渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『北の零年』(2004)

2022年08月03日 | open


『北の零年(きたのゼロねん)』(2004)

士魂潰えた明治の新時代。
明治新政府は次々と徳川政権
の模倣のような改易転封(てん
ぽう)を命じた。
これは戊辰戦争で新政府軍側
に就いた藩に対しても断行され
た。
淡路島の武士たちは、極寒の蝦夷
地へと追いやられた。
この物語は裏切り者と、みにくく
さもしい者と、心が空っぽに
なった生ける屍のような者と、
武士の心を忘れぬ者、そして、
独立自尊の士魂を思い出した士族
たちの物語だ。

17歳の石原さとみの熱演に目頭
が熱くなる。極寒の地で幼な子の
頃から少女に成長した時、人間の
許さ
れざるものを突如理解させら
れる
悲劇が訪れた。
そのシーンを今思い出しても
涙がこぼれる。
この映画作品は切なく悲しい物語
である。
裏切りが普通になる世の中ほど

汚れた世は無い。
士の魂、たれか知るらむ。


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