映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「夢売るふたり」

2012年09月13日 | 日記

   

     デビュー作は'02年の「蛇イチゴ」で、引き続き「ゆれる」「ディア・ドクター」と
     実績を積み上げてきた女性監督・西川美和が、自らのオリジナル脚本で描
     く長編第4作です。好きな監督の一人なので期待して見ました。

     料理人の貫也(阿部サダオ)と妻の里子(松たか子)は東京の片隅で小料理
     屋を営んでいます。店は小さいながらも順風満帆でしたが、調理場からの失
     火が原因で店が全焼。すべてを失ってしまいます。

     絶望して酒びたりの日々を送っていた貴也はある日、店の常連客だった玲子
     (鈴木砂羽)と再会、酔った勢いで一夜をともにして大金を貰います。
     そのことを知った里子は、夫を女たちの心の隙に忍び込ませて金を騙し取る
     結婚詐欺を思いつき、店の再開資金を得るため、夫婦は共謀して詐欺を働く
     のでした。
     先ず出版社に勤める咲月(田中麗奈)に狙いをつけて成功。しかし嘘で塗り固
     められた2人は、次第に歯車が狂い始めて行くのでした・・・。

     既に私の周囲でも絶賛の嵐で、今年のベストワンはこれで決定だという人も
     います。でも私はこの作品はあまり買いません。
     とは言っても滑り出しは順調で、次の展開を期待させましたし、西川監督は
     女性らしい繊細な演出ぶりを見せてくれるシーンも多く、それなりに楽しかっ
     たのですが、逆に不要なカットも多くあり、それが冗長さに繋がっていますし、
     途中にナレーションで逃げている場面もあって不満です。
     あまり上手くない博多弁も不要だし、今回一番の弱点は西川さんらしくない
     脚本の不出来で、全般的に問題点の掘り下げが浅いと思います。

     良かったのは夫婦を演じた松たか子と阿部サダオで、特に松たか子は自慰シ
     ーンや生理を連想させるシーンまでよどみなく演じていて驚きですが、もともと
     彼女が持っている一種独特の雰囲気を醸し出していて存在感が大きいです。
     少し辛口になったかも知れませんが、西川監督の今後の活躍に期待するので
     敢て書きました。
                       ( 9/9 キャナルシティ 2日目 12:50の回 47人)

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本日も映画 2本 「汚れた心」 「デイクテーター 身元不明でニューヨーク」

2012年09月12日 | 日記

   

     「汚れた心」は、第2次世界大戦直後のブラジルで、日系移民たちの間で抗争
     があり、多くの血が流れたという実際に起こった問題を取り上げたブラジル映画
     です。
     日本の俳優も大挙出演していて、ブラジル人監督ビセンテ・アモリンがメガホン
     を取っています。

     日本とブラジルが国交断絶状態にあった第2次世界大戦時、ブラジルに住む日
     系移民たちは日本に関する正確な情報が得られず、戦争は日本の勝利で終わ
     ったと信じる多くの人たちがいました。
     しかし日本が降伏したことを知り、その事実を受け入れる者たちが現れると、そ
     れを認めない元帝国陸軍のワタナベ(奥田瑛二)らが粛清を始めます。
     ワタナベにより刺客に仕立てられた写真館の店主タカハシ(伊原剛志)は、血なま
     ぐさい抗争に巻き込まれ、妻ミユキ(常盤貴子)や家族との生活が引き裂かれて
     行くのでした・・・。

     この作品は去年の製作ですが、今どき何の目的でわざわざ作るのかが良く判リ
     ません。
     幸せな夫婦が一瞬にして不幸になる話を、一つの教訓として取り上げているつも
     りでしょうが、それならもっとしっかりした作品にしなければ評価は受けないと思い
     ます。
     ストーリーも演出も演技までもが、薄っぺらにしか見えないのが残念です。
     日本の俳優さんたちが海外に出ることは大賛成ですが、もっと作品を選んで欲し
     いです。                  ( 9/5 大洋映劇 5日目 14:25の回 17人)


   

