映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「罪の手ざわり」

2014年07月04日 | 日記

   

     中国の監督ジャ・ジャンクーが、「長江哀歌」(2006)以来7年ぶりに手がけた
     作品で、2013年の第66回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しています。
     急激な近代化とともに格差が生まれている中国で、実際に起こった四つの事
     件を基に、本来は普通の人々が罪を起こす過程を描いた内容です。

     村の共同所有だった炭鉱の利益が一人の実業家に独占されたことに怒り銃
     を取る山西省の男、妻子には出稼ぎだと偽って中国各地で強盗を繰り返す
     重慶の男、風俗サウナでしつこく迫る客を切りつけてしまう湖北省の女、ナイ
     トクラブのダンサーとの恋に苦悩する広東省の男、という時代の波に乗り遅
     れ、もがきながらもひたむきに生きようとする人々の姿が描かれています。

     日本のオフィス北野(武)と合作体制をとった作品でもあり、その意向もあった
     のか暴力と血のシーンが多くあります。
     中国の現体制の裏の実態が描かれていることでもあるし、息を飲むくらい素
     晴らしい映像が各所に散らばっていて、興味を持って見た一本でもありました。

     作者が意図したものと思われますが、四話とも結末が無く、決着を着けるべき
     との意見が対立するでしょう。私は後者です。とにかく見ておくべしの一本です。


コメント (2)
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