60~90年代名作漫画(昭和漫画主体・ごくタマに新しい漫画)の紹介と感想。懐古・郷愁。自史。映画・小説・ポピュラー音楽。
Kenの漫画読み日記。
「せかいイチ」ー美少女レスリング漫画ー

日本の女子レスリングはムチャクチャ強いですねぇ。2021年開催東京五輪で女子レスリング4階級-金メダル、2024年パリ五輪で女子4階級金メダル&2階級銅メダル。
だいたい、女子レスリングは2004年のアテネ五輪でオリンピック公式競技になってから、日本代表は総ナメと言っても過言ではないくらい、金メダルなど上位を獲得して来ています。
日本女子レスリングには、オリンピック4連覇-伊調馨や、オリンピック3連覇&銀の“霊長類最強女子”-吉田沙保里の二大レジェンドがいますからね。
だいたい、日本のレスリングは昔々から“お家芸”と呼ばれていたくらい、世界大会やオリンピックで強かったですからね。まぁ、昭和-平成前半とずーっと五輪レスリングは男子だけだったけど。
女子レスリングの世界大会が初めて行われたのは1987年でそこからほぼ毎年、女子の世界大会は場所を変え世界各地の都市で開催されて来てます。日本女子レスリングは世界大会でも強くてほとんどの大会で金や銀を取ってますね。
日本のレスリングはこんなに強いのに、男子でも女子でもアマチュアレスリングの世界を舞台にしたコミックって非常に少ないんですね。
僕の子供の頃には、1964東京オリンピック~68メキシコオリンピックの間に、川崎のぼる先生作画の「アニマル1」が大人気漫画でアニメ化もされて有名でしたが、それ以降はプロレスの漫画はいっぱい描かれて来ましたが、アマチュアレスリングの漫画は本当にないですね。
今回は女子レスリングが舞台の漫画がお題です。「せかいイチ!」はアマレスに奮闘する女子高校生が主人公の熱血アマレス学園コミックです。
小さな頃からとにかく何事でも一番になることが大好きで、とにかく一番になるために何事にも挑戦し、一番になれなければ死ぬほど悔しがる女の子、愛野せかい。
愛野せかいは高校一年生になり、高校入学初日目に朝早く登校して一番乗りしたつもりが、幼なじみの男の子、啓一が前夜から高校入学祝いのパーティーを徹夜でやって、眠らずにそのまま登校していた。
一番乗りできなかったせかいは、一番を邪魔された啓一を誰もいない校門で逆エビ固めで攻(責)める。
愛野せかいには幼少の頃からライバルがいた。富裕層家庭の二階堂聖火だ。幼少時から二人とも並外れた負けず嫌い性格で、何事も競い合い、特に駆けっこなど運動競技はどちらか勝負が着くまでいつまでも続ける執念で臨む。
しかし、お嬢様育ちの二階堂聖火は小学生時代にいつの間にか、海外へと去ってしまった。ここで一旦は愛野せかいと二階堂聖火のライバル関係は終わった。
しかし、高校生の年齢になり、二階堂聖火は日本に戻って来ていた。高校入学し、高校先輩たちの部活入部勧誘の騒がしい並びの中で、愛野せかいは二階堂聖火に再会し驚く。
愛野せかいと二階堂聖火は奇しくも同じ高校に入学していた。
新入生歓迎のカルタ取り大会を会場でやっていて、愛野せかいも二階堂聖火もカルタ取り大会に挑戦することになり、超負けず嫌いの二人が残り、決戦となる。
勝負が着かず、愛野せかいと二階堂聖火はカルタほったらかしで取っ組み合いになるが、二階堂聖火は愛野せかいを手玉に取り押さえ込む。
取っ組み合いの喧嘩では愛野せかいは二階堂聖火に子供扱いされた。二階堂聖火は海外生活の中でアマチュアレスリングの英才教育を受け、レスリングの腕前はメチャクチャ強かった。
二階堂聖火に手玉に取られたことが悔しくて悔しくてたまらない愛野せかい。
せかいは、ひょんなことからアマレスの町道場を開く鷲尾コーチと出会う。
鷲尾コーチは裏町の汚いビルの小さな道場で子供たちにレスリングを教えていたが、元は日本代表級の名選手でトップレベルの実力を持っていた。