     「デイクテーター 身元不明でニューヨーク」は、いつも奇抜なキャラを演じ、笑わ
     せてくれるサシャ・バロン・コーエンが、今回は脚本・製作・主演を務め、世界一
     危険な独裁者に扮します。
     この映画の主人公は、リビアの故カダフィ大佐を彷彿させる独裁者で、北朝鮮・
     イラン・イラクといった国々のイメージを紛々とさせています。

     ワディア共和国のアラジーン将軍は、世界中から核兵器開発疑惑を持たれ、そ
     の釈明のため国連演説にニューヨークへ出向きますが、謎の人物に拉致されて
     しまいます。しかもトレードマークの髭を剃られてしまい、仕方なくスーパーの店
     員となって潜伏し、反撃の機会を待つ筈でしたが、国連サミットに将軍の偽者が
     出席し、ワディヤ共和国を自由の国にすると宣言。
     アラジーン将軍は自らの独裁者生活を守るため立ち上がります…。
     監督は「ボラット」「ブルーノ」に続きいつものラリー・チャールズです。

     この映画では、宗教問題にまでに火を点けて笑い飛ばしていますが、ギャグは
     人種差別、偏見をネタにしてブラック&超下品な下ネタの連続で、これら満載の
     アメリカン・ジョークに私は付いて行けませんでした。
     何が面白いのだろうと未だに判りませんし、笑いのツボが私(日本人)にはどうし
     ても通じません。
     勿論どんな作品も好き嫌いの世界ですから、好きだという人も必ずいるでしょう
     し、それをムキになって言い返そうとも思いません。
                       ( 9/7 TOHOシネマズソラリア 4日目 14:15の回 6人)

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映画 2本 「画皮 あやかしの恋」 「ぼくたちのムッシュ・ラザール」

2012年09月11日 | 日記

   
   

     「画皮 やかしの恋」
     中国の清の時代に書かれた短編小説集「聊斎志異」の1篇を映画化した怪奇
     ロマンスです。
     私の友人が九州地区の配給をしていて、彼によると今年の4月に福岡近郊の
     シネコンでプレ公開しているので、正確には封切りとは言えないのですよ・・・
     と言ってましたが、とにかく福岡市内初公開です。
     ジョウ・シュン、ビッキー・チャオ、ドニー・イェンらの共演で2008年に映画は完
     成公開され、中国で大ヒットだったそうです。

     物語は秦から漢にかけての時代。ワン・シェン将軍は合戦の最中に、盗賊に
     捕えられた若く美しい娘シャオウェイを助けます。
     ワン・シェンは身寄りのないシャオウェイを故郷に連れ帰り、妻のペイロンにも
     事情を話して家に住まわせることにしますが、シャオウェイの正体がキツネの
     妖魔であることが発覚。シャオウェイはその魔力を使ってワン・シェンを誘惑
     し、妻の座を奪おうとするのでした・・・。
     監督は「ザ・キング・オブ・ファイターズ」のゴードン・チャンです。

     まず映像の美しさに見とれます。それに主演の二人の女優さんの美しさと、
     夫を加えたバトルは話が入り組んでいて中々面白いのですが、肝心の脚本・
     演出がやや古臭いのが残念です。
     アクションシーンもふんだんにありますが、ワイヤーアクションはもう飽きまし
     たという感じ。まあ美しい二人の中国女優さんの競演を楽しめるのが収穫
     です。
                        ( 9/1 大洋映劇 初日 14:30の回 15人)

       
   

     「ぼくたちのムッシュ・ラザール」 
     今年のアカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされたほか、世界各国の
     映画祭で絶賛されている話題作の登場です。

     物語の舞台はカナダ・モントリオールの小学校です。ある冬の朝、小学校
     の教室で女性教師が首を吊って死んでいるのが発見され、学校側はショッ
     クを受けた生徒たちの心のケアや後任探しなど対応に追われます。
     やがてアルジェリア系移民の中年教師バシール・ラザールを代用教員とし
     て採用することになり、朴訥で野暮ったいラザールは、授業内容も時代遅
     れでしたが、何事にも真剣に彼に生徒たちの心を開かせて行くのでした・・・。

     監督はケベック出身のフィリップ・ファラルドーですが、冷静でハッタリのな
     い好感の持てる演出ですし、ラザール先生を演じるモハメット・フェラッグの
     落ち着いた演技も見逃せません。
     更に先生と一緒に物語を引っ張って行く二人の子役がとてもいいです。

