渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

悪者がよく使う手 ~西部劇~

2023年05月19日 | open


映画『ザ・ハーダー・ゼイ・
フォール 報復の荒野』(2021)
から。

主人公たちも悪役たちも全員
黒人という西部劇。
幼い頃に両親を殺された少年

が大人になり復讐の旅に出る
という物語。
犯人追跡の途中で仲間が一人
一人増えていく。
しかし、題名は「やつらは
もっと落ち込む」だ。

その主人公の側に「俺よりも
速く抜く奴はいねえ」といき
がっている若いガンマンがいる。
最終局面の町での両派の対峙
の際に、悪党の第一の手下か
ら「5秒数えろ」と言われる。

余裕ぶっこいて、弾を詰め替
えて大口を叩く若いガンマン。




ゆっくり5からカウントダウン
しながらもいちびり(大阪弁
で調子こいていきがってる
という意味)の態度。


ゆっくりとカウントダウン
続ける。


いきなり顔面撃たれてぶっ
殺される。即死。


「数えるのがおせえんだよ」
と射殺者は言う。


これ、西部劇でよくあるシーン。
悪党は約束事など守らない。
多くの西部劇で、こうしたカウ
ントダウンを無視する射殺シー
ンが出て来る。まっとうな勝負
などはしない。
勝てばいい。
悪党のやり口はそれ。
汚いも綺麗も無い。
バクチ打ちもそれだ。
玉撞きでも、有名なフィリピン
の奴などは、人が撞く先の穴の
前にわざと立ったり、チョーク
の削り粉を穴前にわざと落した
りする。フィリピン人はスポー
ツマンではなく、例え大会だろ
うとプライベートだろうとバク
チとしてしか玉撞きを捉えて
いないので、人によっては何で
もやる。
汚いもへったくれも無い。
西部劇に出て来る無法者と同類
だ。


まあ、この映画のこのシーンでは
殺し合いの勝負の時に相手を舐め
切っていきがっていたほうが悪い。
いきなり射殺された。
これは自分が選んだ結末だ。


この作品では酒場の警備をして
いた女ガンマンがカッコいい。
銃の腕もいい。
途中から主人公たちの仲間になる。


今でもアメリカ国内でこのような
ロケができる場所があるのかと
思うが、遠景はすべてCGかも
知れない。


最ラストシーンは意味深な敵側
の女ガンマンの後ろ姿で物語は
終わる。敵はまだ生きていたの
だ。報復に対する報復が始まる
序章であることを示しておしまい。




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