紀州出身の芥川賞作家・中上健次が、故郷を舞台につづった同名短編小説
を、去年10月に交通事故で亡くなった若松孝二監督が映画化した作品です。
舞台は紀州のとある集落の路地。
ここで産婆をしてきたオリュウノオバ(寺島しのぶ)は、老齢で最期の時を迎え
ようとしています。
オバの脳裏には、オバが誕生から死まで見つめ続けた3人の男たちの姿が浮
かんでいました。
美貌を持ちながらそれを呪うかのように女たちに身を沈めていった半蔵(高良
健吾)。刹那に生き、自らの命を焼き尽くした三好(高岡蒼佑)。路地の町を
離れ北の大地で一旗揚げようとするも夢破れた達男(染谷将太)。
オバは自らの手で取り上げた彼らを見つめながら、あるがままに生きよと切に
祈り続けて来たのでしたが・・・。
交通事故で他界した若松孝二監督の、はからずも遺作となってしまった作品
ですが、正直に言って遺作にはしたくない不出来な作品だと思います。
一番悪いのは脚本で、原作の独特の味が希薄であり、3人の男たちの生きざ
まを延々と見せられ、途中でうんざりして来ます。
演出も切れ味が鈍く、全体的に低いレベルのままで終わった感じですが、その
中でも救いと言えば高良健吾の好演でしょうか・・・。
映画の感想は百人百様が当り前で、正解はないと思います。
ただ正直と言うか、本音で書く、言う人はあまり多くないですね。
さすが、けんさん、プロですねぇぇ
メールしましたので読んでみてください。