この映画は、昨年2月に台湾で公開され空前のヒットとなった作品で、台湾が日
本統治下の1931年、台湾代表として甲子園での全国高校野球選手権に出場し、
準優勝を果たした嘉義農林学校(通称:嘉農=かのう)野球部の実話を描いた台
湾映画です。
「海角七号 君想う、国境の南」や「セデック・バレ」2部作など、日本統治時代の
台湾を舞台にした作品を生み出してきたウェイ・ダーション監督が製作、俳優の
マー・ジーシアンが初監督を務めています。
この映画にも嘉義農林と嘉義中学が出てきますが、私は終戦時に嘉義中学生
だったこともあり、この作品をとても期待していたのです。
私の家族は終戦時にこの嘉義市に住んでいて、しかも中学生ながら阿里山開
拓に学徒動員されていて終戦の詔勅は阿里山で聞きました。日本に帰る時、台
湾の友人と別れるのに辛い思いをしました。(余談ですみません)
1929年(昭和4年)嘉義農林学校の弱小野球部に、日本の名門野球部を率いた
日本人監督・近藤兵太郎が赴任して来ます。
野球部は日本人、台湾人、台湾原住民の部員で構成されていますが、三民族
それぞれの特徴を生かして選手を起用し、甲子園進出を目指すという鬼監督・
近藤の下、厳しい練習に励む部員たちは、次第に勝利への強い思いを抱くよう
になって行きます。
そして1931年には台湾予選大会を勝ち抜き、台湾代表チームとして甲子園へ
遠征した嘉農野球部は、最後まで決してあきらめないプレイスタイルで日本中
の注目を集めますが、最後になって思わぬアクシデントが・・・。
野球部監督の近藤役で永瀬正敏が主演し、台湾で農業指導に尽力、今でも台
湾で尊敬されている八田与一役に大沢たかお、近藤の妻役には坂井真紀ら日
本人キャストも多数出演しています。
言語のほとんどが日本語で、たどたどしい所も沢山ありますが、この作品を作
る側の熱意や、日本人を信頼する気持ちが伝わってきて感動させられるし、楽
しく見ることが出来ます。近隣の国で今なお抗日を叫ぶ映画とは大違いです。
185分という長尺で、北海道のエースが軍人になってからの挿話やラストの扱い
など、無駄な挿話やシーンもあり、切れるとは思うのですが、監督や出演者の
熱気で最後まで見終わってしまいます。監督としてこれが第一作目だそうです
から、よく出来ていると褒めてやるべきでしょう。お薦めの一本です。
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