     構成の上手さはいま一つですが、この国に横たわる難民問題と教育問題
     をミックスさせ、さりげなく問題提起をしていて私は良心作として評価した
     いです。
                         ( 9/4 キャナルシティ 4日目 10:15の回 3人)


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映画 「ひみつのアッコちゃん」

2012年09月10日 | 日記

   

     この作品はスルーするつもりだったのですが、今がシュンの綾瀬はるかの
     自然ぶりを見ておこうと思い映画館へ行きました。
     そして大の男がチケット売り場で「ひみつのアッコとゃんを一枚ください」は
     少々恥ずかしかったです・・・。

     原作は赤塚不二夫の代表漫画で、過去3度にわたりTVアニメ化されたもの
     で、綾瀬はるか主演で実写映画化です。但し時代背景を現代に置き換えた
     オリジナルストーリーとして展開します。

     10歳の小学生・加賀美あつ子が、鏡の精(香川照之)からもらった「魔法の
     コンパクト」を開いて"テクマクマヤコン、テクマクマヤコン・・・"と呪文を唱え
     ると、22歳の自分(綾瀬はるか)に変身です。
     大好きなメイクやオシャレを満喫していたところ、化粧品会社のエリート社員
     早瀬尚人(岡田将生)と出会ってひとめぼれします。
     買収問題に揺れる化粧品会社を立て直すため新商品開発に取り組む尚人
     を助けて、アッコも奇想天外なアイデアで立ち向かおうとするのでした・・・。
     監督は「のだめカンタービレ後篇」「こちら葛飾区亀有公園前派出所 勝どき
     橋を封鎖せよ!」の川村泰祐です。

     見終わっての感想ですが、やっぱりこれは見ない方が正解だった・・・です。
     なんで今、こんなつまらない映画をわざわざ撮るのだろうの苦笑の連続で、
     企画貧困の見本だし最低最悪映画の一つと言えましょう。
     またこの監督には映画を勉強していないし映画を舐めるなと言いたいです。
     綾瀬はるかはフィギュアスケーター・警官・客室乗務員・バイクレーサーなど
     次々に変身するなどして奮闘しますが、女優としての出来は普通です。
     お客もそのあたりはご存知のようで、客席はガラガラでした。
                    ( 9/6 TOHOシネマズ天神 6日目 12:45の回 13人)

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映画 「コロンビアーナ」

2012年09月08日 | 日記

   

     「ニキータ」「レオン」のリュック・ベッソンが製作を担当、「トランスポーター3
     アンリミテッド」のオリビエ・メガトン監督がメガホンをとったアクション映画
     です。

     南米コロンビアで麻薬組織のマフィアに両親を目の前で殺され、かろうじて
     逃げ延びた9歳の少女カトレアは、シカゴのギャングの叔父エミリオ(クリフ・
     カーティス)のもとにたどり着きます。
     15年後、叔父の下でプロの暗殺者となったカトレア(ゾーイ・サルダナ)は、復
     讐の手がかりをつかむため、仕事現場にカトレアの花を残していましたが、や
     がてFBIやCIAからも目をつけられ、厳しい追撃を受けることになるのでした・・・。

     主演は「アバター」でナヴィ族のネイティリ役を演じて注目を集めたゾーイ・サル
     ダナが熱演ですが、見落としてならないのは、彼女の少女時代を演じたアマン
     ドラ・スティンバーグの可憐さ、強固な意思で逃げ延びる演技です。
     この場面がこの映画の中で一番面白かった言ったら言い過ぎでしょうか・・・・。
     テンポ良く物語りは進行して行くのですが、理屈抜きはいいとしても展開まで
     もが演出と共に粗く、見ながらて不満が追っかけてきます。

     それと主人公の境遇が納得出来ないというか、いくら主人公が強くても、長い
     四肢をふんだんに見せてくれても、最後まで物語上の彼女に共感が湧かない
     のが致命的なのです。
     描き方によっては面白くなる筈なのですが、何か1本欠けているような気がす
     る「コロンビアーナ」でした。
                         ( 9/2 T・ジョイ博多 2日目 15:15の回 50人)
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