風の声

想いつくまま

自己責任論の胡散臭さ

2018年10月31日 | 日記
「自己責任論」が鼻につく。

ジャーナリスト安田さんが解放されると声高に自己責任を言いだした。
もっとも、偏ったネット勢力に仕掛けられ踊らされてのことだが。

政府を批判しながら政府の世話になったのが気に入らないようだ。
解放させるためにカネが使われたなら、税金の無駄遣いだともいう。

この連中は法的な日本政府の使命をしらないのだろうか。
国外における邦人の命を守るのは政府の明文化された責任だ。

それに、そもそも声高に言ってる自己責任とは何なのか。
例えば危険がともなう登山で遭難し命の危機が迫っているとして、
「危ないのはわかっていたはず。自己責任だ」と救出しないのか。
飲酒運転で暴走した事故で瀕死の運転手がいるとして、
「危険を承知の事故だ。自己責任だからほっとけ」と救命しないのか。
不摂生が原因で病におかされ重篤にある国民がいるとして、
「病気は自業自得、自己責任だ」と保険を利用させないのか。

稚拙な喩えだが、幼稚な自己責任論に、ついそう思ってしまう。
それとも、政府の気に入らない邦人は見殺せ、とでも言いたいのだろうか。

誰しも、命を無駄遣いしたくて生きているわけじゃない。
ましてや、ジャーナリストの使命を果たそうとして事件に巻き込まれた。

安田さんのように命がけで「事実」を伝えてもらえるから、情報が届く。
それぞれのジャーナリストが、様々に報道するから、真相が見えてくる。
不都合を隠すような政府機関が公表する情報だけでは、真実は掴めない。

民主主義の機能を果たしているのが、その国のジャーナリズムだ。

民主的な法治国家でありながら、歪んだ自己責任論がまかり通る昨今。
トランプ現象から、理性を失った暴言が流行のような風潮は危うい。

もっともらしい「自己責任論」ほど胡散臭いものもない。


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