ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




どうもこんばんわ。

 

今日も夜になって随分冷えてまいりました。すっかり冬ですね。

 

文化芸術振興は長い目で=音楽家が事業仕分けで会見

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 政府の「事業仕分け」で芸術文化振興費が「圧倒的縮減」とされたことについて、作曲家、指揮者、演奏家らが7日東京都内で記者会見し、「長期的な視点もなく目先の節約を優先させた非常識で恥ずかしい結論」と厳しく批判した。


 作曲家の三枝成彰さんは、オーケストラなどへの助成約19億円が半減されれば地方オーケストラは存亡の危機と指摘。「ほかに大きな無駄があり、ここでけちっても仕方ない。重大さを理解していないことに怒りを感じる」と述べた。


 助成費の使い道に学校への芸術家派遣があるが、指揮者の飯森範親さんは「多くの子供たちに生の演奏の感動を与えてきた。鳩山首相が言う友愛をはぐくむ仕事だ」と強調。また「音楽は生きる力」とし、かつて演奏会後に「死ぬのをやめた」という手紙を受け取った体験も披露した。(時事通信 2009/12 /07-19:10)

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ちょっと、色々頭をめぐるのですが、

 

ずっと先のことを考えると

 

どうなのでしょう。

 

 勿論、細かく見ていけば、具体的に「これは誰が見ても無駄だよなぁ」と判断されたこともあるのでしょうから、 これだけのニュースソースで「なんてことだ」とも言えません。

 

今まで仕分けされた人たちは、誰だって自分のところの仕事を、無駄だと思ってやっているわけではないと思います(・・・いや、確信犯的なところもあったとは思いますが)。だからこそ、「ウチは予算が必要なんです。」と言うわけですし「・・・カットするならウチではなくてよそを」とこれまた皆が言うわけです。なんか切ない話ですが。といって、これを全部通すわけには行きませんよね。そもそも、母体である国自体の状態がまずいんですから。

 

でも、こうして国によって仕分けがされる経緯で、


「ああ、この事業に関しては、そういう判断なのか。そういう考えなのか」


ということが「国の立場」として明らかになってきますと、まがりなりにも端っこの方とはいえ、音楽に携わっている一人としては、煩悶の念にかられる部分はあります。

 

僕が初めて生でクラシックを聴いたのは、小学校4年生のとき、学校の行事「音楽鑑賞会」として行った上野の東京文化会館でした。

各楽器の紹介から、グリーグの「ペール・ギュント」、ビバルディの「四季」、そして、子ども心にも圧倒的に「うっはー、カッコいい!」って思って、曲中ずっと鳥肌が立ちまくりだった、ドヴォルザークの交響曲第九番「新世界より」。

音楽の授業で、事前に何度も先生が聴かせてくれました。「これをもうすぐ生で聴けるのよ」って。

沢山の楽器を手にした人がステージに現れて「せーの」と申し合わせて、あのイントロの音が出た瞬間。忘れもしません。結局最後まで、口をアングリ開いて固まったまま聴いていたと思います。涙まで流して(ピアノ、大嫌いでやめた頃だったのに(笑))。

 

かわいそうなのは、何よりも、子どもたちです。

子どもたちが音楽に触れるチャンスが減るのが、寂しいです。それが将来意味するところを考えると、本当に寂しいです。

 

好きならダウンロードでもCDでも買えばいい、とは言っても、

好きになるきっかけがなければ。

きっかけは、大人が沢山つくってあげたい。

ロックやジャズの演奏には勿論税金なんて投入されていないのですけれども、この圧倒的縮減が、子どもたちが生のオーケストラ(・・・どうしても人数が必要な音楽なのでオーケストラの維持、運営は想像以上に大変です)を聴く機会を減らしてしまうことに繋がるならば、これはやはり、ただただ残念としかいいようがありません。

 

もしも音楽が無かったら、どんなにつまらない世の中になることか。逆に言えば、音楽と出会えたことで、どんなに人生が変わったことか。おそらく、これを読んで下さっているみなさんも、そうではないでしょうか


でもね、出会いは様々、一瞬のこと。

縁があれば、きっと。

子どもたちに、出会いが、ちゃんとありますように。

 

まさか、この削減された19億円という予算(大きいか、少ないか)が、イギリスのUFO調査事業みたいに、軍事費や、本当に無駄になっちゃうかもしれないバラ撒き政策や、結局抜け道を通って誰かの懐に回るようなことになることだけは、勘弁してほしいな、と思います。


どうにか、オーケストラ維持されて、音楽家たちが音楽を続けていけることを願って。


炭鉱の町を舞台に、働くおじさんたちが作ったブラスバンドを描いた「ブラス!」。いい映画ですよ

 

ではー。



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