映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「ふしぎな岬の物語」

2014年10月22日 | 日記

   

     この作品は今年のモントリオール世界映画祭で、審査員特別大賞グランプリと、
     エキュメニカル審査員賞をW受賞していること、吉永小百合が初めて自ら企画
     から立ち上げたヒューマンドラマであることから、私なりに大きく期待した作品で
     した。

     海の向こうに富士山を望む岬の先端で、柏木悦子(吉永小百合)は喫茶店「岬カ
     フェ」を営んでいます。お店には、彼女がいれる一杯のコーヒーを求めて里の住
     人たちが集まり、のどかな日常が続いていました。
     そんなある日、常連客・徳三郎(笹野高史)の娘で、結婚して東京へ出ていたみ
     どり(竹内結子)が亭主と別れて数年ぶりに帰郷してきました。

     さらに、悦子と甥の浩司(阿部寛)を長年見守り続けてきた不動産屋のタニさん
     (笑福亭鶴瓶)が大阪へ転勤しなければならなくなり、里へ帰ってきたみどりの父
     に病で死期が近づき、穏やかだった里の暮らしにも変化の風が吹き始めるので
     した・・・。

     最初に書いた期待の他にも、監督が「八日目の蝉」の成島出であることも楽しみ
     にしていたのですが、結果は私の期待は跡形もなく砕け散りました。
     原作は、森沢明夫の小説「虹の岬の喫茶店」ですが、原作の味は壊れているし、
     脚本化する前の物語構成が薄っぺらなのです。吉永小百合もいけません。

     彼女は色々な挿話の橋渡し役に徹した方が良かったのに、本人や監督の意図
     もあっての絶対主役になっていて、しかも多くの挿話を欲張って入れ込んでいる
     ので、すべてが中途半端な仕上がりでいただけません。
     吉永小百合がこれからも映画を続けるのなら、年齢相当の大変貌が必要と思い
     ます。

     この映画を期待して映画館には多くの人が詰めかけたのですから、もっと煮詰
     めた素敵な作品にして貰いたかったと、心の底から叫びたい心境でもあります。
     海外での賞の獲得も、当てにならないことがよく判ったし、公開前のスタッフ・キ
     ャストが、本当にいい作品を作ったという自信を持っていたのか、自己満足で失
     敗したという反省がなかったのか、不思議でたまりません。

コメント (4)
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