く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ツリフネソウ(釣船草)> 赤紫色の可憐な花姿を帆掛け舟にたとえて

2013年11月04日 | 花の四季

【ホウセンカやインパチェンスと同じ仲間の1年草】

 ツリフネソウ科ツリフネソウ属の1年草。日本から朝鮮半島、中国東北部にかけて分布する。夏から初秋にかけて長く伸びた花柄の先に赤紫色(たまに白花)の3~4cmほどのかわいい花をつける。その花姿が帆掛け舟を吊り下げたように見えることから、その名が付いた。花器の〝釣船〟に似ていることに由来するともいわれる。

 ツリフネソウ属にはツリフネソウのほかにキツリフネ、ハガクレツリフネ、エンシュウツリフネ、ワタラセツリフネ、東南アジア原産のホウセンカなどがある。いずれも蒴果(さくか)で、花後に実が熟すと弾けて種子を遠くに飛ばす。最近よく見かけるアフリカ原産のインパチェンス(アフリカ・ホウセンカ)やニューギニア・インパチェンスも同じ仲間。

 ツリフネソウは黄花のキツリフネと区別するため「ムラサキ(紫)ツリフネ」と呼ばれることもある。山間の湿地や水辺に生えることから「ノ(野)ホウセンカ」や「ヤマ(山)ホウセンカ」の別名も。「ゆびはめぐさ」や「ゆびさしばな」などと呼ぶ地方もある。子どもたちが花を指にはめて琴を弾く真似をしたりして遊んだことから、そう呼ばれたようだ。

 根には解毒作用があり、中国では腫れ物や吹き出物の患部に塗るなど古くから民間薬として利用されてきた。アイヌの人たちはツリフネソウを「オフイマキナ」と呼ぶという。「放尿する草」を意味しており、利尿剤として活用してきたそうだ。ツリフネソウは徳島県で絶滅危惧種、東京、愛媛、鹿児島で準絶滅危惧種になっている。仲間のエンシュウツリフネは環境省のレッドデータリストに絶滅危惧Ⅱ類として登録されている。


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