風の声

想いつくまま

失速し続ける経済

2022年09月02日 | 日記

アップルの時価総額が345兆円を超え、日本の1部上場企業全体の時価総額の半分になったニュースが流れたのは年明けのこと。

アップル1社分で、日本の上場企業の半分を買い取ることができてしまうという驚きのものだった。

30年前、世界の企業時価総額トップ50社に日本企業が32社も入り、トップ10の7社が日本企業だった。ところが、今年の世界トップ50社ではトヨタ1社だけが31位にランクインしただけとなった。

GDPでも、かつては日本が世界全体の18%を占めていたが、今では6%になっている。国民1人当たりのGDP も世界2位から28位と大きく下げた。

日本の経済力が失速し続けていることがわかる。

アベノミクスが経済を回復したとうそぶいても、実際は企業価値やGDPも賃金も下げ続けただけで虚構にすぎない。日銀にまで下支えさせて株高を演出してきただけのアベノミクスだった。

間違いだらけのアベノミクスは「異次元の金融緩和」も推し進めた。お金を銀行に預けるよりも、借金した方が儲かるというマイナス金利政策だ。そんな経済のモラルをぶっ壊してしまう政策をずっと日銀にやらせている。長期にわたってマイナス金利をやり続けた後遺症で、民間の活力や競争力は失われ、アリ地獄のような抜き差しならない事態に陥っている。

そんなことばかりやってるから、マイナス金利をあざ笑うかのように悪い円安が進む。

「新しい資本主義」を掲げて誕生した岸田政権は、来月で発足から1年を迎える。「新しい資本主義」を掲げながらも経済政策はアベノミクスを踏襲したままでいる。何をめざすそうとしているのか見えてこない。

岸田総理の「新しい資本主義」が、本気で賃金が下がり続けていることを是正し、分配を増やすことで国民の所得倍増をめざすというのなら、先ずはアベノミクスと決別しなきゃ始まらない。

市場の反発でちょっと株価が下がったくらいで「分配」をトーンダウンするようでは、本気度を疑ってしまう。

世界的には、目先の利益だけを追い求める株主至上主義によって経済格差が拡大している。問題を解決するには、成長と分配を見直して、働く人に利益を配分し、環境や地域、持続可能な社会をめざす経済に変えるしかない。

ここにきて「国葬」と「旧統一教会」で支持率を下げている岸田内閣。ふたつともアベノ呪縛だ。先ずは、その数々の呪縛から脱却することだ。





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