幕張のホテルでバスルームを使っているときにふと気づいた.電話に「FETEX」と書いてある.フェテックスといえば富士通の電話交換機.電話交換機といえば各社が電話機から交換機まですべて独自仕様で囲い込むシステムの最たるもののひとつだが,某大学でも伝統的にフェテックスが選定されていたため,IP 化にいち早く動いたメーカーの交換機を独自に導入するのにひどく苦労した憶えがある.
いまではその大学の交換機も独自に導入したメーカーのものに置き換わっており,さらに当時とは違って ISDN でのダイヤルアップ接続などもほとんど使われなくなっているため,独自に交換機をもつメリットもなくなってきた.当時としては先進的だったその交換機も近いうちに廃棄される.電話交換設備はこういったホテルの館内など閉鎖系としてはこれからも使われていくのだろう.
宮島を訪れるなら弥山にも登りたい.海に浮かぶ厳島神社から山頂まで 535m.ロープウェイを乗り継げば獅子岩駅 430m まで一気に登ることができる.獅子岩駅には「弥山山頂史跡めぐり」の絵がかかっているが,どこかのお寺の境内のようなこんな長閑な場所ではない.獅子岩駅から山頂を望むと展望台が見える.標高差およそ 100m.30 階くらいのビルと同じ高さをさらに徒歩で登らなくてはならない.
しかも獅子岩駅からはいったん下って谷筋を越えていかなくてはならない.ロープウェイで登れるのでお散歩コースのように勘違いしてしまうが,これは明らかにハイキングコース.麓の紅葉谷公園から徒歩で登ってくるハイカーはかなりの重装備.それもそのはず麓では雨でも山頂では雪になる.この日も日陰にはうっすら雪が消え残っていた.
ルートはかなり整備されていて階段も多いが,ハイヒールで歩くのはもってのほか.途中には隘路も岩場もある.土石流で路が流されたりもしている.勘違いして登ってきてしまった人は獅子岩駅の展望台までで引き返したほうがいい.
とはいえ山頂から遥かに四国や中国山地まで望むことができる景色は汗をかき息を切らして登る価値がある.宮島を訪れる際には足元をしっかり硬め,お洒落よりは質実剛健を旨としたコーディネートで出かけたい.