く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ルナリア> 花後にできる扁平で丸い莢がドライフラワーに人気

2016年04月30日 | 花の四季

【和名「ゴウダソウ」、パリから種を持ち帰った版画家「合田」の名前から】

 ヨーロッパ原産のアブラナ科ルナリア属の2年草。和名は「ゴウダソウ(合田草)」。版画家で東京美術学校(東京芸術大学美術学部の前身)のフランス語教授だった合田清(1862~1938)の名前に因む。合田は1901年(明治34年)にパリのフランス画家宅の庭にあったルナリアの種子を持ち帰って日本で初めて栽培したといわれる。

 4~5月ごろ、直立した茎の先の総状花序に紅紫または白の小花をいくつも付ける。花径は2cmほどで、アブラナ科特有の十字花。草丈は開花が進むにつれて高くなり、時に1mほどにも。なかなか愛らしい花だが、花後にできるユニークな莢(さや)の形からドライフラワーとしての人気も高い。

 花が散った後、雌しべの子房は段々円盤状に膨らんで直径が3~5cmほどになる。その円形の莢は初め緑色だが、次第に薄茶色に。そして実が熟し外皮が外れて中に納まっていた数粒の種がこぼれると〝隔膜〟と呼ばれる薄い膜だけが残る。その隔膜が半透明で銀色に光って美しく、傷まずに同じ状態が続くことが人気につながっている。

 ルナリアの語源はラテン語で「月」を意味する「ルナ」から。隔膜の姿をまん丸い月に見立てた。ルナリアは「オオバンソウ(大判草)」や「ギンカソウ(銀貨草)」とも呼ばれる。これらも銀色に輝く円形の隔膜を大判や銀貨にたとえたもの。このほかに「ギンセンソウ(銀扇草)」という優美な別名も。共通するのは花姿ではなく、花後のおもしろい莢の色・形が名前のもとになっている点だ。

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