複雑な事情があり、実力者-鷲尾コーチは日本レスリング協会を追放処分となり、在野に埋もれて隠れている。
鷲尾コーチを追放したのは日本レスリング協会-会長である、二階堂聖火の父親で、聖火の父親と鷲尾コーチとは複雑な因縁があり、聖火の父は鷲尾を憎んでいた。
愛野せかいは実力差、天と地ほどの二階堂聖火に勝ちたいばかりの気持ちで、鷲尾コーチの道場に入門する。
毎日の稽古の中、せかいは天分の才能の片鱗を見せる。だがまだレスリングのタックルまでしか習得できない。
その内、せかいの通う高校の女子レスリング部の対校試合があり、その中の一つの試合で相手高校の選手がヤンキー見てくれの凶暴な女子で、対する本校生徒が怖がって試合を逃げてしまう。
部活所属選手でもないのに、せかいが代替選手に立候補し、二階堂聖火の計らいで急遽、部員でないせかいが試合に出る。
愛野せかいの生まれて初めてのレスリング試合の相手は凶暴なヤンキー娘で、反則何でもアリで相手選手を傷付けようが知ったこっちゃない根性のねじ曲がった女子校生だった。
愛野せかいは、それしか知らないタックルで相手を倒し得点を奪うものの、強敵反則女子の危険ワザを受け続けて、身体のあちこちを痛める。
せかいの生まれ持った抜群の運動神経は、敵の反則ワザを受けても致命傷にならないようにはかわし続けている。
満身創痍になりながらもレスリングの素晴らしさに気付き魅せられるせかいは、決して試合を降りない…。・・・
絶対に負けたくない永遠のライバル、二階堂聖火に追い付こうとレスリングの修行に励む愛野せかいはいつしかアマレスの魅力に取り憑かれ、身も心もレスリングにどっぷり浸かり込んで日々修行を続ける。
毎日の激しいレスリング訓練を続けて、天性の運動神経を持つ愛野せかいも、世界トップレベルの力を誇る、二階堂聖火に追い付いて行く。やがて二人の雌雄を決する試合がやって来る…。
といった熱血青春スポーツ感動漫画ですね。国友やすゆき先生の「せかいイチ!」は。スポ根漫画の中にもギャグ風味が覆っていて楽しい学園コミックです。幼なじみの啓一のせかいに対する恋心はラブコメふうだし。
国友やすゆき氏の美少女レスリング漫画「せかいイチ」は小学館の青年コミック週刊誌「ヤングサンデー」に連載されてました。連載期間が僕にははっきり解らなかったのですけど90年代前半だと思います。だからカテゴリも「90年代漫画作品」に入れました。
僕は当時、国友やすゆき先生の「せかいイチ!」が大好きで、コミックス全4巻、本屋で買って来て愛読しました。僕は雑誌連載で読んだのではなくて、多分、連載終了後直ぐくらいの90年代半ば頃だと思いますが、コミックスでまとめて読んでます。
僕は昔は日課のようにいつも市販本屋さんに寄ってたので、多分、当時のヤンサンも店頭でパラパラやったり、時には買って読んだりしたこともあったかも知れません。多分、当時のヤンサンの「せかいイチ!」の連載は知ってはいたでしょう。
今、爺ィのワシが「せかいイチ!」愛読したのも30年くらい前の話だしな。
女子レスリングがオリンピック正式種目に認定されて五輪大会の中で競技が行われるようになったのは2004年アテネオリンピックからです。そこからは毎年、オリンピック大会の中で女子レスリングの競技は行われています。
女子レスリングの世界大会で山本美優が優勝してクローズアップされたのが1991年ブルガリア-ヴァルナ大会。吉田沙保里の登場が2000年前後で2004アテネ五輪·金メダル。
だから時代的に、1990年前後の女子レスリングに山本美優が登場して活躍し、女子レスリングがクローズアップされたことに触発されて描かれた作品なのではないか、と想像されます。また、女子柔道の世界では、漫画「YAWARA」が1986年から連載が始まって人気が高まり、コミック·アニメ·実写劇場映画となって大ブレイク、実際に“YAWARAちゃん”の愛称で呼ばれる田村亮子が1990年頃から世界女子柔道で活躍して、女子柔道ブームが起きる。スポットライトを浴びる女子柔道に対抗して、まだオリンピック種目になってはいない認知度の低い女子レスリングの世界を舞台にして、新たな試みとして女子レスリングの世界で活躍する少女を描いたのではないかと思います。だから漫画「セカイイチ」の主人公-愛野せかいは物語の中でオリンピックを目指す訳ではない。
