渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

夏の花のその色

2020年08月19日 | open
 
 
夏〜!
という感じが今年は無かった。
明らかに、新型コロナウィルス感染症の
影響で外出を極度に自粛していたからだ。
 
夏の花というと向日葵が思い浮かぶが、
ヒマワリは1600年代に日本に伝来した。
夏の日本の代表的な花は紫陽花だ。
日本原産。
英語でハイドランジアと言われても
まったくサッパリだ。アジサイは日本の
花だ。
 
ただし、古くから平安歌人たちが歌に詠ん
で愛でた紫陽花は、原種のガクアジサイで
あろうと思われる。
平安歌人が見ていたアジサイは、今の品種
改良された園芸種の本紫陽花ではなかった
ことだろうし、勿論、西洋紫陽花ではな
かっただろう。
 
いにしえの日本人が見ていた紫陽花とは
これだろう。



どことなく、桔梗を彷彿とさせる。
 
桔梗。万葉歌人や平安歌人たちに愛され
た。今の暦で6月から9月まで咲く息の永い
花でもあり、日本人に古くから親しまれ
た。
残念ながら絶滅危惧種となってしまった。


夏の花、その色は青。紫を含んだ青色で
ある。
古来、日本人はそれを「縹(はなだ)色」
と呼んだ。江戸期には略されて「花色」
ともされた。
日本の花の色は青紫なのである。
日本の色、と言ってもいいかも知れない。


新型コロナウィルス感染症の影響で、今年
の夏は鈴鹿にこの日本の花色の疾駆者を
見ることはできなかった。
日本の縹色=花色の歴史を思うに、この
色こそが、実は日本のインターカラーで
あるように思える。


パソコンからここをご覧の方はお気づき
だろう。私のこの日記のテンプレートは
縹色なのである。


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