く~にゃん雑記帳

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<BOOK> 「ほんとうはこわい 植物図鑑」

2019年01月11日 | BOOK

【監修・小林正明、絵・高橋のぞむ、大泉書店発行】

 植物の多くは一箇所に根を張り、生きるために水と光と二酸化炭素から養分を作り出す。だけど植物の中には肉食のものや根から他の植物の養分を盗むものもいる。毒や棘で身を守る植物や過酷な場所で恐ろしげな姿に変えて生き延びる植物も。本書ではそんなしたたかに生きる植物たちを愉快なカラーイラスト入りで紹介している。

     

 監修者の小林正明さんは1942年長野県生まれで、高校教員を歴任した後、飯田女子短期大学教授や信州大学農学部非常勤講師などを務めた。現在は「伊那谷自然友の会」の会長として自然保護活動に取り組んでいる。著書に『身近な植物から花の進化を考える』など。イラストを担当した高橋のぞむさんは1993年北海道生まれの生物画を得意とするイラストレーター・漫画家で、著書に『世界一ゆるい いきもの図鑑』がある。

 本書は「肉食でこわい」「毒がこわい」「武器がこわい」「寄生するからこわい」「生き物をあやつってこわい」「見た目がこわい」の6章で構成する。取り上げたのは内外の植物58種類。食虫植物のハエトリグサは葉の内側の毛に2回触ると0.5秒の早さで葉を閉じ虫を閉じ込める。水生のムジナモの反応速度はもっと早く獲物が毛に触れるとわずか0.03秒で葉を閉じる。ムシトリスミレは粘液を出す毛が密生した捕虫葉にアリなどがくっつくと消化液を分泌して溶かし養分として吸収する。

 グロリオサは〝炎のユリ〟とも呼ばれる情熱的な花姿が人気だが、全草に毒性を持ち、とりわけ塊茎部分の毒性が最も強い。ヤマイモに酷似しており、誤食による死亡例もあるそうだ。可憐なスズランも全草に毒を持っており、山菜のギョウジャニンニクと間違って食中毒を起こすことが多い。トリカブトはドクウツギ、ドクセリとともに日本三大有毒植物といわれる。かつて暗殺用によく用いられ、近年でも保険金殺人事件で使われたことで知られる。猛毒植物としてハシリドコロやトウゴマ、ベラドンナなども取り上げている。

 「武器がこわい」植物として紹介するのは棘に毒があるイラクサ、萼などに粘液を出す毛が密生するモチツツジ、硬い鉤爪の付いた果実が実るライオンゴロシ、葉の裏が鋭い棘で覆われ葉を食べる魚から身を守るオオオニバスなど。モチツツジは花粉を運んでくれない小さな虫を粘液を出すことで遠ざけていると考えられるそうだ。ライオンゴロシはアフリカの草原に生えるゴマ科の植物で、「デビルズクロー(悪魔の爪)」という英名を持つ。

 このほか「寄生するからこわい」ではアツモリソウやギンリョウソウ、ナンバンギセルなど、「見た目がこわい」ではアフリカ・ナミブ砂漠に生え和名で「奇想天外」と呼ばれるウェルウィッチア、石ころのような多肉植物リトープス(別名イシコロギク)、強烈な臭いを発する世界最大の花ラフレシア、真っ赤な血のような樹液を流すリュウケツジュなどを取り上げている。

ジャンル:
植物
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