渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画 その3 『ダブルタップ』

2004年10月02日 | 映画・ドラマ・コミック

『ダブル・タップ』(2000年香港)
http://www.clydefilms.co.jp/double/

まず国内での映画の紹介文で明らかに誤っている点を指摘しておく。
日本公開に当たっては「ダブルタップとは、2発の銃弾を一箇所に射ち込む
高等技術をいう」とある。
これが、そもそも見当違い。
ダブルタップとは「2点射」のことであり、もともとは初弾のバックアップ
のために次弾をすかさず撃つことをいう。
銃声が「ターン、ターン」でなく「タンターン」というくらい短い間隔で
射撃する。
元々は軍隊や警察での有効的な射撃方法のことをいう。
.22口径のような小口径弾はダブルだけでも有効打になることがないため、
ダブル-トリプルで6連射を一気に的に射ち込む。むろん仮想標的は人体だ。
アメリカのCIAやイスラエルのモサドは、.22口径拳銃のこの射撃により
多くの人間を暗殺してきているのは事実である。

さて、映画。
あまり話題にならなかった映画だが、テーマとしても、映像としても佳作だ
と思う。
拳銃の射撃名人でガンスミス(銃のチューンナップを行う技術者)の主人公
リックは、香港警察主催の射撃大会で銃を乱射した警官を正当防衛でやむ
なく射殺した。
それから3年。
リックは人を殺した苦しみから逃れられず、精神科の医師のケアを受けてい
た。
彼には「あなたがどんなになってもそばにいてあげる」という恋人がいた。
ある日、殺人事件が起こる。
実業家の汚職にからむ関係者が射殺されたのだ。
3名の死体はダブルタップで正確に頭を射ち抜かれていた。
香港にいる射撃の名人たちが容疑者にあげられ、リックもその中のひとり
にされた。
別な容疑者のひとりに、猟奇的射撃マニアの汚職実業家がいた。
警察官の一部はかつて同僚を射殺したリックをどうしても犯人に仕立て上げ
彼を殺害しようとたくらむ。
警察はリックの恋人をおもちゃのエアガン不法改造容疑ででっち上げ逮捕
して、殺人事件と結びつけて数十年の懲役実刑を企てる。
さらに、殺人事件の犯人にはリックをあてようとしていた。
リックは真犯人を射殺し、さらに警察官たちに復讐していく。

暗い。とてつもなく暗い映画。
しかし、リックの精神描写がテーマで、考えさせられる映画だ。
また官憲がもつあの独特のいやらしい身内意識のえげつなさというのは、
万国共通なのかと感じた。
ラストシーンだけは気に入らない。


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映画 その2 『カクテル』

2004年10月02日 | 映画・ドラマ・コミック

『カクテル』(1988年)
主演:トム・クルーズ,ブライアン・ブラウン,エリザベス・シュー

軍隊を除隊した青年ブライアン(トム・クルーズ)はニューヨークに出て就職
口を探すが、優良企業はどこも学歴重視で採用の口がない。
途方にくれた彼は、マンハッタンのバーでバイトを始める。
彼はそこで働きながら、大学に進学し金持ちになることを目指すが、先輩バー
テンダーのダグ(ブライアン・ブラウン)に恋人を寝取られ、傷心のうち、
常夏のジャマイカに赴く。
ビーチのバーで働いていた彼は、バカンスに来ていた金髪のウエイトレス、
ジョーダン(エリザベス・シュー)と恋に落ちる。
「二人で暮らしたい」
日の光を受けてきらめく滝のしぶきの中で、波の音だけが聞こえる星影の揺れ
る浜辺で、二人は愛を確かめ合う。
そこへ金持ちの女と結婚して億万長者になったダグが現れる。
ダグにそそのかされてブライアンは、別な金持ちの女性実業家とただならぬ仲
になってしまう。
それを知ったジョーダンは独り浜辺で泣き、NYに帰ってしまう。
実業家と別れ、彼女に謝りに行ったブライアンは、彼女に頑なに拒否される。
「私妊娠したの。本気だったの。あなたはまた逃げ出すのでしょう?」
諦めきれないブライアンは彼女の安アパートに通うが会ってくれない。
ある日、アパートはもぬけの殻になっていた。実家に戻ったのだ。
実家は街中の高級ホテルの最上階だった。彼女は大金持ちの娘だったのだ。
驚くブライアン。
だが、金を握らせて彼を追い払おうとする父のもとから彼女は出ようとしな
かった。
やがて、富と堕落を得たダグが自殺して、金にとらわれない真実の愛の大切
さに気づいたブライアンは、ジョーダンの実家に押し入る。
「貯金は少しだけど僕がなんとかする。二度と離さない。結婚してくれ。」
彼はホテルマンや執事ともみ合いながら彼女を抱きしめてさらっていく。
やがて、彼が開いたバーでのパーティーには、多くの仲間が集まり祝福し
た。
そしてその輪の中には、大きくなったお腹をさすって幸せそうに満面の笑み
をたたえて彼にキスする彼女の姿があった。

