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経済政策と社会保障を考えるコラム


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1-3月期GDP2次・マイナス成長も、4月は消費が急伸

2018年06月10日 | 経済
 6/8に公表された1-3月期GDPの2次速報は、設備投資がやや増え、在庫が少し減り、全体は、1次速報と変わらず、前期比が年率-0.6のマイナス成長であった。ただし、同じGDPを、名目原系列の前年同期比で見ると、+1.4から+1.6への上方修正となっている。GDPは多角的に眺める必要がある。そして、今週は4月経済指標が出揃い、消費の強さが判明した。前期のマイナス成長は、急速に過去のものになっている。とは言え、その消費水準は、お寒い限りなのだが。

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 今回の2次速報に関して、日経は「GDP公表の度にぶれ、財政再建策に影響も」としているが、名目原系列の前年同期比で見ると、2017年度の各期の推移は、1次速報において+1.2、+2.0、+1.9、+1.4だったものが、2次速報では+1.2、+2.1、+2.0、+1.6となっただけであり、多角的に眺めれば、景気の動向を読み誤ったりはしないと思う。まして、財政再建に影響と言うほどでもあるまい。むしろ、足下の税収の大幅な上ブレを無視していることの方の問題が大きい。

 また、景気を診断するに当たっては、数字を追うだけでなく、仮設で構わないので、理論を持って読むことが必要だ。かねて説明しているように、本コラムは、需要不足の経済では、輸出、公共、住宅の追加的需要が景気動向の起点になると考えている。そうすれば、月次レベルでの「小地形」も分かる。すなわち、2017年夏までの急進、秋の減退、冬の盛り返し、春の停滞といった動きである。これをベースに、生鮮の高騰といった個別要因を加味していけば良い。 

 さて、4月については、日銀・消費活動指数が前月比+2.4と跳ね上がった。急伸は、4月の商業動態・小売業の動きから予想はしていたが、1-3月期より1.8も高いため、仮に5,6月が2月の水準まで戻ったとしても、4-6月期の前期比は+0.8にもなる計算だ。物価の影響もあり、割り引いて見る必要はあるが、4-6月期が消費を中心とした高成長になってもおかしくない状況である。1-3月期に在庫減を済ませているだけになおさらだ。

 ただし、4月の総消費動向指数は、前月比+0.2と程々のものだったし、家計調査は消費水準指数が前月比+0.4と、3月の落ち込みからすれば、弱めだった。家計調査は、フレが大きいし、物価に敏感な傾向があるため、少し弱く出ているのかもしれない。そうした中、勤労者世帯の名目実収入が昨年7月以来の高水準に達したことは注目される。賃金が上昇しつつあることを示すものの一つだろう。

 他方、4月の毎月勤労統計は、常用雇用が前月比+0.2と、2018年に入っても同様のペースで増加が続いていることが確かめられた。労働力調査の結果からすると、もっとあって良さそうではあるがね。現金給与総額については、3月の急伸を上回る減となったが、「きまって給与」の動きからすると、緩やかに高まっているように見受けられる。そして、物価低下もあり、常用雇用×実質賃金は、1-3月期より+0.7高い水準にある。

(図)



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 GDPの家計消費(除く帰属家賃)は、実質で237.6兆円と1次速報とほぼ変わらなかったが、消費増税後のピークだった2015年7-9月期をわずかながら上回るようになった。すなわち、2年半経っても、まったく豊かになっていないというわけである。むろん、増税駆込み前のピークである2013年7-9月期と比べれば、4.5兆円も少ない。そこまで達するには、順調に行っても、あと1年はかかる。そこで待ち構えるのが2019年10月からの10%消費増税である。骨太方針で増税準備が着々と進んでいるのを見るにつけ、家計消費を顧みることなき日本のエリートは、絶対に国民生活を豊かにさせないと、固く決意しているかのようだ。


(今日までの日経)
 列島 局所バブル? 。外国人就労 拡大を表明。社説・出生率向上へ若者の不安拭え。家計調査・消費に弱さ。
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経済
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