私が離婚を決めた理由

離婚するまでの経緯のつもりでしたが、考えているうちに、AC、共依存などにぶつかっています。

ピアス

2006-05-03 12:02:13 | 私のこと
洗面所の隅に、片方だけのピアスを見つけた。
そういえば、長いことピアスをしていない。
穴が無くなってるかも・・・・・そう思って、そのピアスを入れてみた。
なかなか入らない。

不精なので、ピアスをつけたりはずしたりが面倒なのと、キャッチタイプは、耳の裏がかぶれ始めたのもあり、アメリカンタイプしか出来なくなった。
耳が立っているせいもあるのか、流行のジャラジャラとしたロングタイプが似合わない。

つけてどこかへお出かけすることもないので、ピアスをつけなくなった。
穴が無くなっても、困ることなんて何もないのに、時々こうやって穴があることを確認がてらピアスをつける。



13年前、ラスベガスのショッピングセンターのアクセサリーショップでピアスを開けた。
ほとんど衝動的だった。
ショップの店先で、お母さんに連れられた3歳くらいの女の子が、ピアスを開けていた。
ほんの一瞬、ガチャンと音がしたかと思うと、女の子の耳にはピアスがついていた。

耳たぶが小さくて、イヤリングをつけられない耳を持った私は、ピアスに憧れていた。
でも、「親から貰った身体に自ら傷をつけること」は嫌だと言っていた。
実際は、すぐに血の気が引いて倒れてしまう性格上、怖かっただけかもしれなかった。

「ピアスの穴を開けると人生が変わる」
そんな迷信を信じてみたくなったのかもしれない。
旦那と付き合い始めたばかりだった。
旦那の事を好きになれるよう、今までの人生が変わるよう私は願いを込めたかったのかもしれない。

女の子が、ピアスを開けた後、平気な顔をしているのを見て、私は定員に聞いた。
「痛くない?大丈夫?」
「これくらい」と店員は私の手のひらを軽くつねって見せた。
「じゃあ、開けて!」私は笑顔で頼んだ。

今考えると、よく化膿することなく過ごせたなと思う。
真夏の砂漠のようなラスベガスで、私は、自分の運命を変える為にピアスを開けた。
店員に言われたように、朝晩の消毒は欠かさず行った。

旅行中、私は毎日旦那に絵葉書を送り続けた。
この人なら私を守ってくれるだろう、そう思った。
信じよう、この人を好きになりたい、そう願った。

「ねぇ、このピアスはずせるようになったら、ピアスをプレゼントしてくれる?」
旦那に、そう言った。
最初のピアスは、最低1ヶ月はずせない。
だから、1ヵ月先も一緒に居ようとそんな思いで、おねだりした。
このピアスの穴には、特別な想いが込められていたから。

私が、男性にプレゼントをおねだりしたのは、後にも先にもこれだけだ。
クリスマスプレゼントも、誕生日プレゼントも、自分から何かが欲しいなんて要求したことはない。
でも、ピアスだけは特別だった。
私が幸せになるおまじないだったから。

約束どおり、私は1ヵ月後に、小さなアクセサリーショップで、誕生石のアクアマリンの小さな石の入ったプラチナのピアスを買って貰った。
それだけで私は幸せだった。
そんな風に、一緒にアクセサリーを選んで買うことも今までになかったことだから。

私は、自分の作り出した幻想の中で酔いしれていた。
一緒にどこかに遊びに行って、一緒に買い物に行って、そんな当たり前のことが私にとっては新鮮だった。
今まで、好きな人とそんな風に過ごしたことなんてなかったから。



自分のために自分でピアスを作ろう、そう思った。
ピアスの穴が運命を変えてくれるのではない。
運命を変えることが出来るのは、自分自身だけなのだから。
自分の人生を人にゆだねる生き方はもうよそう。

自分に似合うピアスを作ろう。
新しい一歩が踏み出せることを自分に誓うために。



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