く~にゃん雑記帳

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<橿原市博物館> 夏季特別展「新沢千塚 126号墳出土品の里帰り展」

2014年08月17日 | 考古・歴史

【重要文化財の銀製冠飾りや腕輪・指輪など多彩な出土品を一堂に】

 日本を代表する群集墳、新沢千塚(にいざわせんづか)古墳群に隣接する「歴史に憩う橿原市博物館」で、夏季特別展「新沢千塚 重要文化財126号墳出土品の里帰り展」が開かれている。126号墳から出土した副葬品はふだん東京国立博物館で常設展示されている。今特別展では橿原考古学研究所付属博物館からも一部出土品が里帰りし、橿原市博物館の所蔵品と併せて展示している。

 新沢千塚は橿原市の南西部に位置し、約600基の古墳群から成る。とりわけ市博物館(旧・新沢千塚資料館をリニューアルし今年4月開館)の東側の丘陵地には約350基が密集し、国の史跡に指定されている。最も多く古墳が造られたのは5世紀後半~6世紀前半。その多くは直径10~20m程度の円墳だが、前方後円墳や方墳、長方形墳などもある。これまでに100基超の発掘調査が行われ、史跡内では古墳群の中を散策できる公園としての整備が進められている。

   

 新沢千塚を代表する126号墳は北端部の丘陵中央部にある長方形墳。5世紀後半の築造とみられ、被葬者の頭部横からはササン朝ペルシャの領域周辺で製作されたとみられる透明のガラス碗とコバルトブルーのガラス皿が重なって置かれていた。シルクロードを経て遠路運ばれてきたのだろう。ただ、今回その実物が里帰りしなかったのが残念でならない。

 126号墳からは装身具も多く出土した。金製龍文方形板(上の写真㊧)は一辺8cm強の正方形。冠や帽子の額部分を飾っていたとみられる。当時の輝きを失っていないことが驚きだ。他に金銀製の腕輪3点、指輪8点(上の写真㊨の2点は金製花升形指輪)、金製の螺旋状髪飾り、耳飾りなど。被葬者の上半身付近からは歩揺(ほよう)と呼ばれる金製の金具が384点も見つかった。衣服に付けられていた装飾とみられる。これほどの金銀の装身具で飾られた被葬者は果たしてどんな人物だったのだろうか。

 

 新沢千塚では他の古墳からも多くの装身具が出土している。5世紀後半の円墳115号墳からは武器や鏡とともにヒスイの勾玉や1000点近い紺色主体のガラス玉が見つかった(上の写真㊧)。すぐ東隣の126号墳からは金製の丸玉2点と銀製丸玉30点が出土した。首飾りとみられる。6世紀前半の円墳323号墳には金環(耳飾り)とメノウの勾玉・管玉・棗玉、水晶の管玉が副葬されていた(上の写真㊨)。

 

 新沢千塚の発掘調査は墳丘頂上部の埋葬施設周辺が中心だったため、埴輪列はあまり発見されていない。ただ、墳丘をほぼ前面調査した166号墳からは円筒形や朝顔形、家形など多数の埴輪が出土した(上の写真)。他の古墳も墳丘内に多くの埴輪が埋められていることだろう。古墳時代も中期に入ると、副葬品も鏡や祭祀具など呪術的なものから、武器や武具など実用的なものが中心になる。新沢千塚からも鉄製の武器や甲冑が多く見つかった。甲冑では複数の鉄板を革や鋲でつなぎ合わせた短甲(たんこう)と呼ばれる甲(よろい)が破片を含め10領以上出土している。 

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