色々なところの感想を読むと、かなり悪評紛々なのでパスしようかとも思
いましたが、私も実際に行って好きになったパリでの話だし、オール・パリ
ロケで作られたと言うので、やっぱり興味があって見てきました。
人気脚本家の北川悦吏子が原作を担当し、くらもちふさこの作画で漫画
化された同名コミックを、北川自身のメガホンを取り、岩井俊二がプロデュ
ースと撮影監督を務め、更に音楽監督は坂本龍一という組み合わせで撮
り上げています。
妹のスズメ(桐谷美鈴)に付き添ってパリ旅行にやってきたカメラマンのセン
(向井理)でしたが、パリに着くなりスズメはお互い自由行動にしようと、恋
人のところに行ってしまいます。
置き去りにされたセンは宿泊先のホテルも判らず困り果てた上に、落とし
たパスポートを踏みつけられ、破かれてしまうのです。
パスポートを踏んだのは、パリでフリーペーパー編集者として働く日本人
女性アオイ(中山美穂)でした。
アオイは、パスポートを踏んだ拍子に靴のヒールが折れてしまい・・・と、偶
然から始まる年下の男性と3日間だけの淡い恋の物語です。
日本映F[L画としては珍しいパリ・オールロケで、セーヌ河畔・凱旋門・シャン
ゼリゼ通りなど、パリの雰囲気がよく捉えられていて中々いいと思います。
劇中で交わされる会話はとてもスマートではあるのですが、長過ぎて饒舌
になり途中で飽きてくるのが惜しいです。
それらを監督は如何に整理するか、緩急をつけるかが重要なのですが・・・。
洒落た映画を作ろうとした意欲は買いますが、お話自体も薄いし、監督とし
ての手腕は合格点はやれません。
それよりも、さりげないショットや、逆光などを上手く使つたりする岩井俊二
の撮影監督ぶりの方が光るのは皮肉です。
結論は関係者のお遊び映画の感ありなのですが、私は妙にこの作品が好
きです。
(10/7 TOHOシネマズソラリア 2日目 14:35の回 61人)
↑ パリで、私。
お久し振りです。
しかも去年に遡ってブログを見ていただいたようで嬉しいです。
私の感想はこの通りですが、この程度のお遊びは理解出来ると
思っているのですよ・・・。