映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「カウボーイ & エイリアン」

2011年10月25日 | 日記

  

     スティブン・スピルバーグ製作総指揮、ヒットメーカーのロン・ハワード製作、
     監督は「アイアンマン」のジョン・ファブロー、製作陣も出演者も豪華で贅沢
     な作品だし、もしエイリアンが西部劇の時代に現われたら!そんな発想が
     面白いし、予告編の出来も非常に良かったので期待して見た一本でした。

     舞台は1873年のアメリカはアリゾナの荒野で、一人の男(ダニエル・クレイ
     グ)が目を覚まします。
     自分が誰なのか、何故左手首にこの時代にそぐわない奇妙な鉄輪をはめ
     ているのか、わからないままに有力者ダラーハイド(ハリソン・フォード)の勢
     力下にある町にたどりつくのでした。
     めっぽう腕の立つこの男がお尋ね者ジェイク・ロネガンだと判り、連邦保安官
     に連れて行かれそうになった時、未知の襲撃者たちが空から町を襲い、人々
     を攫って行きます。
     それは地球上の生物ではなく、彼らに対抗できるのは謎の鉄輪をつけたロネ
     ガンだけだったのです・・・。

     映画が始まって男が荒野で目を覚まし、町にやってきて荒くれものと立ち回り
     をし、お尋ね者だと判って逮捕されるあたりまでは面白くって中々いいぞと思
     っていたのですが、段々期待に反する状態になって行き、最後の方にいたっ
     てはお金を返してもらいたい心境になってくる不思議な映画です。

     折角エイリアンとカウボーイが対決するのですから、もっと波乱万丈・荒唐無
     稽にやればいいのに、一番いけないのは物語が陳腐なことです。
     エイリアンもゴリラと蜘蛛を合わせたようないでたちで、高い知能を持ってい
     るようには見えないのも大マイナスで、これでは企画倒れとしか言いようがあ
     りません。はっきり言って失敗作ですね。

     ただ関連情報で、ドリームワークスが3D化を持ちかけたらファヴローが「3D
     なんて白黒で撮影して着色するようなものだ」と拒否したそうで、3D嫌いの
     私にとっては一寸嬉しい話でした。

       
        福岡市植物園にて・・・     

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映画 「ゴーストライター」

2011年10月24日 | 日記

          

       「ゴーストライター」はロマン・ポランスキー監督2010年製作の最新作です。
       第60回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞しています。
       どういう訳か福岡での公開が遅れ、やっと見ることが出来ました。

       元イギリス首相の自叙伝を執筆するためにゴーストライターとして雇われた
       男が、決して触れてはならないスキャンダルに引き寄せられて行くさまを描
       いたもので、国の政治に関した事件というのにひねりが利き、スリル満点だ
       し見応えがありました。

       元英国首相(ピアース・プロスナン)の自叙伝を執筆していた前任者のゴース
       トライターが、謎の死を遂げたことにより、後任に選ばれたゴースト(ユアン・
       マクレガー)は、元首相が滞在中の米国東部の離島に出向きます。
       折りしも元首相にはイスラム過激派拷問に関与した疑惑が報道されます。

       引き継いだ前任者の原稿は凡庸で、彼は根本的に再調査を開始しますが、
       元首相の妻(オリヴィア・ウィリアムス)と女性秘書(キム・キャトラル)も元首
       相をめぐって微妙な関係のようだし、何もかにもがいわくありげ・・・。
       そして離島には過激派拷問に関する取材メディアが大挙押寄せてきます・・・。

       随所に暗示というか伏線が張ってあり、油断していると置いていかれるよう
       な作品です。
       78才になったポランスキー監督は、全盛期の勢いこそありませんが、それで
       も最後の最後まで息をつかさずに見せてくれます。
       俳優陣も役にはまって上手いし、音楽も素晴らしいし、映像もどんより曇っ
       た鉛色の空のようなトーンで統一され、この作品の内容にマッチして効果
       的でした。

