一身二生 「65年の人生と、これからの20年の人生をべつの形で生きてみたい。」

「一身にして二生を経るが如く、一人にして両身あるが如し」

キュロスの円筒印章

2017年12月30日 | 社会

キュロス2世のバビロン侵攻直前の古代近東
東方各地を転戦して征服し、紀元前539年にオピスの戦いでナボニドゥス率いる新バビロニア王国を倒した。10月29日にバビロンに入城して「諸王の王」と号し、バビロン捕囚にあったユダヤ人をはじめ、バビロニアにより強制移住させられた諸民族を解放した。キュロスは、被征服諸民族に対して寛大であったので、後世に理想的な帝王として仰がれ、ユダヤ人を解放して帰国させたことから旧約聖書ではメシア(救世主)と呼ばれている(イザヤ書45章1節)。またこのとき、キュロスは新バビロニアのネブカドネザル2世によって略奪されていたエルサレム神殿の什器を返還し、エルサレムに神殿の再建を命じた。この再建は難航し、紀元前520年ごろに第二神殿が完成した時にはキュロスはすでにこの世を去っていたものの、この恩とキュロス以降も継続された宗教寛容政策により、ユダヤ人はアケメネス朝の統治下においては一度も反乱を起こさなかった。キュロスは子のカンビュセス2世にバビロンの統治を命じ、旧バビロニアの統治機構をそのまま利用して統治を進めた。この時期に、キュロスは宣撫文書としてキュロスの円筒印章を作らせ、ペルシアの統治の正当性を主張させた。