ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




はい、どうもー。

こちら、皇居ですー。雑多な東京の真ん中にあって、とっても美しい場所です。

僕は東京の生まれのせいでしょうか、勿論天皇がお住まいになっていらっしゃる場所だということは認識しつつも、「でも、普通に昔からある建物」といった感じでとらえてしまっておりまして、これはむしろ地方に行った時にお城などを見ますと「おぉ、お城だ!すげー。」と思ったりするのが自分でも良く分かるのですが(笑)、実はこんなにも身近に、こんな美しい歴史的建物があるのですよね。勿体無いことです。

そんなことを、この日皇居にかかる橋にに立ってみて、改めて感じました。そして、非常にですね、こう、身が引き締まる思いがいたしました

 

ちなみに、この日、「天皇皇后両陛下御結婚50年記念及び、天皇陛下御即位20年記念 春季雅楽特別演奏会」が催された「楽部」もある皇居東御苑(広ーい公園&庭園のような感じです)は、通常(皇室行事に支障をきたさない日)は一般に開放されておりますので、無料でどなたでも入ることができます。

とっても素敵な場所でしたよ

徳川秀忠、家光公のころの天守閣跡などをすこし散策したあと(石が凄いです、石が)、いよいよ、楽部へ。

 

 

このように、入り口で身分証の確認と、セキュリティチェックがありました。

 

 

そして、正面へ。

別に、「なにか食べ物を下さい」という手ではありませんよ

 

「あ、UFO。またきたか。ほら、あそこ。」

 

 

んなこたーないか。わっはっは。いやー、おかしい(笑)。

 

・・・?

 

・・・な、何か面白いか、今の?(←皆様の今のお気持ちを代弁)

 

このように、何枚か記念に撮ってもらっていたのですが、

 

「も、もういいから入りましょう。」

 

・・・自分でも面白くないのに気づいたらしい(笑)。

 

そして、中はこんなことになっておりました。

 

こ、混んでる!席がないじゃん。

 

・・・って、そこかい(笑)。

 

はい、意外にも、席は早い者勝ちの自由席でした。

 

ちなみに、この目線は、天皇陛下や皇族の皆様が、舞をご覧になられるあたりからの眺めかと思われます。丁度向かいにもある赤い柵の張り出しがこちら側にもありまして、僕が行ったこの日は、ここに宮内庁の報道部のカメラが設置されておりました(ちなみに撮影には許可を頂いております)。 

 

各椅子には、このような焼印が。普通の椅子なんですが、これがあるだけで、なんか、むむー、って感じがします

 

 

さて、いよいよ、 雅楽です。

テレビや様々なポップスのフィールドでご活躍されています、東儀秀○さんも、こちらの宮内庁職楽部で10年、楽師として活躍されておりました。東儀家というのは、奈良時代から続くこの楽師の家柄で、僕が拝聴したこの日の管方(演奏をする方がた)、舞人(舞を舞う方々)、総勢26名の方々のなかにも、三人の「東儀」姓の方がおられました。そして、なんと26名の方がた全員が、重要無形文化財保持者であられます。

 

この日は、「太平楽」そして「八仙」という、二つの舞楽が演奏されました。詳しい解説は、それだけで優に一日分以上になりますので、ここでは割愛します。

雅な音に、現代の感覚からしたら、非常にゆったりとした舞。

ゆったり・・・。いや、それは僕たちの時間感覚なんでしょう。悠々と1000年も昔からこの音楽と舞は、何も変わっていないのです。単に、今の時代が、せわしないのだな、と思いなおしました。

 

4月の心地よい風が、窓が開け放たれた学堂内を緩やかに吹き抜けておりました。

ある間で、舞人の動きがさらにゆったりとし、篳篥(ひちりき) のあの「ぷわーん」という音が(とっても素晴らしい音色です)、そーっと止んだ時です。そこにはきっと、幾ばくかの「静寂」があるはずでした。

開け放たれた窓から、風に乗ってうっすらと聴こえてきたのが、「ぷわーん、ぷわーん・・・」という

 

遠くを走る・・・バイクのエンジンの音でした。

 

丁度ね、ピッチ(音程)も似ていまして、うまい具合にその篳篥の音を受け継いだように聴こえたんです。当然、楽師の方々も、舞人の方々も、耳にされたと思います。なんたって、衣擦れの音がシャリ、シャリと、聴こえてくるような静かな中ですから。