       私が見た回の館内は70席がほぼ満員でしたが、隣に座ったオバちゃま二人
       はおしゃべりが多く、遂に私は二人に向ってシーと注意する始末。オバちゃま
       の会話は「この映画よく判らん・・・」でした。
       こんなに映画的で面白い作品なのに・・・と思いましたよ。
       私的には絶対お薦めです。

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エッ!桜の花が。

2011年10月23日 | 日記

 

     日曜はお休みのブログですが、本日は気分転換で福岡市植物園に行きました。
     福岡市動植物園は私の家から歩いて10分足らずの所にあり、時々ですが私の
     散歩コースにあたるのです。

     朝から小雨が降ったり、太陽が顔を出したりの変に天気だったのですが、お昼
     からは曇ったり晴れたりと、少し安定してきたので出かけたのです。
     季節的に花が少ない10月ですが、それでもコスモスは結構咲いていました。
     加えてバラ展をやっていたり、ミニコンサートとかで大勢の家族連れが目立ちま
     した。

     そしてとある場所で早咲きの「桜」を見つけたのです。
     小さな樹に10輪くらいですが、美しくひっそりと咲いていましたので皆様にも
     お見せしたいと思って早速パチリ。
     桜が特に大好きな私です。来年は名所の桜を撮りまくるつもりです・・・。

        

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キャナルシティ劇場 「アントニーとクレオパトラ」

2011年10月22日 | 日記

      

     シェイクスピア作、蜷川幸雄・演出「アントニーとクレオパトラ」の福岡公演
     を観てきました。これまで多くの海外公演を行なってきた蜷川幸雄が、
     日本初演を手掛け、彩の国さいたま芸術劇場→福岡・キャナル劇場→大
     阪・BRAVAで公演の後、韓国公演が行われるとになっているものです。

     「アントニーとクレオパトラ」は、シェイククスピアの戯曲で、1606年にはすで
     に上演されていたと伝えられています。
     クレオパトラ役の女優さんは、それこそ女優冥利に尽きる・・・といわれ、映画
     ではエリザベス・テイラーのクレオパトラ役が強烈な印象で記憶にあります。

     物語の背景は紀元前40年のローマ帝国です。
     ローマの三執政官の一人であるアントニーは、クレオパトラの色香の虜とな
     り、アレクサンドリアにある彼女の宮殿で遊興にふけ、周囲をあきれさせて
     います。
     そこへ妻のファルヴィアが病気で死んだという報せが入り、アントニーは動
     揺しますが、ローマに反逆するポンペイが宣戦布告するという事態に、クレ
     オパトラを残してローマに戻るのでした。

     ローマに戻ったアントニーは心ならずもオクテーヴィアと結婚、ポンペイとの
     和議も整うのでした。
     一方、アントニーが結婚したことを知り嫉妬に狂います。
     その後、三頭の一人シーザーはアントニーを裏切り、ポンペイにも戦争をし
     かけ、全世界を手にしようともくろみ始め、その専横ぶりが許せないアント
     ニーは、妻を捨ててクレオパトラの元に戻り、改めてシーザーとの戦いに望
     んだものの結果はアントニー側の惨敗となり、クレオパトラはいち早く逃亡、
     しかも彼女が自殺したという虚報を信じたアントニーは絶望して自殺。
     クレオパトラも毒蛇に自らの胸を咬ませ、アントニーの後を追うのでした・・・。

     アントニーには吉田鋼太郎、宝塚を退団した安蘭けいがクレオパトラ、更に
     池内博之・橋本じゅん・中川安奈・熊谷真美らの出演です。
     舞台前方の幕は歌舞伎の定式幕が使われており、その中央にシェイクスピ
     アの肖像が描かれていて観客はまずビックリ。
     開演は木がチョンと入って幕が開く仕掛けです。でも私を驚かしたのはそこ
     までで、吉田鋼太郎ほか何人かのセリフはよく通るのですが、あとは何を言
     っているのかよく判らないし、物語の構成も原作を知っているからようやく付
     いて行ける感じで、物語の概要を長々と書いたのも感想を纏めるためでもあ
     るのです。

