ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

投票しない投票行動って?

2006-10-23 15:33:28 | 市議会議員として
選挙の投票率の低下がこの国の深刻なデモクラシーの危機だとマスコミ各社が指摘し始めたころ、私の恩師・白鳥令先生(獨協大学名誉教授)はこれを、「投票しない投票行動」とよんで、有権者が選挙で投票しないことによって、有権者の政治に対する不信感を表現していると解説なさったことがあります。

■「みなさんの意識以上のまちにはならない!」~28歳・瀬戸健一郎の第一声。

16年前に28歳で松原団地駅西口にマイク片手にはじめて通勤・通学の人たちの前に立った時、私は何を言ったらいいのか分からず、しばし立ちすくんでいました。朝の通勤・通学は一日の始まりなのに、なぜかせわしく、そんな人たちが自分たちのまちをかえりみることがあるのだろうかとふっと思った瞬間に、「みなさん、草加市政に目を向けてください。みなさんのまちです。みなさんの意識以上のまちに、このまちはならないのです!」という第一声が口をついて出てきました。

■「投票しない投票行動」は投票行動ではない。

あれから16年、今ふたたび自分の原点である松原団地駅西口に立ち、駅頭演説をしていると、不思議と同じ思いがよみがえってくるのを止めることができません。半年で2度も市役所に警察の家宅捜索が入り、市長が親しい関係にある暴力団の要求にまで応えていた事実が報道されても怒りをあらわにしない草加市民。「もっと、市政に目を向けて!」そんな心のさけびを胸に、毎朝私は駅頭に立っています。

「投票しない」ことは投票しないことなのであって、「投票しない投票行動」などというものはない。少なくとも、それを今の私は認めたくないという気持ちで一杯です。

■低投票率。~投票しない投票行動がもたらすもの・・・

私が今一番、危惧していることは「投票しない投票行動」というコンテクスト(言葉)が投票しないことを正当化してしまうことです。投票しないことは、あくまでも投票しないこと。それがもたらす結果を投票しなかった有権者が自分で刈り取らなければならないという事実に少し、みなさんの目を向けてみて頂きたいです。

例えば来る草加市議会議員選挙の投票率が50%程度であったとします。すると、草加市政の唯一の予算編成権者であり、1,600人の市役所職員や各種行政委員の唯一の任命権者である草加市政の最高権力者=草加市長は、「草加市民の半分は市政に関心がないのだから、積極的にまちづくりに参画する一部の人たちだけを相手に市政運営していればいいのだ。」と考えるかもしれません。

■弱者救済と声なき声に耳を傾けることは政治家の良心であるべきなのに・・・

白鳥令先生から私は、政治家の良心・良識とは「光のあたらないところに、光をあてていくこと。」だと学ばされてきました。ですから、低投票率を理由に一部の人たちのためにだけ自分の意識を向けていくことなど、私の政治信条からはあり得ないことです。しかし、現市長は30人中20人の市議会議員たちが市長不信任であると表決してもなお、何の責任も感じていない。

そればかりか、一部の議員たちに不信任に反対するように働きかけ、その見返りに市長自らがそれらの議員たちを自分の支持者の元に引き回し、地域要望への予算を約束する。

私には、そんな木下市長の感覚そのものが変えられていかないかぎり、だれもが幸せなまちは実現できないと思われてなりません。

■あるべき「投票しない投票行動」とは・・・

草加市民のみなさん、選挙の立候補者の中に、みなさんが自分が投票するに足る人物がもし居ないのであれば、「白票」を投じるためにだけでも、投票に出かけてください。その一票一票の積み重ねが、草加市の選挙の投票率を押し上げ、「もの言わぬとも、市政にはきちんと目を向けているぞ!」という権力者である市長や議員たちに対する無言の圧力になっていきます。

私はこのことこそが、本当の意味で、あるべき「投票しない投票行動」なのだと思います。このような主張に白鳥先生は及第点を下さるでしょうか・・・

■期日前投票は告示日の翌日から投票日の前日まで。

投票率が5割のまちと、投票率が7割のまち。どちらが市民の政治意識は高いと言えるでしょうか?どちらのまちがデモクラシーの成熟度が高いと言えるでしょうか?投票率の低下は暴君を生み出す土壌になりえるとしたら、みなさんは、あなたの一票を投じるための時間と労力を惜しむでしょうか?

以前の不在者投票制度は正当な理由がなくては認められないものでしたが、現行の公職選挙法では、特段の理由がなくても、気軽に市役所に出かけていきさえすれば、告示日の翌日の月曜日から投票日前日の土曜日までの午前8時30分~午後8時まで、だれでも自由に投票できる「期日前投票制度」に変わっています。

積極的な投票行動であろうと、白票を投じる投票しない投票行動であろうと、みなさんがみなさんの税金の使い道に関心があることを示す限られたチャンスであるということを、どうかお考えください。

一部の人たちのためでない、だれもが幸せなまち―草加をつくろう!

共に、力をあわせていきましょう。

※写真は通勤途中の山口さんが携帯電話で撮影して下さいました。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor


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4 コメント

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批判ではありませんが… (一市民)
2006-10-24 02:50:26
市長の件、もう結論でてますよね?私は不信任側と市長側の双方のお話をホール等で実際にこの耳で聞きました。その上で反響がないのは市民の関心はそこではなく、既に別な点に移行している為だと感じます。(私を含めた私の周囲の多数も同じです)

今回の選挙、投票する判断基準にその話は関係がないと思いますし、他に具体的な政策をお持ちなのですから、そこで勝負したほうがいいのではないでしょうか。瀬戸議員が市長になりたいという様にしか聞こえません。市議会と市長が連動した、良い草加を期待しています。不適切でしたら削除お願い致します
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どんな結論ですか? (市民)
2006-10-24 08:57:06
一市民さんのいわれる結論っていうのは、30名中20名が不信任に賛成で否決だったてことですか?ホールなどで集会を開いたのは市長側だけだったのでは?
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それも一つの結論では? (一市民)
2006-10-24 13:14:07
不信任否決というのは、一つの重い結論ではありませんか?現職議員の方々全員が出席され、必要数の賛成が得られず否決。

これは私の様な議会に参加できない市民にとっては「この件の結論」以外に捉らえ様がありません。





不信任側のお話は街頭で2、3度最初から最後まで聞きました。
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その考えは (tor)
2006-10-30 00:04:25
一市民さん、その考え方はどうかと思います。

事件後に、選挙はないのですから

今度の選挙が市民の結論だと思われます。

警察もまだ動いてると思いますよ。



今度の選挙が大事な選挙だと私は思うのですが

どう思われますか?



出来れば、無記名はやめましょうよ!!



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