映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「最愛の大地」

2013年08月20日 | 日記

   

     国連親善大使でもあるアンジェリーナ・ジョリーの初監督作で、ボスニア・ヘル
     ツェゴビナの紛争で敵同士となってしまった恋人たちの姿を描いた作品です。
     どんな役柄でもこなすアンジーは素晴らしい女優さんだと思っていますが、今
     回は脚本・監督までこなすというのですから、どんな作品を見せてくれるのか?
     とても楽しみですし期待して見ました。

     物語は1992年、ボスニア・ヘルツェゴビナが舞台です。
     女性画家アイラ(ザーナ・マリアノヴィッチ)は、恋人の警官ダニエル(ゴラン・コス
     ティック)と酒場でダンスをしている時に店内が爆発。それがキッカケのように民
     族紛争が勃発し、敵対するセルビア人の兵士に捕らえられたアイラは収容所に
     収監されます。
     収容されたムスリム系の若い女性はセルビア兵士に強制連行されレイプされる
     始末。屈辱のアイラはそんな一歩手前で、元恋人で今は将校ダニエルに助けら
     れ、お抱え画家として肖像画を描かせる任務を与え、アイラはそれによって地獄
     のような日々から一時的に解放されるのでした。

     肖像画を制作する過程で、2人は次第にかつての愛情を取り戻していくのです
     が、内戦は翌年になって激化し、最悪の状態になって行きます。
     収容所からダニエルの力添えで脱走したアイラは、同胞と合流しますが、スパ
     イとしてダニエルのもとに戻る決心をして・・・。

     紛争で実際に被害にあった人々の証言をもとに、人権問題に強い関心を持つジ
     ョリーが、自ら脚本も手がけたそうで、紛争や戦争の最大の犠牲者は女性であ
     ると訴えたかった彼女の熱意・意思が強く出ている作品になっています。
     初監督としての手腕は、正直言って間延びしたり消化不良の場面もありますし、
     主演者にはもっとネームバリューのある人をと思わぬでもありませんが、大物主
     演だと現実感が落ちるので、この配役で良かったのでしょう。
     脚本・構成も完璧とは言えませんし、ハッピーエンドではない後味の問題もあり
     ますが、それら細々したことを無視してでも彼女に共感したい作品です。
     私は買っています。


                ↑ アンジェリーナ・ジョリーの監督ぶり

コメント (2)
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