源龍乃介のまたたび

国際分散投資投資・不動産が主な内容です。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

住宅を投資として考える(2010年6月)

2010-06-24 | コラム
一昔前に流行した、ロバート・キヨサキ著の「金持ち父さん貧乏父さん」では、持ち家は資産ではなく負債と記載されています。もちろん住宅ローンや管理費修繕費などの諸経費が毎月引かれていきますから、負債というのは言い得て妙だと思います。

その一方、持ち家に住むと、賃貸で支払う月々の家賃が不要になるので、無駄な負債(家賃)が減少します。

上記の二つの視点を合わせて考えると、「持ち家は、負債を増やしもするし(住宅ローン・諸経費)、減らしもする(家賃相当額)」ということになります。

負債の増加する部分と減少する部分、両者の額を知ることが重要で、減少する負債の方が、増加する負債よりも大きければ、賃貸よりも持ち家の方が有利ということになります。(厳密に言えば、賃貸で余ったお金を投資に回す場合は、その利回りと比較する必要があります。)

最近、この負債の増加分と減少分について考えていたのですが、厳密に試算するのは容易なことではありません。物件を購入する人・対象となる物件によっても変化するので、困難さは更に増すことになります。これからいくつかシミュレーションを行いますが、上記の理由により、環境によって変化するものですし、見落としもあると思いますので、参考程度に見ていただければと思います。

(1)持ち家に必要な費用

まず、賃貸では不要なのですが、持ち家で必要になる費用を挙げてみます。

・管理修繕費
・固定資産税
・リフォーム代
・住宅ローン利息分
・物件時価減少額

住宅ローンは元本部分と利息部分に分かれますが、元本部分は物件売却時に投入額として住宅ローンから差し引かれるお金になるので、無駄にはなりません。費用としては、利息部分のみ考えることにします。

物件時価減少額ですが、当然のことながら、購入した物件は時価が変化します。その変化した金額を費用として計上しています。これに関しては賛否両論あると思いますし、特に持ち家を売却しないでずっと持っている場合は、増減を気にしなくて良いとの意見もあります。しかし、途中で売却する必要が出てくる可能性もあるでしょうし、ずっと持ち家にすると言ってもいつかは建て替えが必要になり、その時に購入時の物件価格がそのまま評価されるわけではありません。よって、時価の増減を考慮しています。

(2)持ち家の条件

上記を踏まえて、エクセルによるシミュレーションを行ってみます。条件は下記の通りです。

・5000万円の物件
・頭金1000万円、諸経費250万円で購入
・4000万円30年ローン、金利2.5%
・住宅ローン減税3000万円分、最高額300万円適応(H24年を想定)
・持ち家と同じ条件の物件を賃貸した場合の家賃(年額)を物件の約5%と想定
・この家賃相当額は10年ごとに10000万円/月減少
・修繕費が5年ごとに4000円/月上昇
・物件時価は1%/年減少

(3)シミュレーション結果



(クリックして拡大すると数字が読めます)

この表の、「家賃相当額」「管理修繕費」「リフォーム」部分は1ヶ月の額で、他は1年の額になります。

「年間収支」というのは、単純にお財布からお金が減少する額(負債の増加額)。「家賃後収支」とは、家賃を支払う必要がなくなるので、それを考慮した額(負債の増加額と減少額を合計した金額)になります。

「家賃後利回」とは、「家賃後収支」を「投資額」で割って100をかけた数字です。持ち家を投資と考えると、この「家賃後利回」が投資利回りということになります。

30年所持して平均利回り3.05%。年数が浅い方が利回りが良いのは、投資額が少ない(住宅ローンを利用したレバレッジをかけている)のと、家賃相当額が多い、管理修繕費・固定資産税が少ないためです。

こうして表を作成してみると、投資ファンドが築年数の浅いうちに物件を売却しようと目論む理由が少し理解できます。

他のポイントしては、時価の減少を抑えられる物件を見つけることが重要と言えます。今回の資産ではタワーマンションを想定しているため、物件の下落率を少なくしているのですが、一般的なマンションでは、下落率はもっと大きなものとなるでしょう。その場合は、利回りは減少します。大地震の時に地震に弱い物件だと時価が大きく減少することを考えても、物件選びは非常に重要だと思います。
コメント