CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】道化師の蝶

2014-12-12 20:11:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
道化師の蝶  作:円城塔

相変わらずの難しい小説でありました
芥川賞をとっていたとは知らずに、
なんというか、高度な中二病めいた物語というか、
理解不能なことをかっこよく書いていて
なんか意味があるかのように錯覚できるというか
ともかく、なんか雰囲気が好きで
ついつい読んでしまったのでありました
難しいとか、そういうことはもう
どうでもいいのかもしれない
なんともいえない、この世界観みたいなのを
楽しく読めたらそれでよい
そういう小説でありました

形而上の何かを捕まえようとするというか、
ともかく、わからないことに
わからないまま従っていつつ、
それでいて、主人公にははっきりと目的があるように見えて、
何もないようでもありとかいう
そんな感じが、最高にわけわかんなくて
楽しいのであります
なんだろうね、これをわかったように読んでいる自分に
ただただ酔ってるだけなんじゃないか
そう思ったりもしますけど
なんだか、この描かれている風景なり、
心情なりがとても好きで、好ましくて仕方ないのであります

さすが芥川賞といっていいのかわかりませんが、
わけわかんないことが書いてあるのに
文章によどみがなくて、読みやすいと違う、
理解しやすい、頭に描きやすいそれでありまして
これがまた、意味がわからないことに
拍車をかけてくれるようでありました

タイトルの短編ともう一編がのっていまして
こっちが結構、さらにステキで、
これはもう統合失調症というやつじゃないのかと
そう思うような、ぐるぐるする話で
本当、こんな話ばっかり書いてんだから
頭いいか、おかしいかのどっちかだなと
前回の「これはペンです」と同じ感想を
抱くにいたったのでありました

楽しかったからいいのであります

【読書】スパルタ婚活塾

2014-12-09 22:52:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
スパルタ婚活塾  著:水野敬也

こんないい加減な本でいいのだろうかしら
そう思うほど、思いついたままに書いたような
凄いスピードで過ぎていく本でありました
面白かったけど、なんだろうか
このもやっとした感じわ

そんな按配で、女性向けに書いた
男性からの女がモテるためのあれこれを記したという
アグレッシヴな本であります
婚活について、多くの女性誌が書く幻想を
叩き壊すといったらいいのか、
男性から、それはないわといいたくなることについて
あれこれとレクチュアしつつ、
なんといったらいいか、
平たくいうと、男に都合のよい女像を押し付けたとも
言えなくもない、そういう内容でありました
まぁ、強引でもないけども、その先に
こいつとは結婚するしかないなという気分が待っているかもしれない
そういう自己肯定もあるかしらと
思わされたのでありました

ともあれ、ちょっとした下ネタと決まりきったオチとで
凄い勢いで進めていくというのは斬新に感じまして
なかなか面白かったと思うのでありますけども
これを真剣に女性が信じてしまった場合に
なんだろう、後ろめたいじゃないんだけども
こう、手心といったらいいのかしら
わからんけども、大丈夫かと思わされる部分が
多々というか、たぶんに盛り込まれていて
大丈夫かしらと思ったのでありました

こんな楽しそうに、そしていい加減に書いたと
感じてしまうような内容で、
楽しく読まされてしまうというのが
衝撃の一冊であったように
思うのでありましたとさ

軍師官兵衛  如水最後の勝負

2014-12-07 20:43:57 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
視聴完了であります
この勢いのまま、やっぱり来週やって欲しかったなぁ
そう思ってしまいながら、まずまず
楽しんだ次第でありました

もっとがつがつと戦くさい回になるかと思いきや
しっかりと調略風景を描いてというのが
なかなかステキでありました
特に、ここ一ヶ月くらいの長政の
いつの間にか成長していた感が
遺憾なく発揮されていてステキでありました
しかし、実際10万いるのに3万とか過少報告するのは
よろしくないんじゃなかろうかなどと
無粋なことなど申しませぬ
あの場で饅頭食ったりするような
なんというかな、講談めいたというか
漫画みたいな感じ
この作品全般にわたってそうでありましたところ
楽しんでおります

煮え切らない小早川を軸にして
金吾大活躍が見られるかどうか
もう、そこが楽しみで仕方ないのでありますが、
関が原方面も楽しみであります

そして、さっぱり知らなかった九州でのあれこれ
本当にああだったかはわかりませんが、
やりたい放題で酷いことしてたんだなと
思ったり思わなかったりであります
形式上、西軍方を攻撃というのは
なかなかよいことであるなと思いつつも
撮影のためとはいえ、伏兵が丸見えなのは
いかがなものかしらと
思わなくもなかったところ
しかし、ここで野戦めいたロケをしてくれたのは
本当グッドジョブであります
画面から、凄い苦労が見てとれるのでありました
なんといったらいいか、いかに少ない人数で
迫力を出すかって本当に難しいね
しかも、実際、あんなもんだったんじゃないかとも思うしね

と、そういうわけで、次回もまだ
最後の予算を使い切る感じになるようで
ただ、右手議論はやらないっぽいなと
そこだけ残念かもと思ったりしながら
二週間待つのであります

【読書】巨魁

2014-12-05 21:21:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
巨魁  著:清武 英利

