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経済政策と社会保障を考えるコラム


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アベノミクス・4-6月期の浮上に向けて

2018年06月03日 | 経済(主なもの)
 1-3月期GDPの若干のマイナス成長を受け、次期を占う4月指標が注目されていたが、輸出や建設財の伸びによって、追加的需要は好調に推移し、その波及もあってか、商業動態も高めの数字となり、消費も期待できそうである。ひと頃の輸出の勢いはなくなっているだけに、内需による自律的成長への兆しがあるかに注目しつつ、指標の点検を試みるとしよう。そうした中、政策としてのアベノミクスは、運まかせで、無策もいいところだがね。

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 4月の日銀・実質輸出は、1-3月期平均より+3.8となる高い伸びを示した。ただし、1-3月期での鈍化を踏まえると、2016年後半以来の高い伸びは続かないと見るのが賢明だろう。また、4月の鉱工業指数では、建設財の出荷が前月比+4.1となり、生産の予想が5月+2.5、6月-0.5となったことから、1-3月期の低下の反動の範囲内で、水準は高くないものの、底入れは果たしたようだ。こうした追加的需要の動きからすれば、4-6月期GDPの浮上は十分期待できる。

 追加的需要によって所得が増せば、消費が上向くのは自然で、4月の商業動態の小売業は、1-3月期平均より+1.2と大きく高まった。とりわけ自動車と衣服が良い。4月の消費者物価は下がっていると考えられるので、実質の伸びはもっと高くなるはずだ。同様に、4月の鉱工業指数の消費財出荷も、前月比+4.3と上ブレした。4月の需要側の統計は、来週の公表なので、即断はできないにしても、消費が上向いていることは確かだろう。

 その背景には、先日、指摘したように、今年に入って、雇用拡大が一段と進んだことがある。1-3月期の雇用者数は、前期比が男性で+20万人、女性で+44万人と大きく上回り、4月も、そこから+5万人と+48万人を上積みする水準にある。来週の4月毎勤も見たいし、季節的影響で強く出ている面もあるにせよ、雇用は、状況がステップアップしたと思われ、消費者態度は未だだが、消費と物価に波及してくると見るべきだ。

 4月の鉱工業指数は、全体的には今一つだったものの、設備投資を占う資本財(除く輸送機械)は好調で、生産の4~6月の実績と予測は、前月比+2.3、+5.8、-1.0となっている。1-3月期の機械受注において、製造業だけでなく、非製造業(除く船電)もプラスに転じたことからすれば、内需による自律的成長へ前進したように思う。今日の日経の設備投資計画の記事は、状況を良く表しているのではないか。

(図)



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 6/1に4月の国の税収が公表になり、一般会計の2017年度累計は前年度比+6.0%となった。おそらく、2017年度税収は59.0兆円前後になり、前年度の55.5兆円を大きく上回るだろう。2017年度の補正後の歳出は前年度より1.1兆円も少なくしておいて、税収が+3.5兆円になるのだから、こんな緊縮財政を敷いていては、内需がもたつくのも当然だろう。この他、地方税や社会保険料もあるわけで、アベノミクスは、無策どころか、逆噴射している。

 昨日の日経では、緊縮財政が出生率を落とすことを指摘していた。現在の資本主義は、すぐに若年層を収奪し、持続可能性を損なうものになっている。「次世代のため、緊縮財政を」と執拗に叫ぶ人たちは、「逆噴射」には口をつぐみ、次世代であるはずの目の前の若者を、今、助けようとは思わないらしい。次世代のためなんて欺瞞でしかなく、本音は別なのだろう。しょせん、少子化対策は緊縮財政の範囲内での話に過ぎない。「賢く縮もう」との説もあるが、滅亡の道に賢い方法などない。


(今日までの日経)
 「設備年齢」若返り進む、18年度投資計画16.7%増、小売業4割増。先進国 少子化再び、支援縮小が影響。
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経済
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