これは初見だった。
巷間で評価が低い映画だが、とても面白かったよ。
観終わって、いい気持ちになれた。
純愛はいいものです(^^;)
それに、エリザベス・シューの演じるジョーダンの可愛いこと可愛いこと。
惚れた(笑)


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映画 その1 『ハスラー2』

2004年10月02日 | 映画・ドラマ・コミック

『ハスラー2』(1986年)
主演:ポール・ニューマン,トム・クルーズ

「疾風のエディ」と異名をとったプール(ポケット・ビリヤード)プレーヤー
のエディがミネソタ・ファッツという伝説のプレーヤーと勝負を終えて25年。
裏社会のボスの仕打ちで、エディはビリヤードの世界では生きていけなくされ
ていた。
プールの世界から足を洗い、酒のセールスで暮らしていたエディだったが、
ある酒場で金を賭けなくても勝負にこだわるビンセント(クルーズ)と
いう若者に出会い、若き日の自分の姿を重ねていく。
やがて、ビンセントにハスラー(詐欺師)の手ほどきをしながらエディは彼と
旅をする。
父親のようにエディを慕うビンセント。
しかし、場末のビリヤード場で名もなきハスラーに騙されてカモられたエディ
は、ビンセントに一方的に別れを告げ、裏の世界でなくトーナメントプレー
ヤーとして復活することを心に誓う。
そして、旅の果ての大会。
準々決勝は別れたビンセントとの対戦。エディはからくも勝利する。
しかし、その勝利はビンセントが勝ちを譲って、しかもビンセントがエディ
自身に裏で大金を賭けていたものだった。
それを知り愕然とするエディは、その後の試合を棄権する。
裏も表もなく、真の勝利者になるために、エディは再度ビンセントに勝負を
願い出る。負けても俺は次に必ず立ち上がるとビンセントに告げ、エディは
「ヘイ、アイムバック!」と叫んで力強いショットを放つのだった。

前作『ハスラー』は、台詞を覚えるくらい(数百回?)観た映画で、この作品
は、その前作の25年後の続編という設定。
テーマは前作のように「生と死と。人に大切なものは何か」という重いテー
マでなく、86年当時のいかにも軽快なもの。
原題は『カラー・オブ・マネー』だ。
作品中、映像のちぐはぐなところ(カメラショットが変わるとボールの配置
まで変わっているとか、突っ込みどころ盛りだくさん)はあるが、この映画
のおかげ(?)で、日本では戦後第2次ビリヤードブームが起こり、日本中
で「プールバー」なるものが出現した。
ビリヤード場は盛況で、どこへ行っても3時間待ちはあたりまえだった。

この『ハスラー2』も穴のあくほど観た映画だが、今回は作品の中でのキュー
の打球音を聞き分けるために詳細に観た。
あるひとつのシーンで、私が理想とするキューの打球音がしていた。


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