【フトモモ科の熱帯果樹、東南アジアに広く分布】
フトモモ科フトモモ属の常緑果樹。マレー半島を中心に東南アジアに広く分布し、タイやマレーシア、インドネシア、フィリピン、台湾などで古くから栽培されてきた。「ジャワフトモモ」とも呼ばれる。成長が早く樹高は10~15mにもなる。
花径は3~4cmほど。うすい黄色がかった白色の4弁花で、無数の長い雄しべが放射状に伸びる。果実は洋梨のような釣鐘形で、枝に鈴なりになってぶら下がる。果皮は最初は白っぽく、熟すにつれて赤みを増す。果皮が白やピンク、緑、黒みがかった赤色などの品種もある。
果肉は白い海綿質で、リンゴとナシを合わせたような淡白な風味。冷やして生食するほか、塩や砂糖をつけて食べることも多いそうだ。サラダにしたり、シチューに加えたり、果実酒にしたりすることも。果皮に光沢があることから、英名では「ワックス・アップル」と呼ばれる。近縁種にミズフトモモやマレーフトモモなど。
レンブは沖縄で「デンブー」とも呼ばれて、随分前から栽培されてきた。1940年頃、沖縄県農業試験場が台湾から導入したのがきっかけという。収穫期は6~9月頃。ただレンブは日持ちしないこともあって、日本ではほとんど出回っておらず、果物としては馴染みが少ない。それだけ美味で果汁たっぷりのリンゴやナシに恵まれているということだろう。