映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「ロック~わんこの島~」

2011年06月25日 | 日記

         

     フジテレビの情報番組"めざましテレビ"の人気コーナー「きょうのわんこ」
     で話題になった実話を基に、2000年8月の東京都三宅島大噴火により、離
     れ離れになった犬・ロックと飼い主一家の絆を綴った物語になっています。

     モデルとなった実際のロックは、雑種のオス犬で、テレビで紹介されるや、
     ロック目当てに三宅島を訪れる観光客も現われるほどの人気だったそうです。
     ところが映画の撮影が始まる前に悪性腫瘍が見つかり、映画のクランクイン
     を待たずに実際のロックは静かに息を引き取ったのだそうです。
     映画に抜擢されたロック役のわんちゃんも中々いい動きを見せてくれます。

     監督はテレビで活躍している中江功。俳優陣は佐藤隆太・麻生久美子・原田
     美枝子・柏原収史・倍賞美津子などです。

     一人の少年と犬の友情を通じ、家族のあり方や現代社会に失われつつある
     心と心のつながりを描き出す・・・といったテーマも共感が持てますし、お話も
     小ぶりながら中々いいのですが、三宅島の景色を上手く取り入れてはいるも
     ののこの話で2時間4分はいくらなんでも長すぎます。

     うがった見方をすれば、どこでも切ってもコマーシャルが入れられるほどの
     冗長さが困ったものです。
     テレビの俊英監督かもしれませんが、映画を担当するのなら最初からモンター
     ジュ論でも勉強して受け持って貰いたいと、敢て苦言を呈します。

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永田雅一氏のこと、その6

2011年06月24日 | 日記

        
           ↑左から田宮二郎・永田秀雅副社長・私

     本日は谷村新司が試みているキャラバン方式のライブ"ココロの学校"にご招待を受け
     て行って参りました。
     ユニークで感動的なライブでしたので改めてご紹介したいと思っています。
     今日は初めから"永田雅一"氏のことを書くつもりだったのでお許しください。

     ここ暫く大映や永田社長のことを書いています。
     今さらそんな事に興味はないと思われる方もおられるでしようが、私の大事な思い出
     でもありますので、次回は「羅生門」を製作した前後の事情とかを、書きますので併
     せてお付き合いください。


     昭和30年前後は、当時の社会情勢からどこでも就職が厳しく中々思うようにならなか
     った時代でもありました。
     私は大映に少しばかりコネもあって比較的簡単に入りましたが、普通だと入社はとて
     も困難なことでした。その頃入ってくるのは政財界や映画人の子弟がほとんどだった
     ように記憶しています。そんな子弟の入社でさえ永田社長の入社に対する考え方は、
     とても厳しい指摘をしていました。
     永田社長の考え方を、ご本人が書かれた本の中から抜粋します・・

     単に映画が面白いから、好きだからと言って来る人がある。好きのみでは映画会社に
     は勤まらない。自分の一生を託し、自分の青春を捧げ尽くして、これを生涯の仕事場
     とする所の機構内容が如何になっているか、会社の歴史、会社を運営する重役幹部の
     性質まで調査研究して、自分の性格能力と自分の希望が会社の実体にマッチすること
     が判明したとき初めて申込みをなすべきである。
     就職とは、会社が必要とする能力を提供して、その報酬としての対価を受ける契約関
     係を結ぶことである。就職希望者は、まず自分が会社の欲する能力・知識め経験を有
     する人物であることを会社に認識せしめることが最も重大である。

     これには先ず履歴書の書き方である。履歴書は単に字の上手下手を判定するのでなく
     自分の今までの歴史の大略を表明すると共に、その人の就職に対する態度がこれに明
     示されていなければならない。私は履歴書を見てこれを書いた人の性・能力・注意力
     ・創意工夫を判定する。
     履歴書の書き出し、字の配置、字画の厳正、略字誤字の有無、認印の押し方にまで気
     を配る必要がある。「一葉の履歴書に汝の運命かかりて存す」という感がする。
     字は下手でも、一生懸命、一字一画丁寧に、字配りよく書かれているものは、実に美
     的感覚さえ起さしめる。投げやりな履歴書はそれを見ただけで不採用にする。

     次は面接であるる。
     人に接するには常に身体・服装を清潔端正にして、会う人をして悪感情を起さしめざ
     ることが必要である。身体の中に包蔵する能力が如何に大なるものであるかは使って
     見なければ判らないが、見た目の不愉快な者はその能力を発揮するチャンスが与えら
     れる前にはねられることになる。

