渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

近接戦闘キュー

2022年11月20日 | open


昨日午前中から本日01:30am
までの撞球タイムうち、3人撞き
のリングゲームで使用したキュー。
ノーラップ本ハギのローズウッド
モデル。
マスワリ専用モデル。
しかし、近接戦闘処理も極めて高
度にこなすオールマイティキュー
で、かなりの良品。
CQBキューとでも名づけたい位に。

真っ黄色だったオールドキューを
私がフルリフィニッシュした。
エンドゴムはJoss用に交換。
再塗装の際、ノーラップのバット
テーパーと太さを自分に合うよ
に削って変更した。TADに近づ
けて細くした。


昨日から本日にかけて使用した
キュー。
左がセットマッチで使用。極上
性能。
右が3人でのリングゲームで使用。
最高性能。
どちらも30数年、40数年前に作
られたオールドキューだ。


「シェリー。
ベリーオールド。
ベリードライ」
(by サラ・パッカード)
というやつ。

このキュー、左の極上キューは
1900円、右の最高キューは3000
円の入手金額だ。競売市場で。
だが、撞球性能はどちらも珠玉
の一言である。
値段は安いが中身はチープでは
なく特級品のさらに上だ。

なぜそんなに良いか。
木材自体がまるで異なるのだ。
全く違う。
これは撞いてみれば分かる。
良材が枯渇した現代、カーボン
等の新素材に良質な能力を求め
るしか方法が無くなっている。
良質な牛革一枚タップがやがて
消滅するであろう如く。
牛革の場合は、牛が居なくなっ
たのではない。タンナーが業界
から撤退したのだ。
だが、森林資源の場合、今から
復活させようとしても、あと
400年待たないと復活は望めな
い。
タップについては、そのうちエ
ボナイト等の素材のタップが世
界を席巻する事だろう。
カーボンがそうであったように。
象牙先角、革タップ、木製シャ
トは間もなく死滅するだろう。

昨日撞いた相手は20年来の知己
の撞球師で、キューの事は専門
ではないが撞球性能について
造詣が深い。
全員がソリッドスタンダード
シャフトを使う。
二人は私の二本のオールドキュ
ーを見て、とても良いと言う。
特にノーラップのハスラーキュー
のほうは、実際に撞いてみて、
これ最高!と。
で、席に戻り二人で話してる。
「あれいいね」
「うん。あれは良い」
と。
二本とも曲がりゼロ。年数を考え
ると、驚かざるを得ない。
別に半世紀以上前のキューも他に
二本あるが、それらも曲がりゼロ。
ゼロなのである。ごく僅かの曲が
りとかではない。ゼロ。
また、1983年製のランデキュー
もゼロ。1995年製TADもゼロで
ある。シャフトもバットも。
これは、実はとても驚異的な事な
のだ。

「シェリー。
ベリーオールド。
ベリードライ」
なのだ。
サラとエディの飲んだシェリーが
そうであったように、別れの乾杯
ではない真実を持つ事を祈ろう。
真実を。永遠に。
魂に光あれ。



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