く~にゃん雑記帳

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<おん祭御湯立神事> 春日大社大宿所で古式に則って

2018年12月16日 | 祭り

【お渡りの装束や甲冑、お供えの〝懸鳥〟がずらりと】

 「春日若宮おん祭」初日の15日、奈良市餅飯殿町の春日大社大宿所(おおしゅくしょ)で、祭り奉仕者を清め無病息災を願う「御湯立(みゆたて)神事」と祭りの無事執行を祈る「大宿所祭」が厳かに行われた。大宿所の境内や室内には2日後の17日のお渡り式に備えて、行列の参加者が身に着ける甲冑や装束、長さ5mを超える野太刀などが整えられ、杉葉で覆われた小屋には〝懸鳥(かけどり)〟と呼ばれるお供え物のキジやタイ、塩ザケなどがずらりと吊り下げられていた。

 大宿所はかつて祭りに奉仕する大和士(やまとざむらい)たちが精進潔斎のため参篭した場所。御湯立は午後2時半、4時半、6時の3回行われた。2時半はお渡りに参列する神子(みこ)たち、4時半は大和士、6時は一般の人たちの身を清めるため。1136年に始まったおん祭りも今年で883回目。御湯立は明治以降長く途絶えていたが、その所作や祝詞が大和郡山市の加奥(かおく)家に伝わっていたことが分かって約30年前の1985年に復活した。

 

 湯立巫女・加奥満紀子さんは「サンバイコ」と呼ばれるわらで編んだものを腰に巻きつけ祝詞を奏上。この後、湯釜にお神酒などを注ぎ、祝詞を唱えながら熊笹で弧を描くように湯を左右に降り注いだ。「伊勢は神明天照皇太神宮様の花の御湯な~り」「左右左(サヨーサ)・左右左・左右左」「南は蔵王権現様の花の御湯な~り」「左右左・左右左・左右左」……。一通りの儀式が終わると、熊笹と鈴を振って低頭する一般の見学者のお祓いも行った。腰に巻いたわらは安産などにご利益があるとのこと。

 

 お供えのタイやサケなどを飾る懸鳥の小屋の上には寄進した団体名や企業名などがずらりと列挙されていた。昔は大和国内の大名が鳥や獣を狩り集めて競って寄進したという。江戸中期の1742年(寛保2年)の記録にはなんとキジ1268羽、ウサギ136羽、タヌキ143匹、塩ダイ100枚などと記されているそうだ。奈良の一般家庭ではおん祭のとき、こんにゃくや大根、人参、里芋などを煮込んだ〝のっぺ汁〟をこしらえるのが古くからの風習。この日も見学者たちに熱々ののっぺ汁やあめ湯が振る舞われた。

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