用されてきた。イタリアの肉屋さんではラム(子羊)肉を買った人にローズマリーをサービスする店もあるそうだ。花はジャムや砂糖漬けの菓子などにも。フランスやイタリアなどではローズマリーの蜂蜜が特産の1つにもなっている。

 花の色は淡紫が多いが、白や青、ピンクのものもある。株の形を大別すると上にまっすぐ伸びる直立型と、地面を這うように横に伸びる匍匐(ほふく)型、それらの中間タイプに分かれる。直立型にトスカナブルーやミス・ジェサップ、匍匐型にプロストラータス、サンタバーバラなどがある。サンタバーバラは四季咲き性で寒さにも強く、花期が秋から翌春までと長い。

 ローズマリーは古くから若返りや魔除けの力があると信じられてきた。古代エジプトのファラオ(王)の墓からは副葬品としてローズマリーの小枝が見つかっている。フランスでは伝染病患者を収容した病院で伝染予防のためローズマリーが焚かれたという。このほか古代ローマ人は神々をローズマリーの花で飾った▽中世ヨーロッパでは葬儀の会葬者が棺のそばに小枝を投げ入れた▽14世紀のハンガリー王妃エリザベートはローズマリーを主成分とする香水の「ハンガリー・ウオーター」で美貌を取り戻し、70歳を過ぎて隣国の若きポーランド国王から求婚された――など多くの伝説がある。


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