オードリー・ヘプパーンの「ローマの休日」に対して、こちらは新しくローマ
法王に選出された枢機卿が、プレッシャーに耐えかねてバチカンから逃亡
するというお話。
監督は「息子の部屋」のナンニ・モレッティで、脚本、演出、主役ではない
けど出演している作品で、さぞハートフルな作品に仕上がっているだろうと
期待して見ました。
この映画ではローマ法王が死去し、新しい法皇を選出するため各国の枢
機卿がバチカンに集まります。
全員が心の中では面倒で大変な法皇に選ばれたくないと思っているまで
すが、誰もが予想していなかったメルビル(ミシェル・ピッコリ)が新たな法皇
に選出されてしまいます。
メルビルはプレッシャーのあまり、信者たちが待ち焦がれるサン・ピエトロ
大聖堂のバルコニーから行なう就任演説を拒否。バチカンの報道官はセラ
ピスト(ナンニ・モレッティ監督)を呼び翻意させようとしますが、事態は解決
しないばかりか、ローマの街へ逃げ出してしまいます。
バチカンは大騒ぎ。メルビルは街の人々と触れ合うことで、人生において
大切なものや法皇の存在感とは何かを見つめ直し・・・。
私どもは、色々あっても最後は万事めでたし・・・と思っていましたら思わぬ
結末が待っています。このラストの処置は見ている側の意見が大きく二分
することでしょう。
正直言って聖域バチカンの様子が垣間見れる前半はとても面白いのですが、
中途からはもっとユーモアを交えて展開させればいいものをシリアスに描き
過ぎ、監督の手腕を楽しみにしていた期待を裏切ります。
「ローマの休日」のようにスマートで楽しく、心温まる作品を期待していたの
に・・・です。
(7/21 KBCシネマ 初日 14:20の回 60人)
おまけ画像は、私が訪れた時のバチカンで、市国に入るのも出るのも道路
越しで簡単です。
金ピカの天井はバチカン美術館、荘厳な寺院内はサン・ピエトロ大聖堂内
です。
バルコニーが見える正面写真の右側にマンション風の部屋・窓が見えます
が、最上階の右から4区画までが法皇の住む部屋だそうです。
観に行こうかと思っていた作品ですが、
行かなくて正解だったようです。
けんさんと同じような期待を持っていたので、
見たらきっとガッカリですね。
でも、映画館に涼みに行きたいなー。
本当に残念な作品です。
今日に日記に最近の映画に対する私の気持ちということで
少し触れております。ご覧いただけますか。