     全体的に重厚さが欠落しているし、第一クレオパトラが貧相です。
     極言かも知れませんが、今回の「アントニーとクレオパトラ」は蜷川幸雄の
     自己満足の舞台だったような気がしてなりません。

       

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映画 「ハードロマンチッカー」

2011年10月21日 | 日記

         

     「ハードロマンッカー」は下関市が主な舞台となって展開する、刹那的な
     暴力に生きる男と女チの痛々しい姿を描いた特異な作品です。
     監督は下関出身で「偶然にも最悪な少年」「THE 焼肉ムービー ブルコギ」
     のグ スーヨン。
     監督自身を描いたといわれる青春小説の映画化でもあります。

     下関には同監督が卒業した高校があり、「ツレうつ・・」の佐々部監督もその
     高校卒業で、今年は計らずも下関出身・同じ高校出身の2監督作品が製作・
     公開の運びとなるものです。
     下関でロケも行なわれていて、見覚えのある街の風景がかなり出てきます。

     物語の主人公グー(松田翔太)は、下関生まれの下関育ち。街を歩けば幼い
     ころからの顔なじみのヤクザ・庄司(真木蔵人)に危険な物を無理やりに渡さ
     れたり、刑事の藤田(渡部篤郎)に絡まれたりですが、朝鮮人・警察・ヤクザ
     に顔は広いけど誰ともつるまない一匹狼です。
     ある日、後輩の辰(永山絢斗)とマサル(柄本時生)が敵対関係にある高校生
     の家に殴り込んで大騒動となり、それを聞いたグーは事件の真相を求めて
     奔走するのですが、グー自身が渦中に巻き込まれて行くのです・・・。

     俳優は上記の他に、若手は遠藤要・渡部豪太・川野直輝・金子ノブアキほか
     で、加えてのベテラン陣は中村獅童・淡路恵子・白竜・渡辺大・真木よう子な
     どが顔を揃えています。

     仕事で下関に関与している私としては、この作品の感想を述べるのに苦慮し
     ます。いつも言うように誰でも好き嫌いや、作品の出来について百人百様だ
     からです。
     私ははっきり言ってこの作品は作者の狙いがよく判らないし、あまり好きでは
     ありません。
     でもこの作品に共感し、映画の新しい流れを歓迎する方々がきっとおられるは
     ずです。

     それ程喧嘩に明け暮れ、鉄パイプを振り回し、強がりのみで刹那の暴力に生
     きる若者の姿は生々しく描かれています。
     暴力という選択しか知らない若者たちの挽歌と言うか、まともな日常が少な
     い今の社会で、特に疲弊した地方の若者の心の痛みを上手く表現しているの
     かも知れません。
     監督はCMの世界で勝ってきた人だけに、所々にハッとするようなシーンを見
     せてくれます。俳優は松田翔太の一人舞台様相の大活躍でした。

     私なりに文句も少しばかり言わせてもらいます。
     この作品は普通に観賞する感覚では追いつけない傾向があります。グ監督の
     原作であり演出ですから、監督や仲間だけが判ればいいではなく、もう少し
     誰が見ても判りやすい物語とか人物の登場であってほしいし、下関が暴力に
     明け暮れているような印象がどうしても拭えません。
     それとロケで同時録音のせいか、セリフがよく聞こえないシーンが結構あり
     ます。(映画館では音量調整をするつもりです)
     繰返しになりますが、私の立場とすれば、少しでも多くのこの作品の理解者
     を求めて、そして訴えて行かねばならない作品だと思っています。
                                     (11月26日公開)

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