Kanazawa Jazz days

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[ECM1067/68] Terje Rypdal: Odyssey (1975)冬の記憶と重なる現代のオデュッセイア

2016年02月19日 | ECM1000番台

 5年前の記事で書き尽くしているような気がする。その後、LPレコードを入手(最初、米盤あとで西独盤)した。今回、改めて聴くと、CD1枚の分量より増えた分、に違和感を感じて、面白かった。それだけ、CD時代に聴き込んだアルバム。

 2000年頃に村井さんの本を読んではじめて聴き、ジャズと知覚する範囲が一気に広がる面白さを体験した、懐かしいアルバム。この音をジャズと定義できるのならば、ジャズはフォルムでなく思想である、と何となく言い切れるようにも思ったりしている。

[ECM1045] Terje Rypdal: Whenever I Seem To Be Far Away (1974) 北欧の空気感

[ECM1031]Terje Rypdal: What Comes After(1973) 麻薬性のある音

[ECM1016] Terje Rypdal: Terje Rypdal (1971) 1971年夏のオスロ、そして時代の音

[ECM1067/68] Terje Rypdal:‎ Odyssey (1975)
A1. Darkness Falls (Terje Rypdal) 3:27
A2. Midnite (Terje Rypdal) 13:37
B1. Adagio (Terje Rypdal) 13:09
B2. Better Off Without You (Terje Rypdal) 7:31
C1. Over Birkerot (Terje Rypdal) 4:42
C2. Fare Well (Terje Rypdal) 11:22
C3. Ballade (Terje Rypdal) 5:55
D. Rolling Stone (Terje Rypdal) 23:54
Terje Rypdal(g), Torbjørn Sunde(tb), Brynjulf Blix(org), Sveinung Hovensjø(b), Svein Christiansen (ds)
Design [Cover]: B. Wojirsch
Photograph: Giuseppe Pino
Engineer: Jan Erik Kongshaug
Producer : Manfred Eicher
Released: 1975
Recorded August 1975 at Arne Bendiksen Studio, Oslo.

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2010-11-18記事 冬の記憶と重なる現代のオデュッセイア

Terje Rypdal: Odyssey (1975,ECM)

1.Darkness Falls ,  2.Midnite, 3.Adagio, 4.Better Off Without You, 5.Over Birkerot, 6.Fare Well, 7.Ballade

Terje Rypdal: g, ss,string ensemble, Torbjørn Sunde:tb, Brynjulf Blix: org, Sveinung Hovensjø: el-b, Svein Christiansen: ds

明るい朝日のなかで、やっと白山の主峰の積雪をはっきりと確認できた。冬がやってくる、と嬉しくてそわそわする日々。頭の表層はそんな感じなのだけど、基層の方ではやはり重く沈殿していくような気分を求めている部分がある。きっと、それで日々の平衡を保っているのだろう。

そんな昂揚していく部分と重く澱んでいく部分を感じながら過ごす日々なのだけど、選ぶ音楽は基層の、本能的なモノに従っているみたいで内省的なオトや内向的なオトが多くなる。となると、ジャズだとECMが多くなる。冬に転げるような気分のときに良く聴く一枚がTerje RypdalのOdyssey。

昔,LPを手に取って買おうか、随分迷ったけど、買わなかった。ボクが持っているのはCD。だけど、ボクの手には独盤の2枚組の感触、硬質のジャケットの角だとか印画紙のような表面のつるっとした感じが残っているし、ボクの眼にはヴァンの後ろに腰掛けているリピダルの表情が焼き付いている。楽団が欧州を巡業する旅の儚い記憶、現代のオデュッセイアはドラマティックなエピソードもなくギターを手に北欧から中央の茫洋とした曇天のなかを漂っている。そんな切ない感じがジャケットから伝わってくるのだ。

このアルバムは完璧にECM的な音世界なのだけど、とても驚くことはリピダルのエフェックターがしっかり効いたギターではじまること。全くジャズの音でなくて、ロックの音だし。でもECM。ECMには自然なアコースティックな音造りのイメージがある。ここではギターの電気音とトロンボーンの茫洋とした浮遊感が北欧の空気,のような味わいを存分に発揮している。このアルバムでリピダルが気に入って、他レーベルのアルバム(Min Bul)に手を出したが全くダメ。浮遊感が消えて、混沌だけが残っている。このヒトもKeith Jarrett同様、Eicherの音世界観のなかでしか生きていけないのじゃないかなあ。(KeithのAtlantic盤も随分,な感じ)

前述のとおり、このアルバムの魅力はギターの電気音とトロンボーンの茫洋とした浮遊感が北欧の空気,のような味わいを存分に発揮していること。その意外性。そして、その空気の中で、沈殿したり、ひかりが見えたり、重いからだを引きずるように進んだり、大陸の暗い冬の旅のヒトコマ・ヒトコマを落とし画のように映し出していく。昔の8ミリの映像をみているような。

そんな音世界に自分も沈殿して、独り過ごしてみたくなる素敵な一枚だと思う、ボクにとっては。

youtube:

http://www.youtube.com/watch?v=Ycv58vlqotw&feature=related

ところでLP二枚組からCD化したときに、1曲抜けているのが残念(Rolling stones)。だから今でもLPをディスクユニオンに寄ったら探している。リピダルのオデュッセイアも何となく侘びしいのだけど、我、オデュッセイアも侘びしくレコード屋の餌箱を漁っているのが実態であります。何となく侘びしいなあ。

Rolling stonesもyoutubeにありました。

http://www.youtube.com/watch?v=bFeqZ0lJ35A&feature=related

ジャケット正面

ジャケット裏面

 

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2 コメント

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TBさせていただきます (910)
2016-02-19 09:16:02
私もやはりCDで知った関係上、1曲カットの方のアルバムで印象に残っています。後年、CDでも2枚組完全盤のBOXセットが出たので、喜んで聴きましたが、利便性では1枚の方かな、とも思います。オリジナルの曲目の方が重要なのは分っているんですけど...。
確かに (ken)
2016-02-22 18:56:21
そうなんです。あの曲調での2枚組は辛い。CDの長さ、丁度良かったと思います。

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