ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

動画シリーズ「いっしょに描こう!実践編」を始めました

2012-11-15 04:02:55 | 犬たち

従来の水彩画の描き方とトレース水彩画の描き方の違いを例えれば、二本足で走るのと自転車で走るのとの違いのようなものです。
初めて自転車に乗るには多少練習がいりますが、テクテク走るよりも自転車の方が明らかに早く、その上長く走れるのは衆目の一致するところです。
つまりトレース水彩画は明らかにレベルアップした描き方なのです。
一部でトレース水彩画はルール違反ではないかと言う声もありますが、芸術の世界はどんな制約もない自由こそが最も尊重すべきことであり、トレース水彩画は絵画の中の時代に即した技術革新ととらえるのが、正しい位置づけではないでしょうか。 

上の絵は「動画で納得!トレース水彩画」の新シリーズ「いっしょに描こう!実践編」の第一弾として、のかんぞうの花の絵の描き方を動画にしたもので、クリックしてぜひ動画もお楽しみいただければ幸いです。
このシリーズの趣旨は単に動画を見せるのではなく、動画を素に実際の絵を描くことにトライしていただくのがその目的で、そのための同寸大の写真も用意しました。
上記の自転車の話の中で、初めて自転車に乗るには多少練習がいると書きましたが、まさに始めて自転車に乗る=初めてトレース水彩画を描く それが目的ですから、ここでの絵のテーマはとても簡単に描ける課題ばかりを用意しました。 

それでは初心者の方にトレース水彩画を上手に描くコツについてお話します。 

従来の水彩画とトレース水彩画の大きな違いは、制作工程での力の配分にあります。
制作は線画と彩色の2つの行程からなっていますが、従来の水彩画では彩色は主で線画は鉛筆で軽く輪郭を描く、つまり従とするようにと美術学校で習いましたし、それが世間の常識のようです。
しかしトレース水彩画ではその逆で、線画が主で彩色は従となるように描くことが上手に描くポイントなのです。
つまりトレース水彩画の最大の特色は写真をトレースすることにより、完璧なデッサンが線画に表われるわけですから、その有利さをフルに発揮するためには力強い線画が絵の魅力となるのです。
となれば、その線の魅力を生かすには軽い彩色こそ美しいバランスが生まれ、逆に強い線画と強い彩色や弱い線画と弱い彩色ではバランスを壊してしまうのです。 

そして強い線画と軽い彩色にするもうひとつの理由があります。
線画は写真をトレースするだけですから初心者の方も簡単に描けるのに対し、彩色のほうがずっと難しいため、軽い彩色でごまかしてしまうというのが本音でもあるのです。 

それでは軽い彩色とはどんな彩色なのでしょう?
まずパレットの上にたっぷりと塗り色を作り、それにドバッと水を混ぜると淡い色水が出来ますが、それをたっぷり筆につけ、画用紙の上に厚く塗ることにあります。
それともうひとつ、些細なことを気にせず、四捨五入の精神で大雑把にそして大胆に塗ることです。
ただしはみ出し塗りや塗り残しはいけません。絵が稚拙になります。
最初の彩色がよく乾いてから、第2の色は最小限度でより濃い色で補完して、彩色が終了となります。 

絵は楽しいから描くという人が増えています
現実的に絵を描いて楽しさを感じるのは、やはり上手に描けた時です。
そして描けば描くほど上達することは無上の喜びを感じます。
そんな喜びを確実に味わえるのは、トレース水彩画の特権かもしれません。

 


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