     ここからが問題である。一二度の面接でその人の全人格・全能力がわかる筈はない。
     そのために最も自分を良く知ってくれている先輩知己より会社へ紹介を願うこと、
     また折にふれて会社を訪問する必要もある。そんな場合に気持よい挙措進退が出来る
     者こそ入社の資格があると言える。
     内剛外柔は常に心の中は期する所があって、しかも表面温順なる者を私は採用する。

     今こういった考え方はどの程度理解され通じるかは判りませんが、少なくとも大映は
     そうであったし、それによって更に同志的な結びつきが助長されていたのも事実です。
     しかし昭和40年代の大映はかなり社員の出入りが激しくなり、社長の思う通りになら
     なかった事も事実です。
     私は良き時代の大映に運よく入り、良さと面白さに加えて、苦しみも味わうという貴重
     な経験をしたことになります。(続く)

  
   ↑若かりし玉緒ちゃんと私          ↑気心が合った藤村のお志保ちゃん

  
   ↑麻雀友達もあった田宮夫人・藤由紀子   ↑熱心に仕事に励む山本のお富士さんと私

           
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映画 「ロシアン・ルーレット」

2011年06月23日 | 日記

         

     2006年の映画界で大きな話題になったグルジア映画「13/ザメッティ」
     のハリウッド・リメイク作品ですが、珍しい事にオリジナル作品同様、
     ゲラ・パブルアニ監督がメガホンを取っています。

     一攫千金を狙う17人の男たちが集められた秘密の屋敷は、ロシアン・
     ルーレットで生死を競わせる裏の賭博場です。
     そのメンバーの中には、大金が入ると盗み聞きをした貧しい青年が交じ
     っていて、彼は有無をいわさず拳銃を握らされ・・・
     やってきた運命の瞬間、銃声と阿鼻叫喚がこだまし、思わぬ結果が・・・
     という内容です。

     B級映画は時々思わぬ拾い物があるのですが、これはその類で、しかも
     ブラット・ピットをはじめレオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイアなど
     が熱心に出演を希望者したという話が伝わっています。
     結局は主人公役には「コントロール」のサム・ライリーが抜擢され、加え
     て主役ではないのにミッキー・ローク、ジェイソン・スティサムが出演して
     います。

     実際にロシアンルーレットという死のゲームが行なわれた例はほとんど
     ないそうですが、フィクションの面白さで映画や演劇の世界では時々登場
     しますね。
     前作に比べて不気味さが減ったとかいう人もいますが、とにかく馬鹿馬鹿
     しいくらいスリルがあって面白いし、結末にもうなずけるものがあります。
     お暇があったらお出かけください。


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映画 「日輪の遺産」

2011年06月22日 | 日記

         

     一足早く「日輪の遺産」を見ました。
     私の友人どもは多くが浅田次郎の原作本を読んでいて、とても面白いと
     言うのです。
     私はこれは映画を見るまでは絶対に原作を読まない、読むとどうしても
     映画を見ながら比較を始めるからと思ったのです。

     「鉄道員」をはじめとして数々の名作を手がけた浅田次郎が、1993年に
     発表した「日輪の遺産」は、浅田次郎自身が映像化を熱望していた作品
     だそうです。
     監督は「チルソクの夏」「半落ち」等の名作を手がけた佐々部清監督で、
     この作品は彼の監督10作目になります。

     物語は昭和20年8月、帝国陸軍の真柴少佐(堺雅人)は、軍トップに呼び
     出されて重要な密命を受けるのです。
     それは山下将軍がフィリッピンで奪取した現在の価額価値で約200兆円
     に及ぶマッカーサーの財宝を、敗戦を見越して祖国復興のために隠すこ
     とだったのです。
     同行の軍人は小泉主計中尉(福士誠治)と望月曹長(中村獅童)の三人と、
     勤労動員として駆り出された20人の少女たち。
     やがて任務の終わりが見えたころ、20人の少女たちに非情極まる命令
     が出されます・・・。

     先述のように原作は敢て読まなかったのですが、浅田次郎らしい匂いが
     佐々部演出により随所でするし、なんと言っても日本人のプライドという
     か矜持を最後まで持ち続けた内容に感銘を受けます。
     史実と虚構の間から生まれた骨太作品と言えましょう。
     俳優では中村獅童・福士誠治が飛び抜けていいですね。軍人役のほと
     んどがはまっていますし、少女たちの使い方も上手いです。