「せかいイチ」が描かれたのは、女子レスリングが初めてオリンピックで行われたアテネ大会の10年以上前です。
漫画「せかいイチ」の主人公-ヒロイン、愛野せかいの永遠のライバル、二階堂聖火の父親は日本の女子レスリング協会の会長なのだが、聖火が今の女子レスリング界では自分が圧倒的に強くて敵がいない。早く国際オリンピックの公式種目に女子レスリングが入るようにしてくれ、でないと自分はレスリングをやめてしまう、と父親に詰め寄るシーンがある。
二階堂聖火の父親の会長は、協会もオリンピック種目に入るよう頑張っているのだが我々だけではいかんともしがたいものが…、とにかく女子レスリングの大会で娘-聖火が大活躍して国際協会の役員たちに注目させることが効果があるのだから、無敵の強さを見せつけるためにも聖火はレスリングの練習に勤しめ、と協会会長の父親が娘にハッパを掛ける場面が続く。
漫画の雑誌連載リアルタイム時にはまだまだ女子レスリングのオリンピック公式種目化は遠い、という描写ですね。
何かで読んだのですが「レスリング漫画はヒットしない」というのが業界にあるそうです。
90年代ヤングサンデー連載、国友やすゆき先生の美少女レスリング漫画「せかいイチ!」も、僕は大好きで長編連載作品になると思ってたのですが、コミックス全4巻で物語終了してしまいましたしね。
僕がこれまで読んで来た漫画作品で、レスリング漫画というかアマチュアレスリングが舞台の漫画って子供の頃の「アニマル·ワン」とこの「せかいイチ」だけです。多分、この何十年間の間には他にもレスリング漫画はあるんでしょうけどね。
僕も子供の頃はいざ知らず、青年~大人になってから漫画をそれほど網羅するほどは読んで来なかったので、まぁ、けっこう漫画読んで来た方だとは思うんですけど、爺さんになって、ああ~あの時代にこんな漫画が連載されてたんだ、と初めて知る昔の漫画作品もいっぱいあります。
プロレス漫画は昔からいっぱいあったし僕もプロレス漫画ならけっこういっぱい読んで来てる。でもアマチュアレスリング界が舞台の漫画は、僕には他には見当たらなかったなぁ。
アマレスが題材や舞台の漫画をネットで探して見ました。けっこうありますね。ただ、やっぱりヒット作というのはないみたいですね。
2010年代の月刊少年チャンピオンに連載されて、コミックス全10巻までのかなりの長編連載になってる、佐藤由幸さんの「弾丸タックル」。いじめられっ子がレスリングを通じて成長する、高校レスリング熱血学園漫画みたいですね。
「レスリングウイズもも子」は週刊少年ジャンプに連載された徳弘正也さんの高校レスリング漫画でコミックス全2巻。少年向けのエッチ趣向を混めたギャグ調多めの学園漫画のようですね。
2000年代にヤングマガジンアッパーズに連載された「アマレスけんちゃん」は、若杉公徳さんの、高校レスリング部が舞台のギャグ調の師弟レスリング漫画。ギャグ漫画味がかなり強いスポーツものですね。
「ヒメレス」一智和智さんの青年コミックのレスリング漫画。元アマレス重量級五輪代表の青年が私立女子高校のレスリング部の部活顧問となり、問題児女子校生の部員たちにレスリング指導して、先ず素行や精神面から更正して行くコミックかな。
他にもレスリングを題材や舞台にしたコミックはあるようですが比較的かなり少ないし、ヒットした有名な漫画作品はないみたいですね。
« ポパイ | ☆最近読んだ比... » |
コメント |
コメントはありません。 |
![]() |
コメントを投稿する |