映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「少女は自転車にのって」

2014年01月24日 | 日記

   

     映画館が法律で禁じられているぐらいですから、映画の製作もままならない
     サウジアラビアで、しかも初の女性監督ハイファ・アル=マンスールが、同国
     の俳優を使い、すべて国内で撮影したという、サウジアラビアでは初の長編
     映画です。それだけでも十分に期待して早速見た作品でした。

     主人公は、どうしても欲しい自転車を買うために、お金を貯めようとする10歳
     のおてんば少女ワジダです。
     自転車が手に入ったら幼なじみの少年アブドゥラと自転車競走がしたいだけ
     なのですが、母親は女の子が自転車に乗るなんてと大反対です。
     そんな時、学校でコーランの暗唱コンテストが行われることになり、ワジダは
     その賞金で自転車を買おうと一生懸命コーランの暗唱に取り組みますが・・・。

     私が去年旅行した同じイスラム教の国トルコでは、厳しい戒律を守る国民は
     全体の約七割といい、そう言えば自由闊達な多くの若者たちを見ました。
     反してサウジアラビアでは女性が一人で外出することや、外出しても顔を見
     せない、車を運転することも勿論駄目、生理の時にはコーランに直接触れて
     はいけない、女性は家系図には載せない、などなど日常生活の中で宗教上
     禁じられていることが沢山あって驚く限りです。

     現在でもそんなサウジアラビアで、一人の少女が女性抑圧という厳しさに直
     面しながらも、明るく前向きに生きる姿は実に爽やかですし感動します。
     この女性監督の演出も、撮影など技術面でもそんなに優れているとは思えま
     せんが、題材をユーモラスに描いたことも成功に繋がったと思います。ワジダ
     役の少女はオーディションで決めたそうですが、役柄や物語のように新しい
     戒律の夜明けが来ているのかも知れません。
     それでも現状で色々な制約を乗り越えて国内で撮影し、国外での上映にこぎ
     着けた監督以下スタッフ全員の情熱に頭が下がる思いで見ました。
     絶対お薦めです。


コメント
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