Kanazawa Jazz days

引っ越しました:
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/

Joao Gilberto, Stan Getz: Getz/Gilberto '76 (1976) レコードで聴く愉しみ

2016年06月07日 | Jazz全般

 エヴァンスのMPSセッションと同じくResonance Recordsの発掘盤。エヴァンスと違って、ジルベルトとゲッツの音源は極く限られているから、音質云々以前に、まず再発そのものが嬉しい。また、録音自体は籠もり気味なのだけど(カセットテープか?)、そんなことが気にならないくらい、ジルベルトとゲッツが捉えられていて、リズムセクションがオフ気味というのも、絶妙のバランス。それでいて、キーストンコーナーの店内の空気もしっかり入っていて、気分がよい。

 そして、レコードで聴く愉しみ、を強く感じるのは、二人の音圧。間近で唄い・弾く。最前列で聴いている感覚が嬉しい。

 それにしても、ゲッツとジルベルトが不仲で、1976年に吹き込まれたColumbiaでの吹き込みもオーヴァーダブだという説もある。ジャケットの写真がコラージュ風で、二人を同時に撮しているようには見えないし。しかし、仲がいいかどうかはともかく、ライヴでゲッツのカルテットに客演しようか、という程度の関係は維持できていたようだ。で、演奏中も二人はなかなか良い空気を作っているのである。

 内容的には、ゲッツ・ジルベルトをライヴでやりました、そのもの。編成がシンプルであり、リズムセクションも大胆にオフ気味。ジルベルトの独演会にゲッツがご機嫌で参加している趣。だから、ゲッツ・ジルベルトよりも、ジルベルトの味を楽しめる素晴らしいライヴ。ゲッツも決してうるさくなくて、本当に控えめで絶妙。麗しい。

  先日、キーストンコーナーがあったサンフランシスコからの帰途、機中の映画で小切手の偽造犯の物語、をみた。天性の詐欺師である主人公の少年(17歳!)がニセ・パイロットになってホテルに滞在中、ゲッツ・ジルベルトのボッサが流れていた。幸せだった60年代の米国を描く小道具の一つ、パンナムとともに。そんな時代の音楽でありながら、未だ光りを失わないジルベルトの音楽の強度、は凄いなあ、といつも思う。

 ---------------------------------------------------

Joao Gilberto, Stan Getz:‎ Getz/Gilberto '76 (1976, Resonance Records )
A1. Spoken Intro By Stan Getz 1:07
A2. É Preciso Perdoar 5:50
A3. Aguas De Março 5:46
A4. Retrato Em Branco E Preto 4:47
A5. Samba Da Minha Terra 3:20
A6. Chega De Saudade 3:42
A7. Rosa Morena 4:25
B1. Eu Vim Da Bahia 4:11
B2. João Marcelo 3:20
B3. Doralice 3:47
B4. Morena Boca De Ouro 3:34
B5. Um Abraço No Bonfá 4:38
B6. É Preciso Perdoar (Encore) 6:29
João Gilberto(g, vo), Stan Getz(ts), Joanne Brackeen(p), Clint Houston (b), Billy Hart(ds)
Recorded live at Keystone Korner, San Francisco, May 11-16, 1976

ジャンル:
ウェブログ
コメント (2)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« [ECM1537] Paul Bley, Evan P... | トップ | 渡辺貞夫:Live in Nemuro 19... »
最近の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ルネ)
2016-06-07 12:25:01
ヴァーヴのゲッツ&ジルベルトのセッションで険悪な雰囲気を中和するために、素人だったアストラットが割って入って進んで歌を歌った、という話がありますね。その後の活動を見てるとそんな逸話が何だか信じられませんけど。経済的には潤ったんだろうから、割り切ったのかなあ?少なくとも、音楽的には相性は良かったみたいだから、聴く側には良かったですね。
ほんとうに (ken )
2016-06-07 12:59:54
ほんとうに良い音源でした。
ジルベルトがゲッツの音を疎んでいたような話もどこかで読みましたね。でもあれだけヒットしたのだから、どうなのかな、って思っていました。
なかなか相性がいいですよね。ライヴも円満。長年もモヤモヤが消えました。

Jazz全般」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事