     製作サイドに怒られるかも知れませんが、立派な作品なのにこれがこう
     だったら、より観客に理解されたのではないか・・・を敢て述べます。
     物語の導入部は脚本・演出ともに苦労されたと思いますが、省略し過ぎ
     を感じます。
     冒頭からミッキー・カーティスが出てきて興ざめだし、マッカーサーの
     財宝はもっと説明を加えた方がいいと思います。
     陸軍軍部の描写になって俄然画面が引き締まります。でもなぜあの三人
     が選ばれたのかが観客にはよく判りません。
     それと少佐と中尉の話を聞いていた少女の行動が非情な結末に連がる
     のですが、この描写はもっと押すべきではなかったでしょうか。
     それと一切が終わってからの挿話が長過ぎると感じます。

     最後に、的を射てるか見当違いかも知れませんが、こんなに監督に苦労
     を掛けるくらいだったら、もっと潤沢に製作費を監督に投入して、より素敵
     な佐々部作品を作っていただきたいと思うのです・・・。

 
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永田雅一氏のこと、その5

2011年06月21日 | 日記
             
          
         ↑記者会見中の永田社長(一番左)と、右端が進行係の私。


     業務試写で見ている作品がたまっているのですが、公開まで幾日か
     ありますので、ボチボチ書かせていただきます。
     今日は私の生涯の親分、もと大映社長・永田雅一氏のことです。
        
     永田雅一氏について誰もが考えることは「ラッパ」と「ワンマン」の
     フレーズです。
     ラッパについては前回の日記にも書きましたので今日は「ワンマン」
     です。

     まずご本人の言葉は、ワンマンとは自信満々のマンにほかならない。
     他所から見ていると永田は重大な決定をするに当って、他人に相談
     しない男だと言うに違いない。
     しかし自分にだって信頼する数多くの相談相手いる。何事かを決定
     するまでには、この人たちの意見を斟酌して考慮検討を加える。
     それ以上は私に属するのだ、私は社長なのであるから。

     と言ってもいきなりの決断ではない、自分で分析しつくして、あら
     ゆる角度から打診し、しかる後に自信を以って実行に移すのである。
     こうなればもし事に敗れた場合、第一愚痴をいう必要がない。
     人に相談し智恵をかりてやった仕事の破綻は、他人への愚痴が先に
     飛び出してみっともないばかりだ。
     ワンマン自らの失敗は、己の不明を恥じ自戒の資となり、他日の参
     考になるのであって他人を責めることはない。それにもしその事が
     成功した暁は、言うまでもなく自らの大きな喜びとなり、更に新しい
     自信と仕事への情熱となる・・・。

     当時の大映は永田社長を議長とした企画審議会を常に開催していま
     した。
     ここに社の内外からプロットが集まってくるのです。企画審議会の
     メンバーは製作の企画・営業などあらゆる分野のエキスパート9人
     がいて、慎重に企画プロットを検討していたのです。
     社長を含む10人のうち8人までが賛成したものを採用して製作に
     取り掛かるシステムです。
     これが俗に思われているワンマン体制の実態です。
     社長の意見に皆が追従する気配もあったけど、結構社長以外の意見
     も取り上げられていました。

     社長も個性的だったけど、当時の役員はまた異色の顔ぶれで、川口
     松太郎専務をはじめ、溝口健二・衣笠貞之助・長谷川一夫も重役だ
     ったし、社員も社長や異色役員陣に負けずユニークな侍が多かった
        です。
     私が直接仕えた上司だけでも、加賀まりこのお父さん、浅草の灯の
     著者・浜本浩さんの息子、池広監督のお父さん、菊地寛さんの息子、
     舟橋聖一氏の息子などで、また、同僚には加賀まりこのお兄ちゃん、
     水泳の橋爪とか、某警視総監の親戚、某有名建設会社や著名右翼
     の息子とかがいて賑やかでした。

     私の周囲だけでもこんな調子ですから、社内にはこの類の人がもっ
     と数多くいましたね。でも全員が凄い映画好きばかりで、揃いも揃
     った感じ・・・。自分の思ったことや意見を堂々と発表する人ばかりで、
     自由で熱気ある楽しい職場だったですねー。

     こんな具合で映画が当り、順調な時はそれで良かったのですが、映
     画界の情勢も大きく変わってくるとカリスマ社長がいて、素晴らしい
     製作陣を抱えた大映も、少しづつ歯車がかみ合わなくなってきていた
     のです・・・。 (続く)

  
  ↑入社当時の勝ちゃんと私。         ↑私の永遠のアイドル、若尾ちゃんです。

  
  ↑個人的にも仲良かった叶順子さんと。   ↑デビュー当時の高橋恵子・松坂慶子・私です。
          
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