僕は、思わずとっさに、四人の舞人のお顔を見回してしまいまいした。もちろん、どなたも、表情一つ変えませんでした。慣れていらっしゃるのかもしれませんし、もしかしたら、そういう音は聴こえてこないくらいの集中力でもって、舞っていらっしゃったのかもしれません。なにせ、15kgという重たい衣装を着けての、舞。神聖なる舞。非常に体力と集中力を必要とするのだそうです。

粛々とした雅楽の和音の中に、一瞬聴こえてきた、バイクの音。

あぁ、1000年も昔の音を、舞を、僕はこうして2009年の現代で聴いて、見ているんだな、と、なんだかこの時のちょっとした「音の受け渡し」が、この神聖であり、雅なる伝統芸能の、長い長い歴史的時間軸の上での変わらぬ「受け渡し」という事実と相まって、とても面白く感じたのです

勿論、こうした雅楽の舞台は(今もあちこちで見られますが)、元々屋外にあったものだと思います。ですから、鳥のさえずりや、川のせせらぎの音など、そういう自然音もひっくるめての、音楽だったのだと思います。ですから、あのエンジンの音も、もしかしたら現代の雅楽の一部、とも言えるのかもしれません。ジョン・ケージの、あの「4分33秒」みたいな発想で考えれば、ですが。

でも、似てたんですよ、ほんとうにあの時。あのバイクの音と、篳篥の音は(笑)。

 

はい、長くなりましたので、

 

 

皆さんも、どうぞご休憩なさって下さいな

・・・って、それなら、むしろもう寝ますよね(笑)。

ちなみに左右にある、炎を象ったような形をしたものは、太鼓です。実際に演奏に使われておりました。その合間の奥、張り出しの下が、笛や篳篥、笙(しょう)や小鼓などを演奏される楽師さん方のスペースとなっています。

 

 

二階には、楽器や、衣装、舞に使われる面などが展示されておりました。美しいような、ちょっと怖いような。

なんでお面って、ちょっと怖いんでしょう。僕だけですか?

表情が無いからでしょうか。逆に、色んな表情に見えてしまうからでしょうか。

 

35分の音楽と舞、そして、20分の休憩を挟んで、また35分。

 

最初ね、「んー、もしかしたら眠くなったりしたらアレだな」なんて思っていたのですが(朝も早かったので)、もうね、あまりに素晴らしくて、眠くなんてなりませんでした。

じっと和音に耳を澄ましてみると、「え、なんだ!?」って言うような独特な音のぶつけ方がそこら中に聞き取れまして、なるほど、この音の重なり方、和声は、間違いなく和製、日本のオリジナル、だと思いました。

ピアノもギターも、大抵僕たちが普段使っている楽器は、およそ西洋発祥のものたちです。いや、それは、そのことを感じることがないくらい、否定できないくらい、僕たちの身体や耳にしっかりと根付いていると思います。

ただ、こうして、日本で生まれた、日本古来の楽器で奏でられる音が、日本人である僕たちに心地悪いわけがないんだな、と思ったのです。

一言で言えば

 

「落ち着く」

 

音でした。とっても

 

 

皇居はとーっても広いので、職員の方は落ち着いては居られません。

 

・・・って、なんだよ、この話の繋がりは(笑)。

 

えー(笑)。

 

そしてね、もう一つ興味深いものを発見。

 

楽師さんたちのお部屋・・・は、ご不浄の前でしたか・・・

 

・・・あ、いや、楽屋ってね、ト○レが近い方が嬉しいんですよ、なにかと。これ、本当にそうなんです(笑)。

 

 

いやぁ、長くなりました。本当はもっとね、しっかり雅楽の事なども書きたかったのですが、さすがにね、それはまた、機会がありましたら。

 

とにかく、ここまで長らく読んでくださってありがとうございました

 

 

・・・え? 

 

 

・・・流し読みしてたって?

 

 

 

あ、そうですか。

 

 

いやいや、いーんですよ全然(笑)。

 

全然、怒ってなんていませんって。あたりまえですよ。

 

 

そりゃそうですよねー、こんな夜にねー。

 

 

えぇ、えぇ。

 

 

はい、お帰りは、あちらでーす。

 

 

・・・って、思いっきりむくれてんじゃねーか(笑)。

 

 

 

うそですよ(笑)。

 

これが今年、最後の桜の写真になると思います。もう、こちらでは桜は見れないかな。

 

また来年ねー

 

ではー。



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