渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

チョーク 〜ビリヤード〜

2022年02月09日 | open

ビリヤードには滑り止めのチョーク
が絶対に必須だ。

これは1986年の映画『ハスラー2』
でも多く登場したナショナルのチョ
ーク。日本でもブランズウィックの
ゴールドラベルと共に定番だった。
サラサラした感じで、ノリも散りも
良い。

144個入りの12ダース1グロスが
もう残りはこれだけになった。
1986年からどれだけ玉撞きをして
きたのか。
無論、このナショナルだけを使って
来たのではない。それでももう残り
はこれだけ。これでオシマイ。
ナショナルは現在廃番。


このチョークが一番いろんな場面
で馴染みが深い。


ナショナルの箱は、今はチョーク箱
入れになっている(笑


極めて優秀だったのが、このブラ
ンズウィックの黒。通称黒ブラ。


このチョークもよく使った。
現在廃番。残りはもうこの1個しか
手元にない。優秀なチョークだった。


黒ブラよりもノリがよいのがシルバー
カップの座無しイラストのオールド。
現座廃番。


非常に優れたチョークだった。
現行品はカップに座があるイラスト
入りの物で、旧タイプとかなり質が
異なる。シルバーカップは旧型が良。
これも大量にストックしていたが、
もうあと残りは数個しかなくなった。
こちらは12ダースの大箱ではなく、
ダースの小箱で買っていた。


マスターチョークの緑。
一般的な現行品マスターだが、この
セージカラーのマスターはブルーと
はまるで質性が異なる。
サラサラとしていながらノリがとて
もよく、そして、撞くとパッとすぐ
に散り落ちる。これまでの中で最高
の質性。

これは私が仲間とクラブハウスを
持った際、ブランズウィック台を
設置してくれた大阪の業者さんが
オマケでハウスキューと共にダース
箱を4箱程クラブにくれたその残り。


撞球会倶楽部ハウスの撞球室。
5年間維持運営した。
国内初の運営形態でビリヤード
専門誌にも紹介された。
ブランズウィック台は穴幅1.7玉
にセット。渋い穴の華台とした。
結果、クラブ員全員のシュート
が飛躍的に上がった。


ヨーロピアンチョーク。
キャロム用。

柔らかいクレヨンのようにノリが
良いが、撞いてもパッと散らずに
手玉が汚れ過ぎるので、質量が小
さなポケットのボールでは摩擦引
きずりの「スロウ」が多発して厚め
に軌道が外れる。
なので、ポケットビリヤードでは
使わない。

謎のチョーク「パイオニア」。
あまり見かけないチョークだが、
これが何とも具合が良い。
大阪道頓堀の玉屋で貰った物。
もうこの1個になったので、あえて
使うことはしない。資料保存。


チョークというものは、同じ品番で
あっても、ロットにより焼成具合が
異なり、ロットごとの個体差が出て
まう。
現実には「アタリ」と「ハズレ」が
あるのだが、上掲のブランズウィッ
クの黒やマスターのセージカラーの
チョークはかつては定番廉価ながら
極めて優秀な性能を持っていた。

チョークとは、平均1個150円程で
あり、それが適正価格だ。
現在、タップを高級品として暴利で
販売するビリヤード業者だが、最近
ではチョークに目をつけて、さも
究極至高のチョークかのように宣伝
して1個2700円程で販売している。
極めて由々しき所業であり、とても
馬鹿らしい事だ。
チョーク生産の製造元は同じだ。
だが、多少成分と焼成具合を変え
させた物をオリジナルブランドと
し、通常の20倍近い金額で販売し
ようとするその商魂。
150万円の軽自動車を3000万円で
「これは最高の車です」と言って
販売しているのと全く同じなのだ。
タップもそう。
いくら張り合わせの手間がかかる
とはいえ、1個2000円台後半の
タップなどは暴利も甚だしい。
タップなどは消耗品であり、1個
1000円以内あたりが適正相場だ。

ビリヤード業界は「高級」「特別」
「特権」等の人のいやらしい意識
をくすぐりながら商品販売をして
いるとても露骨な業界で、およそ
健全なスポーツの世界とはいえな
い面も多くある。
業者そのものが、客からどうやって
むしり取るかばかりをごく最近は
考えている。
こうなったのは今世紀に入ってから
だ。
ネオコン台頭以降に世界の商業人
の性根が露骨にえげつなくなって
きているのは日本のアキンドたち
だけの事だけではない。
全世界的にグロくなってきている。
グローバルとはグロテスクのグロ
なのかという程に。

私はチョークは1個2000数百円など
という馬鹿げた物は使わない。
現行普及品で十分だ。
黒い化学シャフトもグローブも使わ
ない。
なぜならば、全て「売らんがな」の
ためのイメージ商品であり、流行り
廃りの類の消費物体だからだ。
それに乗るつもりはさらさらない。

アマチュアだからそれができる。
自分の自由意思による選択を断行
できる。確固たる信念を貫徹して。
プロというのはヒモ付きなので、
いろいろ大変だなぁ、と思う。
自分の意思とアイデンティティを
企業に売り渡すのだから。
そして、軒並み手袋着けて、ねっ
とりチョークを使って、黒いシャ
フトに最新「高級」タップを着け
て広告塔となる。好きな作者の
キューさえ使えずに。
そのあたり、明らかにアメリカン
テイストとも異なる。
JOSSがシーゲルとバーナーを
サポートした頃の企業媒体の姿
とは。

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