く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ノコンギク(野紺菊)> ヨメナとともに秋の路傍をさりげなく彩る野菊

2014年11月01日 | 花の四季

【キク科シオン属の日本固有種、若葉は食用に】

 秋の野山や路傍でごく普通に目にする野菊の1種。キク科シオン属の日本固有種で、本州から四国、九州にかけて分布する。花期は8~11月頃。高さ50~100cmの茎の先に径2.5cmほどの花を付ける。中心の黄色の筒状花から薄紫色の舌状花が放射状に伸びる。「野紺菊」の名も野に咲く紺色の菊から。

 花姿がよく似たヨメナ(嫁菜)がやや湿った所を好むのに対し、ノコンギクはやや乾いた明るい場所を好む。地域によって花色の濃淡や葉の形が変化に富む。関西ではヤマシロギク(山白菊)との雑種とみられるものもあって区別がつきにくいケースもあるという。「コンギク(紺菊)」はノコンギクの花色の濃いものを選んで栽培した園芸品種。

 仲間にホソバコンギク、タニガワコンギク、ハマコンギク(別名エノシマヨメナ)、エゾノコンギク、ヤクシマノギクなど。チョウセンノコンギクは朝鮮半島~中国北部に分布する。ノコンギクは他の野菊と同様、古くから若芽・若葉が食用とされてきた。葉の香りから「キクナグサ(菊菜草)」や「ナンヨウシュンギク(南洋春菊)」といった別名もある。

 一般に野菊と呼ばれるものにはシオン属のノコンギクやヤマシロギク、シラヤマギク(白山菊、別名ムコナ=婿菜)、ヨメナ属のヨメナ、ユウガギク(柚香菊)、キク属のノジギク(野路菊)、リュウノウギク(竜脳菊)などがある。伊藤左千夫の小説『野菊の墓』の野菊はノコンギクともカントウヨメナ(ヨメナの変種)ともいわれる。「野紺菊えにしの光こぼるるよ」(伊藤敬子)。 


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