定年退職後の生き様

定年退職後、残された人生を如何に意味有るものに、しようかと悩んでいます。

幇間(たいこもち)

2015年02月01日 14時22分17秒 | お仕事関係
地味で大人しい性格なのだが、普段の抑圧の反動だろうか、酒が入ると少し性格が変わる。
誰に対しても軽口をたたけるようになる。
本音で語り合える仲間の談によれば、素面の時との落差が、常人と比べるとかなり大きいため、最初は驚かされてしまうという。

若い頃、酒の勢いで見知らぬ年上の女性と酩酊し、桜舞う市内を二人さまよったことがある。
しかし、彼女のマンション前まで来た時には、既に半ば酔いも覚めてしまっていたため、気まずく別れた。

以来、酒の飲み方に気を付けるようになった。

自分の場合、アルコールに背中を押してもらって形成された人間関係は、素面になれば破たんしてしまうことを肝に銘じた。

以後、酒で口の回りが軽くなるこの資質を、仕事の手段として活用することとした。

上司が、急に政治家や会社の幹部と飲まなければならなくなった時には、かばん持ちとして随行し、座での瓶ビールやお猪口の減り具合に気を配りながら、馬鹿話で宴を賑やかす役割をおうせつかるようにもなった。


職場の仲間に誘われ、地元銀行の女子社員達を相手に、何回か合コンに参加したこともある。
若き日の花見事件以後、「己」を知ってしまった私は、プロポーズ大作戦の5番の男性のごとく、引き立て役を自ら引き受けた。



相手が盛り上がりそうな話題を探りながら、幹部に酌を勧める。

「特命幇間係長」は自虐的な笑みを浮かべながら、空になったお猪口を倒し、テーブルの隅に移動させる・・・・・