インドに実在する伝説的ランナーで、オリンピック陸上選手ミルカ・シンの壮絶
な生涯を大きなスケールで描いた作品です。
1960年、ローマ・オリンピックでの陸上競技400メートル決勝で、金メダルへの期
待を背負うルカ選手は絶好のスタートを切り独走。ゴール寸前、なぜかミルカは
後ろを振り返るという前代未聞のミスを犯して4位となり、メダルを期待していた
国民からバッシングを受け「インドスポーツ最大の悲劇」とまで言われます。
帰国後、ミルカはパキスタンで開催されるスポーツ大会のインド団長に指名され
ますが、どうしても嫌だと拒否したため、首相の命令で首相秘書とミルカのコー
チが説得しに行くことに。
ミルカが暮らす町へと向かう電車の中で、コーチは首相秘書にミルカがパキス
タンへ行きたがらない理由を話しはじめます。彼の不可解な行動の裏には、激
動の時代に翻弄された数奇な人生物語が・・・。
監督はラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ、「闇の帝王DON ベルリン強奪作
戦」などで映画監督としても活躍するファルハーン・アクタルがミルカ役を熱演、
アスリートたるべきトレーニングを行い、食事制限を1年半実行して体脂肪を5%
に落としたそうです。また劇中の陸上大会に日本代表選手役で武井壮が出演し
ています。
時代と物語が前後に交錯して若干スマートさに欠けるところや、もどかしい場面
が幾つかありますし、153分はどう考えても長尺過ぎると思います。
それでもインド映画製作陣のパワーが凄さを見せつけられるし、このような作品
なのに踊りの場面を上手く挿入していて楽しませてくれます。
もう一つ、インドと隣国パキスタンとの歴史的な背景も判りやすく上手く描かれて
いて勉強になりました。
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