もう、数年前となってしまった、
巨人と「ナベツネ」という人についてのあれこれ
その舞台にのっていた清武氏の
告発ではないものの、思いのたけを綴った本でありました
結構面白かった、なんといったらいいか、
いわゆる悪い噂のほうの「ナベツネ」を少しだけ
知ることができたような気分に終えたのであります

GMとして、清武氏が巨人をどうしようとしたか、
日本の野球をどうしようとしたかについてと、
そこにたちはだかるように、唐突に沸いてでてくる
読売のドンとのいざこざといったらいいか、
まさに、天災のようなそれこれが
なかなか面白く書かれていました
かなり落ち着いた文章なので、もっと怒りを煽るような
そんな文体でもよかったんじゃないかと
心配になるほど、抑えられた内容であります

主に「ナベツネ」とどうしたかが
ポイントではあるものの、個人的には、
選手会との団体交渉の裏側が非常に面白くて、
経営っぽい視線がありながら、
その実、そこへ素人の選手会が、実に扇動しながら
交渉を左右させていったというのが
なんといったらいいか、楽しくて仕方なかったのであります
まるでプロレスのようじゃないかと
そんなことすらも思うのであります

テレビや、新聞を背負う、
そこにあるマスコミの遣い方、そして
自分たちがマスコミでありながら、それに飲まれる有様
これはなんといったらいいか、
痛快でもあるようで楽しくて仕方なかったのでありますが、
当の本人であった、その軋みみたいなのは
これはこれでまた読み応えのある内容でありました
ただ、純粋に面白いのであります

裏金やら、あれとこれが仲が悪いだとか、
どす黒い話も少しだけ盛られていましたが
それも気にならなくはないものの、
球団経営や、育成に関する部分というのは
野球にさほど興味がなくても
なるほどなぁと思わされるようでありまして
なんか、主題と関係のないところも
非常に読み応えのある面白い本であったと
書いておくのでありました

とまれ、「ナベツネ」という人は、
やっぱり凄い人なんだろうなと
漠然と抱かされるのであります
目の前で喋れって言われたら無理だろうな
すごいんだろうな

【読書】「めんどくさい女」から卒業する方法

2014-12-02 17:44:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
「めんどくさい女」から卒業する方法  著:心屋仁之助

カウンセラーの書いた、あんまり気をはりなさんなと
声をかけるような本でありました
読めば読むほど、こういうのとスピリチュアルな本は
共通点が多いなぁと気づかされるのであります
先日読んだ願いがかなうやつと
同じことが書いてある
つまるところ、心の持ちようでどうとでもなるという
わかりやすいことでありますな

さて、なぜめんどくさい感じになってしまうのかという
人の心の深淵に臨むような感じでありながら、
軽く、そしてわかりやすく解説と実例によって
納得感を得ながら、それをどうやって克服するか
これもまた、気負わない程度で紹介されていて
なるほどなと感心しきりでありました
最近は、私もくたびれたというか、
起伏が少なくなってきたせいか、こういうのが
すんなり効いてくるというか、
すでにやってるという状態だったりするのは
どうなんだろうかと思ったりしながら
読みやすいあっさりした本でありました

悪い考え方に固執している
知らないうちにとらわれているという、
先日のFPなる概念とおなじことが
ここには書かれていたのでありますが
これが究極的に、人類の共通したなんとかなのかしらと
偉そうなことを思うほど
納得と感心を呼んだのでありました
とりあえず悪いことを考えず
前向きになるということが、どれほど利益あることか
それを念頭に、自分自身を強迫せぬようにと
とらわれないことにとらわれていく
そういうお話でありましたとさ

【読書】鍵のかかった部屋

2014-12-01 20:50:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
鍵のかかった部屋  作:貴志祐介

どっかで聞いた題名だなと思いながら読んだら
ドラマになってたあれの原作だったかと
そういう感じでありました
原作で読んだら、また違った魅力があると
推理小説は読むのは好きだけどというのが
そのまま当てはまるような、わかりやすくて速い
それでいて、推理を楽しめるステキな小説でありました

話の始まり方からすると、このシリーズは
何作目かなのかもしれないと思いつつ、
怪しげなセキュリティ会社社員と、それをいぶかりながら
密室事件を解いたことになっていく弁護士の
面白おかしいやりとりを中心にした
密室トリック事件簿なわけであります
トリック自体は、よくよく読み込むと
もっとつっこみどころが出たりするのかなと
思わなくもないのでありますが、
物語というか、話の進み具合に
まったく違和感なく、スムーズに面白い感じに
仕上げられてしまうので
あれよあれよと読んでしまうのでありました

基本的に説明台詞で進むというのが
ある意味斬新というか、これも形だよなと
思わされたわけでありますところ
まったく地の文章で何かを伝えるということなく
軽妙なやりとりと、ちょっとした台詞のいざこざで
事件性と、密室性とを説明してしまって
しかも、それをさらっと解いてしまう
あるいは、すでに解いてしまっているところに
犯人を連れてくるという
読んでいてストレスのないステキな内容でありまして
ぱらぱらっと読み進んで、あっという間に終わる
そして、読後感もよろしいと
ステキな娯楽小説であると
感心しきりだったのであります

どうにも、シリーズっぽい感じなので
他にも同様シリーズがあるのかもと思いつつも
ドラマの題名にもなったこの巻が
なかなか面白く読めたと、メモっておく次第なのでありました